20のテーマでよみとく日本建築史 古代寺院から現代のトイレまで

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  • 吉川弘文館 (2025年3月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784642084741

作品紹介・あらすじ

建築史は、現存しないものも含め過去の建物すべてを対象に、様式や技術だけでなく、町並みや生活空間までも探究する。この幅広く奥深い学問の面白さを伝えるべく、分かりやすいコラム形式で解説。法隆寺五重塔や中世の仏堂、江戸時代の遊郭・見世物小屋、近代の温泉旅館や厠のほか、中国・朝鮮まで視野を広げ、多様なテーマから建築の魅力に迫る。 

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた。
    色々と奥深い

  • 【本学OPACへのリンク☟】

    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/734047

  • ふむ

  • 本書は、古代から現代に至る日本の建築史を、寺院、塔、様式、都市、信仰、庶民の生活空間(見世物小屋、遊廓、温泉、トイレ)など、20の多様なテーマに沿って読み解く入門書です。専門的な知識を分かりやすく解説し、建築を通して日本の歴史、文化、社会の変遷を理解することを目的としています。

    古代寺院の黎明と法隆寺: 仏教伝来に伴い、飛鳥・奈良時代には国家事業として古代寺院が創建されました。法隆寺五重塔は、その代表例であり、建立年代(年輪年代測定による部材伐採年の推定)や心柱の構造・役割、伽藍配置における意味などが、建築史上の重要な論点として解説されます。
    平安時代の建築と「和様」の成立: 平安時代には、唐の影響を受けつつも、日本の風土や美意識に合わせた「国風化」が進み、寺院建築にも礼拝空間(礼堂)が設けられるなど変化が見られます。この流れの中で、貴族文化を背景に、柱が細く貫(ぬき)を用いる構造、優美な曲線や装飾を持つ日本独自の建築様式「和様」が成立・発展しました。
    中世鎌倉の都市と信仰: 源頼朝による幕府開設後、鎌倉は政治・文化の中心地として発展し、「名所」としての地位を確立します。鶴岡八幡宮の整備や、武士や庶民の参詣、旅宿の存在などが、中世都市鎌倉の姿を伝えます。『東関紀行』などの文学作品も当時の様子を知る手がかりとなります。
    懸造(かけづくり)と信仰: 清水寺本堂に代表される、崖や急斜面に建てられた「懸造」は、日本の山岳信仰や修験道と深く結びついた建築様式です。単なる技術的な工夫だけでなく、聖地としての空間性、儀礼や修行の場としての意味合いを持ち、人々の信仰心を集めました。
    近世の多様な建築空間:
    見世物小屋: 江戸時代に発達した見世物小屋は、仮設的で、内部を隠し期待感を高める空間構成を持っていました。
    遊廓: 周囲を囲われた閉鎖空間に、見世、揚屋、茶屋などが配置され、非日常的な遊興の場として独特の建築様式を発展させました。
    霊場と門前町: 秩父観音霊場のような巡礼地が整備され、多くの人々が訪れました。伊勢神宮や善光寺などの門前町では、参詣客をもてなす御師(おし)が活躍し、宿坊や土産物屋が立ち並び、地域経済を支えました。
    温泉地: 銀山温泉に代表されるように、湯治場として発展し、木造多層の旅館が建ち並ぶ独特の景観を形成しました。「外湯」(共同浴場)は、地域住民や湯治客の交流の場として重要な役割を果たしました。
    暮らしの中の建築史(厠からトイレへ): 人々の生活に不可欠な「厠(かわや)」も時代と共に変化しました。屋外での排泄から、貴族住宅の樋殿、共同便所、携帯用便器を経て、建築内部に取り込まれるようになります。明治以降、「トイレ」と名称を変え、水洗化や衛生観念の向上、公共トイレの整備、高機能化が進みました。
    近代建築と保存: 明治時代には、西洋文化の影響を受けて「擬洋風建築」が学校などに建てられました。一方で、日本の伝統的な建築を保存する意識も高まり、古器旧物保存方から文化財保護法へと法整備が進み、重要文化財や伝統的建造物群保存地区などの制度が確立されました。
    東アジアの中の日本建築: 遣唐使や求法僧の旅、古代中国の宮殿建築(両翼建物)や皇帝庭園、朝鮮通信使が見た江戸時代の日本の様子、朝鮮王朝の葬礼施設「魂殿」などを通して、日本建築が東アジアの文化交流の中でどのように影響を受け、また独自の発展を遂げてきたのかが比較考察されます。
    本書は、著名な寺社建築から庶民の生活空間、さらには東アジアとの比較まで、幅広いテーマと具体的な事例を通して、日本建築の歴史とその背景にある人々の営み、思想、文化を立体的に描き出しています。建築という切り口から、日本の歴史と社会をより深く理解するための一冊です。

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著者プロフィール

1983年、千葉県生まれ。2006年、東京大学工学部建築学科卒業。2009年、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程中退。2009~18年、奈良文化財研究所研究員。現在、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授、博士(工学)。 ※2022年12月現在
【主要編著書】『奈良時代建築の造営体制と維持管理』(吉川弘文館、2015年)、『発掘遺構から読み解く古代建築』(共著、クバプロ、2016年)、『古建築を復元する―過去と現在の架け橋』(吉川弘文館、2017年)、『建物が語る日本の歴史』(吉川弘文館、2018年)、『奈良で学ぶ 寺院建築入門』(集英社、2022年)、『森と木と建築の日本史』(岩波書店、2022年)

「2022年 『再生する延暦寺の建築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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