ふかふかウサギ (日本の児童文学 よみがえる名作)

著者 :
  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652000595

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  •  世界宇宙局協力員のふかふかウサギのトントンが、飛行機の中で出会ったフルート奏者のタロウおじさんたちと過ごす1年のお話。
     おじさんとか言うてるけど、イラストを見る限り、もっとめっちゃ若いけど。

     読み始めたとき、ウサギがあまりにもピュアすぎるのと、タロウおじさんとか飛行機の乗客の性格が何か極端すぎるので、何か読むのがしんどかったけど、第2章あたりからは大丈夫だった。
     ウサギの性格というより、やっぱり第1章での人間の性格がちょっと変というか…。

     ウサギの耳が鼻をくすぐってくしゃみが出たくらいで、ウサギに対してそんなに怒りの感情を持たなくても…。
     すぐにそう思ったことを反省はするんだけど、くしゃみくらいで。

     あと、タロウおじさんが知らずに大嫌いなニンジンを食べた後、コーヒーをCAに頼む、その頼み方が無作法な感じだったらしいんだけれど、それに対して他の乗客が、ひどく軽蔑したような目で見るんだけれど……そこまで?
     うるせぇな、て思うくらいじゃない?

     何かその辺の、みんなの心境についていけなくて、読むのやめようかな、て思った。
     ここを乗り越えられれば、後は大丈夫だと思う。


     ところでこの本、2010年に出版されたんだけれど、もともとは1973年に出版されてて、その復刻版だったの。
     で、奥付に「今日の人権意識に照らして現在では控えている語句や表現については、時代的背景および作品の価値をかんがみてそのままとしました。」とあるの。
     その方針はよくあることだから別にいいんだけれど、この注意書きは奥付でなく、本の最初のほうに掲載すべきだったんじゃないかなぁ…と。
     私は、読んでて、不適切な表現に気付いて、いつ出版されたのかを確認しようとして奥付見て、この注意書きに気が付いたけど、みんながみんなそうするとは限らないし、この注意書きに気付かないまま、その適切でない表現を不快に思って本を読むのをやめる人とか出ちゃうんじゃないかなぁ、て思う。

著者プロフィール

香山彬子
東京に生まれる。東京女子医科大学卒業。
1966年、『シマフクロウの森』『金色のライオン』で第7回講談社児童文学新人賞受賞。翌年、『シマフクロウの森』がサンケイ児童出版文化賞受賞。1980年、『とうすけさん 笛をふいて!』(講談社)で日本児童文芸家協会賞受賞。
その他、代表作として「ふかふかウサギ」シリーズ(理論社)、「ぷいぷい島」シリーズ(佑学社)などがある。
1999年逝去。

「2016年 『聖書物語 新約編(新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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