平家物語の合戦 戦争はどう文学になるのか (歴史文化ライブラリー 617)
- 吉川弘文館 (2025年3月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784642306171
作品紹介・あらすじ
源平合戦を題材に、後世の日本文化に多大な影響を与えた『平家物語』。合戦を語ることがなぜ人々の共感を呼ぶ物語となったのか。以仁王の橋合戦から頼朝・義仲の戦い、義経の一ノ谷・屋島・壇ノ浦合戦まで、多数の異本に目を配りつつ、合戦の歴史的経過をたどり、さまざまな性格を持つ物語を考察。物語に織り込まれた人々の欲求を読み解く。
感想・レビュー・書評
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平家物語の合戦、戦争はどう文学になるのか
『吾妻鏡』も『平家物語』を用いて編集
三浦一族の忠節と犠牲
鎮魂の形をとって語り伝えられた物語
頼朝を助け報酬を約束された人々の話
在地社会から発生し多様化した物語
進退窮まった小坪・衣笠城合戦
真光故実、組み討ちの増加
敵の首を取る功名を目的とする戦い方
在地武士の合戦体験に基づく可能性
水鳥の羽音に驚き逃走した富士川の平家軍
甲斐源氏の功名が大きかった
木曽義仲、父を殺され頼朝に従えず
倶利伽羅峠、夜襲と火牛の計
斎藤実盛、髠を染めて最期を迎える
後白河法皇の大胆な逃亡と義仲の孤立
祈祷で義仲を倒そうとした法皇
高綱と景季の宇治川先陣争い
巴との別れ、五騎になった義仲の心象風景
一ノ谷、源平最大の合戦
生々しい戦場の現実と功名談
熊谷直実と平山季重の功名争い
猪俣則綱による盛俊のだまし討ち
敵と正々堂々戦う道徳ではなかった時代
首取りと功名、耳や鼻を削ぐことも
義経の鵯越の坂落とし伝説
敦盛最期、功名談を超えた文学
我が子を思う苦しみが文学を生む
屋島での詞戦、子供の喧嘩のような応酬
那須与一の扇の的、離れ業と解釈
義経の弓流し、名折れを恐れる意地
壇ノ浦、非戦闘員への攻撃という掟破り説
教経の奮戦と義経の八艘飛び
知盛最期、「見るべき程の事は見つ」
戦死者への鎮魂という側面 -
学術的な側面の強い本ではあるものの、地理的な広がりの中で戦乱が起き、そこで怒る親子や兄弟、主従の人間模様が平家物語が語り継がれ、人々を引きつけてきたのだということを実感した1冊。その後の文学や、今のサブカルチャーの根底の部分にも影響を与えてきたのではないかと思う
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【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/729204
著者プロフィール
佐伯真一の作品
