- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642080811
作品紹介・あらすじ
『古事記』はどのように読まれてきたのか。江戸時代の本居宣長からさかのぼり、中世の吉田兼倶・度会家行、平安初期の多人長まで。1300年の時空を超え、新たな神話へと変貌するダイナミックな歴史を読み解く。
感想・レビュー・書評
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ふむ
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本居宣長の『古事記伝』の読み直しから始まって、古事記解釈の歴史をさかのぼっています。
本書が明らかにするのは、近代的な実証性をそなえていると評価される宣長の古事記解釈を、中世以来の伝統的な古事記解釈の歴史の中に位置づけなおすことです。吉田兼倶や渡会家行、さらに平安時代の多人長まで、古事記がどのようにして読まれてきたのかを明らかにする著者の議論をたどっていくうちに、「古事記」とはそうしたテクスト解釈の歴史の謂いなのではないかという考えに誘い込まれそうになります。
もちろん実証的な研究史・解釈史としても読むことも可能なのですが、むしろテクスト論的なラディカリズムに身を委ねたくなってしまうところに、本書のおもしろさがあるような気がします。 -
古事記の価値を再認識させた本居宣長の時代,そもそもそれまで古事記はどのようにして読まれてきたのか,江戸時代から南北朝,室町,平安時代と順々に遡り,古事記に対する解釈の変遷を読み解いていく.日本書紀と共にどうやって神話学が形成されていったのかから,古事記を語るとき必ず出てくる偽書説まで,当時の文献を引用しながらどのように議論されてきたのかの解説は分かりやすかった.古事記に対する編纂の歴史を振り返りながら,最後にまた宣長の古事記解釈へと戻り,どのような思想が宣長古事記に反映されているか,と繋がるところはさながら小説のクライマックス.
陰陽道やその名家,江戸時代の思想家や平安〜中世の貴族政治などなど,ある程度の前提知識は必要ではあるものの,難しい単語には解説がある.引用された古典には筆者の簡単な要約がついているのもうれしいところ. -
古事記の解説者、本居宣長とそれ以前の古事記の読み手について書かれている。なかなか面白いんですが、読むのがしんどかった。素人が手を出すのは危険^^;^^;^^;