- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642074674
作品紹介・あらすじ
古来、時代と共に変化を遂げてきた服装を、故実に基づき各種の絵巻物を駆使して、男装・女装・武装、装束の種類や色名など詳細な図を用いて分り易く解説。歴史学・国文学・服装史等、古典の理解に必携の好テキスト。
感想・レビュー・書評
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緒言の冒頭に、「主として朝廷及び武家の儀式・典礼を研究の対象とする有職故実の中、装束に関する部分を平易に解説」とある。
再版の序によれば、著者の子にあたる鈴木真弓氏が文章を現代調に直して図版を加え、一部難解な部分は加筆したこと、鈴木敬三氏が元来甲冑の研究家であったが、戦時下に宮内省図書寮に奉職して天皇実録の編纂に従事したことから公家の故実を学んだということがわかる。
平安から近世までの装束の変遷や、武装についての記述がバランスよく配されている。特に甲冑や武具などの各所の名前が詳しく記されているのが良い。僧兵の装束についても言及がある。
惜しいのは、再現した装束の写真図版がモノクロであること。
冒頭におそらく改訂版で追加されたと思われるカラー図版があるので、参照しつつ読むと少しは雰囲気がわかるかもしれない。
古典や史料を読むときに、傍にあると本当に役立つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
公家の装束、武装に関する決まりなどを記した一冊です。有識故実の本の中では、最も分かりやすいです。
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有識故実とは、公家や武家の儀式や習慣のこと。 この本では、主に装束や武具について解説されている。辞書的に使うような本だけど、来年の大河が紫式部なので、予習のため通読してみた。
資料的な本なのでネットでも調べながらでないと理解し難いところもあるが、色々と細かい決まりがあっておもしろい。
「襪(しとうず)」という現代の靴下のようなものは平安時代には老人や病人にしか着用は許されず、通常は裸足に靴を履いていた。これを着用するには天皇の勅許が必要という今ではありえないルールがあった。寒いし靴下を履こうと思ったら申請して天皇の許可が必要なのだ。しかも、一度着用すると、やめるのにも勅許が必要なのだという。つくづく平安時代に生まれなくてよかったと思う。
大河ドラマでは、話をわかりやすくするため登場人物はいつも同じ服を着て、人物ごとにテーマカラーも決まっていたりするが、有識故実のルールと合わない部分はどのように演出するのか今から楽しみである。こういう資料を傍に置いてドラマを観るのもよいのではないだろうか。
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資料として読んだけど、とても面白かったなー
色々と腑に落ちるものもある
というか、日本の装束のことなんか、なーんも知らんよね、こういうこと、ちゃんと教育として教えるべきだよなー
英語はその後で良いと思う