わたしの愛する孤独

制作 : マリタシンプソン  マーサウィーロック 
  • 立風書房
3.58
  • (3)
  • (6)
  • (9)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 57
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (119ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784651930213

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「潜在意識が意識へと、どっと流れ込んでくる・・・・・。それが、孤独の歓迎すべきところです。」

    この本は、彼女を撮ったフィルムに映された彼女の言葉たちと彼女のよんだ詩たち。
    彼女は読者にたいして"透明で" あろうとしている。「自己を顕示することと、完璧に自分を率直に透明に表そうとする思い」とのあいだで、彼女はことばを探しだす。そのバランスの、繊細さの妙が、彼女を特別にしているのだなとおもった。彼女の詩をようやくいくつかまとめて読めたことの嬉しさもおおきかった。
    彼女の詩からは、穏やかで究竟なイメージが流れ込んでくる。しばしトリップ。それは 動く絵 のようにわたしを占め、法悦にひたらせる。なんというエネルギー。凝縮された結晶の、あまりにもあざやかな煌めき。自然をうたった詩には精霊が棲まい、導いてくれているよう。両親の死をよんだ詩は、わたしに勇気を与えてくれる、最高のおくりものだった。流れた涙はきっと愛にかわるのだと。

    「わたしは歩む
    新たなる自由と 生を超える感覚の誕生に向かって
    そして 甘美な光のなかで
    わたしは 旅立つことを学びつつある」
    『六十歳の深奥より』

    あぁぁぁ好きが暴走して原文で読んでみたくなってきてしまっている。



    「わたしは自分の作品が、究極的には透明なものであってほしいと思っています、透明で、深い、たとえば井戸のような。」

    「個人的な部分をより深く掘り下げていくと、人は、より普遍的になっていくような気がします。」

  • まだ読んでる途中だけど。。

    彼女のことばには何かイェイツ的なものがなんとなく、なんとなくなんだけど感じられる気がしていたらやっぱり!!

著者プロフィール

(May Sarton)
1912-1995。ベルギーに生まれる。4歳のとき父母とともにアメリカに亡命、マサチューセッツ州ケンブリッジで成人する。一時劇団を主宰するが、最初の詩集(1937)の出版以降、著述に専念。小説家・詩人・エッセイスト。日記、自伝的エッセイも多い。邦訳書『独り居の日記』(1991)『ミセス・スティーヴンズは人魚の歌を聞く』(1993)『今かくあれども』(1995)『夢見つつ深く植えよ』(1996)『猫の紳士の物語』(1996)『私は不死鳥を見た』(1998)『総決算のとき』(1998)『海辺の家』(1999)『一日一日が旅だから』(2001)『回復まで』(2002)『82歳の日記』(2004)『70歳の日記』(2016)『74歳の日記』(2019、いずれもみすず書房)。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

「2023年 『終盤戦 79歳の日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

メイ・サートンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×