私の人間学 上

  • 読売新聞社 (1988年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (348ページ) / ISBN・EAN: 9784643880373

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  • 著者は、その恩師戸田城聖先生の「青年は心に読書と思索の暇をつくれ」との言葉を抱きつつ、寸暇をさいて書を読み、人々と語らい、自らの理想に生き抜いてきたと語られている。

    古来の聖賢の教え、歴史に残る人物の逸話などを題材に、著者自らが各地で語られた内容について、更なる編集を加え書籍として発刊されたものである。従って、単なる書籍の紹介、歴史的エピソードの紹介にとどまらず、そこには聞き手(読み手)を啓発せずにはおかないという強い慈愛と信念が感じられる。

    はしがきの「本書が、読者にとって、人生を考える上での縁となり、特に若い方々の「人間学」の序章となれば、これ以上の喜びはない。」という著者の思いが込められた書である。

    内容は3つの章から構成されている。第一章は「豊かな人生を考える」として、非常に多彩な人物と逸話が紹介されている。クフ王、アレクサンダー大王、北原白秋、葛飾北斎、デカルト、シュバイツアー、三木清、魯迅、小林秀雄、アリストテレス、コッホ、リンカーン、ロマン・ロラン、トルストイ、ヘッセ、新井白石、鳩摩羅什等等。

    一日に一つの随筆を読むことで、その人物の偉大さを学べ、どこが人間として偉大だったのかを改めて考えてみることができる。

    第二章は「一人を生かす人間組織」として、こちらも古今東西の歴史事実を通して、組織論やリーダー論を学ぶことができる。

    「時代を肌で感ずる先見の人-織田信長の時代把握力」「的確な情報が勝敗を分ける-マラトンと桶狭間」
    「死角のない組織-五稜郭の構築法」といった随筆が多数。

    信長の先見は、今放映されている大河ドラマでもこれから再確認できそうである。「死角のない組織」においては、まさにコンプライアンスや透明性のことを取り上げており、昭和の発刊の書でありながら、全く現代にそのまま通用する内容なのである。

    第三章の「文学から人間をみつめる」では、吉川英治の「新・平家物語」、ゲーテの「ファウスト」、吉川英治の「三国志」、トルストイの「戦争と平和」の4つを取り上げ、大文豪の長編大作から、その登場人物からみた人間学が展開されている。

    大文豪の心のスケールを十分に理解するには、その大文豪と同じかそれ以上の心のキャパがあって、初めてできることなのだろうなと、本書を読んでそういう実感をもった。

    そういう深みのある読み方を、我々は本書を通じて学ぶことができ、その結果として読み方を学びながら大文豪の核心部分にまで触れさせてもらうことができる。

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著者プロフィール

池田大作(いけだ・だいさく) 1928年、東京都生まれ。創価学会名誉会長/創価学会インタナショナル(SGI)会長。創価大学、アメリカ創価大学、創価学園、民主音楽協会、東京富士美術館、東洋哲学研究所、戸田記念国際平和研究所、池田国際対話センターなどを創立。『人間革命』(全12巻)、『新・人間革命』(全30巻)など著書多数。世界の識者と対話を重ね、『二十一世紀への対話』(A.J.トインビー)、『二十世紀の精神の教訓』(M.S.ゴルバチョフ)、『地球平和への探究』(J.ロートブラット)など多くの対談集を刊行。

「2023年 『完本 若き日の読書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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