境界争いと戦国諜報戦 (読みなおす日本史)

著者 :
  • 吉川弘文館
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642071642

作品紹介・あらすじ

戦国大名・国衆の戦いは、支配領域の「境目」をめぐって繰り広げられた。地形・地質の特徴を踏まえ、境目の防衛戦略と築城、境目を脅かす忍び(草)の軍勢のゲリラ戦・諜報活動から、合戦の知られざる特質を見抜く。

感想・レビュー・書評

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  •  戦国時代のほとんどの合戦は互いの支配領域の境界、境目付近で起こった、そして境目には境界の防衛を目的として城が築かれ、争奪戦が繰り広げられた。
     本書は、それら境目をめぐる戦いや境目の城の実態について紹介、考察を加えたものである。

     具体的に取り上げられるのは、本書親本刊行が東日本大震災後だったこともあり、①陸奥国の伊達氏、相馬氏、蘆名氏等の大名・国衆の抗争とその地理的状況、著者の両親の出身地で土地勘があった、②越中とその周囲の越後、飛騨、加賀における国衆の動向、合戦と地理的状況についてである。

     そもそもとして、国や郡の境目を画する基準となったのは、まずは"山"、そして"河川"であった。特に河川の場合、水系によって、地域間のつながりの厚薄が生じてくる。
     この辺りのことは、転勤で何ヵ所にも住んだ経験からしても、実際にその土地に行って山や川の地理を見ると、実感できると思う。

     細かな地名が頻出し、国衆も馴染みがある名前はほとんどないので、少しとっつきにくいが、本書を参考に、自分の出身地や関心のある土地について、その地理及び歴史を共に学ぶことは、とても楽しそうだ。

  • 東2法経図・6F開架:210.47A/Mo55k//K

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著者プロフィール

1958年、横浜市生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。東京都立大学大学院修士課程修了。博士(史学)。専攻は日本中世・近世史。神奈川大学、慶應義塾大学、中央大学などで非常勤講師を務めた。 著書に『草と木が語る日本の中世』(岩波書店)、『軍需物資から見た戦国合戦』『境界争いと戦国諜報戦』(洋泉社、のちに吉川弘文館)、『鎌倉武士と横浜』(有隣堂)など。

「2022年 『家康家臣の戦と日常 松平家忠日記をよむ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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