木橋

著者 :
  • 立風書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784651660301

感想・レビュー・書評

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  • あまりにも自分の幼少期を「かわいそう」な子どもとして美化し過ぎていないか、と思わなくもないが、「たった一人信じられる大人がいたら・・・」と思わずにはいられない。

  • 震災のあとに『永山則夫』に関する映画『裸の19歳』を観てしまった。それまで、さけていたのか、しらなかったのか、あまり興味がなかったのか、距離があったのだ。連続殺人犯の未成年だった永山則夫氏。新藤兼人監督のその映画でいっぺんに、その世界を考えるようになってしまった。図書館で調べたり、古本屋さんで、この本を購入したり、震災のあとの重い空気とダブルパンチだった。死刑されてからも何年も時間が流れている。重い空気とともに気になる本なのである。

  • 歴史的にも有名な死刑囚・永山則夫の小説。獄中で小説を書くことに目覚め、賞まで獲得し、そして獄中結婚して、40代で処刑された男。
    永山の母親が青森県出身で、氏も青森県で過ごした経験もあるということから、ずっと気になっていました。

    この作品は小説でありながら自叙伝であり、ところどころ自叙的な詩集になっている。自分が罪人となった原因(だと恐らく本人が思っていた)の生い立ちを物語風に綴っている。
    表題作の『木橋』は、私が住んでいる近くが舞台になっているため、読みながら風景を想像出来て不思議な感じでした。そういう意味で親しみが湧いた。

    小説ではなく自叙伝として書かれた作品もあるようなので、それも読んでみたいと思いました。

  • 子どもという年頃にいたあたり、母親にこれは良書だと強く薦められてほんのすこし読み齧ってみたけど、出所のわからない生々しい恐怖が湧いてきて、19になるまで読めずにいた本。おそらく私の本棚に並ぶなかで最も重い一冊。

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著者プロフィール

1949年、北海道に生まれる。
1965年、青森県の中学校を卒業後上京、職を転々とする。
1968年、4件の連続殺人事件を起こし、69年に逮捕。以後、獄中で思索や創作活動を開始する。83年、小説「木橋」で第19回新日本文学賞受賞。
1990年、死刑判決が確定、97年、東京拘置所で死刑が執行される。

主な獄中記に、『無知の涙』(1971、河出文庫=1990)、『人民をわすれたカナリアたち』(1971)、『愛か―無か』(1973)など、
主な小説に、『木橋』(1984、河出文庫=1990)、『捨て子ごっこ』(1987)、『なぜか、海』(1989)、『異水』(1990)、『華』(1997)などがある。

永山子ども基金 https://nagayama-chicos.com/

「2023年 『捨て子ごっこ 永山則夫小説集成2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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