猫が歩いた近現代―化け猫が家族になるまで

著者 :
  • 吉川弘文館
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本棚登録 : 92
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642083980

作品紹介・あらすじ

空前の猫ブームといわれて久しい。化ける・祟るなど、江戸時代には狡猾で恐ろしいイメージだった猫は、どのように今日の地位を獲得していったのか。文豪たちに愛され、ネズミ駆除で重宝された一方、虐待、軍用毛皮の供出、食糧難による猫食いなど、苦難の路を辿った猫たちへのまなざしの変化を描き、人間社会のなかに猫の歴史を位置づける。

感想・レビュー・書評

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  • これを読めば猫たちのことがより愛おしくなる!『猫が歩いた近現代-化け猫が家族になるまで-』5月26日発売! - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
    https://www.sankeibiz.jp/business/news/210528/prl2105281102047-n1.htm

    早稲田大学文学学術院真辺将之研究室
    https://www.f.waseda.jp/mana/

    猫が歩いた近現代 - 株式会社 吉川弘文館 安政4年(1857)創業、歴史学中心の人文書出版社
    http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b575214.html

  • 日本において、猫と人間との複雑な関係は、
    近現代に入ってからどのように変容していったのか。
    第一章 猫の「夜明け前」ー前近代の猫イメージー
    第二章 近代猫イメージの誕生ー猫が「主役」になるまでー
    第三章 国家が起こした「猫ブーム」ー猫の三日天下ー
    第四章 猫の地位向上と苦難ー動物愛護と震災・戦争ー
    第五章 猫の戦後復興と高度成長ー猫の「ベビーブーム」ー
    第六章 現代猫生活の成立ー高度成長終焉以降ー
    参考文献や情報資料は、文中に適宜有り。
    前近代、大多数の人々の猫へのイメージは、化け猫・怪猫。
    それも遥か昔から。それが近現代の時代の潮流の中で変容し、
    如何に愛される存在に成っていったのかを探り、考察する。
    前近代からの猫は辛苦な環境にありました。
    文学でも絵でも、化け猫・怪猫、ときたま添え物。
    芸者になぞられ、道徳心では犬と比較される。
    飼われても、虐待や殺害、捨てられるのは、日常茶飯事の時代。
    明治時代に入っても、社会の一員や家族の一員には、ほど遠い。
    ペスト対策でネズミ駆除に、国の施策で飼うのが奨励された、
    一時的な猫ブームは、猫イラズの登場で衰退に。
    猫捕り・猫泥棒で三味線の皮に。(それほど三味線の需要、大?)
    軍への供出で毛皮になり、大震災や大空襲等での焼死や飢え死。
    食料不足で食用にされ、水俣病の悲劇や動物実験の材料に。
    しかし、普通の猫を猫のままに描いた絵や文学が登場し始め、
    徐々に増える猫愛好家たちの動きが。
    動物病院や動物霊園。雑誌、書籍、イベント、そして愛好団体。
    高度成長期の住宅と生活の変化による、猫への処遇は、
    オイルショック直前の動物保護管理法、動物愛護法の制定へ。
    キャットフードやトイレ砂等の猫用品とペットショップの登場。
    都市化と住環境の変化で、飼い猫がペットに、そして家族に。
    本やCM、メディア、グッズ等・・・猫ブームに。
    そしてインターネット等の情報の拡がりで、空前の猫ブームへ。
    猫が愛される存在になった歴史は浅い。
    それまでの嫌われる存在だった頃の状況の、悲惨なこと。
    それらを明らかにするのは大事だと思いました。
    しかし、やっと平穏な暮らしが出来るようになった現代でも、
    問題は出てきます。猫害、老猫、安楽死、避妊・去勢、虐待・・・。
    地域猫、保護活動、譲渡会など、人間は様々に知恵を絞ります。
    それを眺める、猫たちの眼差し。未来を想うのか?
    いえ、これもひと時の出来事と、微睡んでいるのかもしれません。

  • 【内容紹介】化ける・祟ると恐れられた猫は、どのように今日の地位を獲得したのか。文豪に愛されネズミ駆除で重宝される一方、三味線や毛皮用にも使われた猫たちへのまなざしの変化を描き、人間社会に猫の歴史を位置づける。

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000954365

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000053144

  • 電子ブックへのリンクはこちら:
    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000104175

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/758820

  •  著者は猫好きだろうが、贔屓の引き倒しにならず、研究者らしい冷静な観察眼で見ている。
     江戸から明治初期までの近世は、猫好きもいたが社会の多数派ではなく、また文化における猫の存在は、一般的には化け猫や美人の添え物としてであった。猫が本来の猫として捉えられるようになったのは漱石の頃で、それが猫の近代の始まり。
     20世紀初頭にはペスト対策の鼠取りのため一時的に珍重されるが、すぐに殺鼠剤に取って代わられ、その後は震災や戦争に翻弄される。
     高度成長期からは猫の現代。ペットとしての飼育が増えるが、同時に消費の対象ともなり、また公共マナー意識の高まりの中で猫の「迷惑」が可視化される。
     70年代末からは「猫ブーム」。室内飼育の増加や住宅の密閉性向上、家事負担の軽減、カラー写真やテレビの増加がその背景にある。90年代末からはネットを含む各種メディアの相互作用で「空前の猫ブーム」となる。

  • 我々にとって身近な存在である猫が、江戸時代から現代にかけてどのように認識され、どのように扱われてきたのかの道筋をたどる本。今でこそペットとして大人気の猫であるが、その人間社会における高い地位は決して伝統的なものではなかった。江戸時代には不気味なものとして考えられていたし、芸者を指す隠語として猫という言葉が用いられていた。明治以降も、ペストを媒介するネズミの駆除のため、あるいは戦時下での毛皮の原料として、人間社会にとっての有用性の観点から猫が評価されていた。後半の戦後の経済成長の中での猫像の変遷では、動物愛護の風潮のなかで次第に猫の地位が向上していく動向と、しかしそれでも野良猫に対する厳しい眼差し、それが日本人の住環境の変化によって「迷惑」を感じる範囲が変わったことが要因となるというような指摘がなされる。猫を猫として可愛がるという文化が確立されても、その中には猫の間にカテゴリーを設けて特定のグループを優遇したり、殺処分を自明視するなど、決して猫好きにとって快く思えない事実が満ち満ちている。そのような「夢物語」ならざる猫と人間の関係の歴史を直視させてくれる本書は、猫好きにとって必携の一冊であると同時に、歴史一般に対する向き合い方を考えさせてくれる内実を備えている。

  • 東2法経図・6F開架:645A/Ma43n//K

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著者プロフィール

1973年、千葉県生まれ。2003年早稲田大学大学院文学研究科史学(日本史)専攻満期退学。2009年、博士(文学)の学位を取得。現在、早稲田大学文学学術院教授、ルーヴェン・カトリック大学客員教授 ※2021年5月現在
【主要編著書】『西村茂樹研究』(思文閣出版、2009年)、『東京専門学校の研究』(早稲田大学出版部、2010年)、『大隈重信』(中央公論新社、2017年)

「2021年 『猫が歩いた近現代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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