イン ザ・ミソスープ

  • 読売新聞社 (1970年1月1日発売)
3.36
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Amazon.co.jp ・本 (260ページ) / ISBN・EAN: 9784643970999

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人間の内面や社会の歪みを深く掘り下げた作品は、恐怖と緊張感に満ちています。読者はその恐ろしさに圧倒され、ページをめくる手が止まらなくなるほどの迫力を感じるようです。特に、表紙のデザインが強烈で、視覚的...

感想・レビュー・書評

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  • あまりの恐怖で駆け足読了した後フウようやくフランクから解放されたと安堵しながら初めて表紙をまじまじと見てしまい悲鳴をあげながら本を投げました

  • 女子高生たちがポケベルを持っていた頃。いまより少し前の東京。
    外国人相手に風俗アテンドの仕事をしているケンジ。
    年末に3日間のアテンドを依頼してきたフランクのおかしな態度にケンジは不信感を抱く。ケンジの悪い予感は的中し、フランクは大量殺戮を行う狂った男だった。

    --------------------------------------------

    最近よく聞くサイコパスとフランクは違う。サイコパスよりももっと人間味がない、というかフランクは人間なのだろうか。
    頭がおかしい殺人者というだけでも恐ろしいのに、ケンジのアパートのドアに人間の皮膚を貼りつけたり、おじさんの顔をライターで焼いたりするのに、除夜の鐘に興味深々になるフランク。彼はただただ気味の悪いモンスターだ。ときおり見せる人間味もウソなのか。恐ろしいけど、それだけではない。

    フランクとケンジの会話のなかの日本批判に少なからず共感を覚えた。年末に読んでよかった。名作。

  • そこらのホラー映画よりよっぽど恐怖を覚える。
    表紙が怖すぎる

  • 村上龍の小説。

    日本人は、日本は海外から見るとおかしな国に映るのかもしれない。
    何となく、周りに合わせたり、ふらふら自分探しとか言って甘えたり、そういう人は確かに多いのかもしれない。
    これは海外の実際を知らないため、厳密にはわからないけど、身の回りや、ニュースを見ているとそう感じる。

    日本人は日本のことを知らな過ぎる。
    そして海外の文化に憧れてどんどん輸入してくる。
    宗教も無いようなもんだ。
    神様にしかすがるものがないという状況に歴史的に陥って来なかったためだ。

    なんとなく、というのは罪かもしれない。
    世界のたくさんの人は、リスクを取って生きている人がおおいのだから。

    日本人の大多数の人は、日常に行なっている行動の理由に答えられるのかな?
    説得力のある答えを持っている人は少ないように、思える。

    随分適当に書いた。
    もっと社会に目を向けないと、実際のところはわからないですね。自戒。

  • 村上龍初読。
    もう十年以上前の、このなんともいえない日本の閉塞感が妙に生々しい。
    フランクが怖い。
    後半のシリアルキラーなフランクより、前半のまったく得体の知れないかんじの方がやたらリアリティがあって怖い。
    会話が噛み合わない、ちぐはぐなコミュニケーション、なのに「こいつはやばいぞ」という雰囲気がすごく伝わってきて怖い。

    結局彼は何者だったのか。
    そのへんについてはぼかした書き方になっているので、尻切れとんぼ気味。
    それもまたフランクという怪物を際立たせる。

    この時期、10代の少年たちがクローズアップされたけどそんな彼らも不況の波と戦うアラサーになってる。
    何が異常で何が正常か、判断するのは難しい。
    時の無常さを感じた一冊。

  • 4.2/5.0

    ホラー/サイコスリラー小説でいいのかな?
    不気味さや狂気的な怖さが凄まじく、エンタメとして凄く面白かった。
    日本における外国、外国人に対する捉え方の言及が興味深かった。
    世の中に対する批評性やシニカルな書き方も楽しんで読んだ。

  • アメリカからやってきた殺人者のガイドをすることなった青年の物語。
    映画化の話があったなんて驚きだ。しかも監督がヴィム・ヴェンダース! フランク役をウィレム・デフォーが演じる予定もあったとは… 幻の企画に終わったようだ…

  • ゲテモノ好きな悪趣味連中が評価してるようにしか思えない

  • どっぷりと物語のなかに入り込んでしまって一気読み。
    サイコパスがでてくる小説は好きでいろいろ読んでいるのですが、フランクの気味の悪さは群を抜いていました。
    外国人だから、というのではない、もっと人間の本質が腐敗しているような、それでいて新鮮味のある生臭さ。
    それに加えて残虐的な描写が続くのに、やはり文学としての気品をどこかに感じてしまう。
    世界が自分の足許にあるという全能感と、自分だけが世界から切り離されているという不安感。

  • フランクがとにかく怖かった。
    ずっとこの状態なのかと不安だった。
    殺戮を繰り返した場面では本当に怒っているのかという気がしていた。
    リアルでドキドキする描写!
    日本とアメリカの違い、日本の特有なところが良くも悪くも描かれていて視点が面白かった。
    ミソスープのくだりも、たのしかった。

  • 情緒不安定な外国人と過ごした数日の話。日本人に対する批判的な意見が面白かった。日本人は自分自身を見つめていないとか、本当に必要なものをわかっていないとか。ただの猟奇的な小説だと思ったがこのような面もあって面白かった。

