住職たちの経営戦略 近世寺院の苦しい財布事情 (歴史文化ライブラリー 614)
- 吉川弘文館 (2025年1月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784642306140
作品紹介・あらすじ
江戸時代、幕府の命で人々は仏徒となることを義務づけられ、寺は特権的立場を得たといわれてきた。だが内実は、制度の恩恵外におかれ、火の車の零細寺院が無数に広がっていた。収入減と増える借金、資産処理をめぐる檀家との対立、先代住職の老後保障など、課題山積の経営状況を活写。寺の存続をかけ、地域を巻き込み展開した住職たちの苦闘に迫る。
感想・レビュー・書評
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- 近世と中世の移行: 江戸幕府の成立後、大寺院が持つ経済力と軍事力は近世社会においても大きな影響力を持っていた。
- 国家体制との関係: 大寺院は国家体制の一部として機能し、江戸幕府はその管理に苦慮していた。
2. 本末制度の形成
- 本末制度の概要: 各仏教教団において、大寺院(本寺)を中心に、末寺を従属させるピラミッド型の組織が構築された。
- 寺院法度の発布: 江戸幕府は、寺院法度(寺院に対する法令)を通じて仏教教団の監督を強化し、特に有力な寺院に対して複数回発布を行った。
3. 曹洞宗の法度とその影響
- 修行期間の定義: 曹洞宗において、僧侶は最低25年間の修行を経た後に執行権を持つことが求められた。
- 教団内の階層構造: 教団内での地位や役割が明確化され、末寺が本寺の法度に従うことが求められた。
4. 天草・島原の乱と宗門改役
- 天草・島原一揆の発生: 江戸時代における大きな事件であり、宗門改役の設置が求められた。
- 宗教政策の変化: 江戸幕府の宗教政策が大きな変化を遂げ、教団の管理が厳格化した。
5. 寺院経営の実態
- 棺家数の分布: 寺院における棺家数が経営の安定性に影響を与えることが示され、特に無住寺院の増加が問題視された。
- 不受不施の教義: 不受不施の教義が寺院経営に与える影響が分析され、新たな檀家を獲得する手段としての役割が強調された。
6. 住職の経済的負担
- 住職の引き継ぎと借財: 住職が転任する際に、借財を残すことが一般的であったことが示され、経済的な負担が後住に移行することが多かった。
- 住職の安定性: 寺院経営が安定しているかどうかが、住職の在任や住職の経済的負担に大きく影響していた。
7. 地域社会との関係
- 村と寺院の関係: 地域社会と寺院の関係が強調され、村の住民が寺院の経済的な側面にも関与することが明らかにされた。
- 宗教活動と地域経済: 寺院が地域の経済に与える影響や、地域住民との信仰のつながりが重要視された。
8. 未来に向けた展望
- 宗教政策の必要性: 江戸幕府の宗教政策が今後も重要であり、教団の管理や地域社会との関係構築が求められる。
- 寺院の役割: 近世における寺院の役割が変化し、より多様な経営戦略が必要とされることが示されている。
著者プロフィール
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