奈良時代の大造営と遷都 宮都と寺院の実像を探る

  • 吉川弘文館 (2024年12月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784642084642

作品紹介・あらすじ

710年、藤原京より平城京に都を遷し、新たに律令社会の形成をめざした奈良時代。地方の行政を担った国司・郡司らの仕事や古代の道に立てられた告知札、対馬・隠岐の実像や墓誌にいたるまで、古代社会の諸相を描く。遷都を繰り返した「聖武による五年間の彷徨」の意図や、行基が参画した大仏造立、平城京内の寺々の造営の実態を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 行政と地域社会における役人の役割
    - 古代役人の役割: 古代の役人たちは地方行政を担い、地域社会において重要な役割を果たしていた。
    - 政庁の発見: 近江国庁跡や伊勢国庁跡など、政庁の構造が発掘され、当時の行政機関の形態が明らかになった。
    - 政務と儀式: 国庁では、重要な政務が行われ、広い内庭で郡司や郷長らと共に諸儀式が執り行われていた。

    平城京における告知札の役割
    - 告知札の存在: 平城京では、告知札が数多く立てられ、特に交通路に沿って多くの告知が行われていた。
    - 牛馬の取り扱い: 牛馬が逃げた際の取り扱いに関する決まりがあり、所有主を探し、官司に届ける必要があった。
    - 告知札の形式: 告知札は木製の長大な台状のものに差し込まれて立てられ、情報を周知する役割を果たしていた。

    古代国家と海産物
    - 隠岐国の貢納: 隠岐国は海産物を貢納する重要な国であり、古代国家において海産物の重要性が認識されていた。
    - 行政の役割: 海産物を貢納するため、国や郡の役人は行政業務を遂行する義務があった。

    恭仁宮と遷都
    - 恭仁宮の造営: 聖武天皇の時代に恭仁宮が造営され、都の移動が行われた。
    - 三都制の採用: 新たに造営された恭仁宮は、古代日本において特定の役割を果たすために構築された。

    大仏造立と資金調達
    - 大仏の鋳造: 大仏の鋳造には、大量の金が必要であり、百済王敬福が金を献上したことが記録されている。
    - 金の採取方法: 陸奥国での砂金採取に多くの人員が動員され、これにより大仏造立が実現した。

    硲誌と古代の記録
    - 硲誌の多様性: 古代日本における硲誌は、多様な形式が存在し、特に金銅製のものが多く見られた。
    - 歴史的背景: 硲誌は古代の歴史的な出来事や人物を記録するための重要な資料とされている。

    瓦の生産と建築
    - 瓦生産の体制: 藤原宮の造営に際し、瓦の生産が計画的に行われ、大和盆地外と内での生産が行われた。
    - 技術の進展: 藤原宮での瓦生産に関する技術革新が見られ、特に新しい製作技法が導入された。

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著者プロフィール

1941年 青森市生まれ
1966年 東北大学大学院文学研究科修士課程修了。奈良国立文化財研究所主任研究官、滋賀大学教授、明治大学大学院特任教授を経て、現在、滋賀大学名誉教授、博士(文学)
主な著書
『近江の考古学』(サンライズ出版 2000年)
『日本古代寺院造営氏族の研究』(東京堂出版 2005年)
『聖武天皇が造った都』(吉川弘文館 2012年)
『日本の古代宮都と文物』(吉川弘文館 2015年)
『古代豪族葛城氏と大古墳』(吉川弘文館 2017年)
『検証 奈良の古代遺跡』(吉川弘文館 2019年)
『検証 奈良の古代仏教遺跡』(吉川弘文館 2020年)
『古代近江の三都 大津宮・紫香楽宮(甲賀宮)・保良宮の謎を解く』(サンライズ出版 2021年)
『古代宮都と地方官衙の造営』(吉川弘文館 2022年)
『平城京の役人たちと暮らし』(吉川弘文館 2023年)
『奈良時代の大造営と遷都』(吉川弘文館 2024年)

「2025年 『近江の古代寺院と造営氏族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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