  • 気持ち悪い。。。

  • 後半の殺戮シーンは良かったけど、もっとフランクの詳細が知りたかった。
    最後が腑に落ちん。尻切れトンボ…

    2013.05/28 読了。

  • 「もう飲む必要はない、ぼくは今ミソスープのど真ん中にいる、コロラドの寿司バーで見たミソスープには何かわけのわからないものが混じっていた、野菜の切れ端とかそんなものだ、そのときは小さなゴミのようにしか見えなかったけど、今の僕は、あのときの小さな野菜の切れ端と同じだ、巨大なミソスープの中に、今僕は混じっている、だから、満足だ」(235)


    ケンジは、外国人相手に風俗的な観光のアテンドをしている。
    年末にかかってきたフランクからの依頼の電話でその物語は始まる。
    フランクは猟奇的殺人鬼で、幼い頃から人を殺してきた。



    「…人を殺すとき、どれほど緊張してどれほど集中が必要かケンジにはわからない、極度に研ぎ澄まされる、そいつが発している信号がわかる、信号は、脳を巡る血流からくる、退化している人間は脳を巡る血流がものすごく弱い、殺してくれという信号を無意識に発しているんだ、だからぼくは殺す、…」(234)


    戦慄を覚えるような殺人現場の描写は、恐ろしいほど淡々としていて、恐怖だとか同情だとか、そういった類の陳腐な感情は組み込まれていない。
    これが妙に居心地がよく、そして妙に落ち着かない。



    誰だって一度や二度は人を殺したいと思うような悪意を持ったことがあるはずだ。でも、何かが歯止めをかける。その人の空洞から生まれた悪意が、その人の空洞の底で止まり、やがて忘れられて、別のものに、たとえば仕事に対する熱意のようなものに変わったりする。フランクは違う。フランクが殺人者かどうかはわからない。でも、彼には間違いなく底のない空洞がある。(102)



    人間は想像する。
    他の大型獣に比べて圧倒的に非力だった人間が生き延びていくためには、想像する力が必要だった。
    それはポジティブに発揮されれば武器になるが、
    ネガティブに発揮されれば恐怖や不安や憎悪という形になって返ってくる。
    自分が他の誰かの血をもう一度飲むのではないかという想像力の不安にフランクは耐えられなくなり、自分の手首を切る。
    人は、自分の想像の恐怖に駆られたとき、それを現実の世界にスルーさせて自分や世界が崩壊するわけでないことを確認する。



    フランクには、殺したいとか苦しむところを見たいとか、そういった欲求はないと思う。
    ただ、日常的に、他人に注意をするような感覚で、
    この人間を殺そう、という流れになるのではないか。
    恐らく彼にとってはそれが「普通」で、
    でも、世間から見ると異常なことで、
    彼は、「ウイルス」のような人間だと見做される。



    ケンジの前で、ウイルスになる必要がなくなった彼は、
    まるで人間の汗のような匂いがする、
    そのくせ見た感じがどこか妙に洗練されて上品な変なスープのなかに浮かぶ「その他大勢」になった。



    人混みに紛れながら思う。
    私もウイルスなのかもしれない。
    その恐怖が、埋められない空洞になったとき、
    私もフランクになるのではないか、と。

  • ホラー・サスペンス的な要素の多い小説。
    ただ、さらに評価できるのは、その中に現代社会に生きる人間の心理を描いている部分だと思う。
    歌舞伎町の風俗街に代表するように、現代人はお金が第一と考える一方で、その消費方法として自分の寂しさや孤独を紛らわせることを採用している。

  • 読んでて嫌悪感を覚えさせるような表現力の高さはすごい。暴力的な描写は読んでて鳥肌が立った。

    ただこの小説、たいしてストーリーがなくて、作者の日本や日本人に対する(政治的な事ではない)不満と、白人に対する憧れとコンプレックスをそれらしく文章化しただけのように思える。

  • 小学生の頃、新聞の連載を毎日くらいつくように読んでた。
    その頃は途中から読み始めたから最初の展開を知らなかったけど
    高校生の時に改めて文庫版を読んで、やっぱりこの本は小学生時代の私のバイブルだと思いました。

    理由なんて、どこにもない。

  • 描写がストレートなので、かなり刺激的だった。

  • 想像を裏切られた!思ってたのと違う!!いい意味で?悪い意味で?
    もっちろんいい意味で!

    友達にドグラマグラと同じ系列で挙げられたものなんだけども読んでみたらスラスラ進んで、疑うべき所を簡単に呑み込まれて、ぽっかりと空いた穴に思いもしなかったものが入れられてしまう。

    何を考えながら読めばいいのか?
    単にこのカバー並みの顔を思い浮かべて登場する外国人の背中を追えばいいのか、そんな覚束無い気持ちを主人公は代弁する。
    案外、飛び込んでいく気持ちで読みにかかった方が自由を感じれて良いのかもしれない。

    個人的には「いい本読めたな」って気持ち。心には残らないとしても、それがいい本なら問題ない。

  • 題名からすると身近な題材かと思いきや人間の深い暴力的欲求を描く内容でした。
    外国人の視点から見る日本や日本人の理解できない部分が、時におかしく時に深刻に描かれ考えさせられました。
    リアルな描写に気持ち悪くなりました。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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