ふしぎな木の実の料理法 (こそあどの森の物語 1)

  • 理論社 (1994年1月1日発売)
4.21
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感想 : 171
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  • 本 ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652006115

感想・レビュー・書評

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  • この本は、ほっぺプニプニマンさんから紹介されました。

    こそあどの森、ウニマルという家に住んでいる、人づきあいの苦手な男の子、スキッパーのもとに、一緒に住んでいて、今は南の島に出かけている、博物学のおばさん、バーバさんから、冬の日に、小包が届きます。それは、木の実が20こほどに、手紙がついていたのですが、郵便配達のドーモさんの失敗で、木の実の料理法が書いてある手紙がぬれてしまい、わからなくなってしまいます。
    あまいにおい、と、〜 さんにたずねるとわかるでしょう、というのが、手紙のキーポイントです。
    それから、スキッパーのこれまでの、ひとりでくらしてきた、静かな生活が変わります。木の実の料理法をたずねに、こそあどの森の住人達に会いに行くのです……。
    はじめは、人と話すことがにがてだったスキッパーが、人々に会いに行くたびに、あたたかくむかえられ、しだいに変わっていきます。そして、こそあどの森の人達は、とてもユニークな家に住んでいて、人柄も個性的です。作者の描く、さし絵がすてきで、ワクワク、ほのぼのします。
    スキッパーの読む本も、きのこの本から、冒険の物語など、人間の出てくる本を読むようになり、今まで化石を見て想像する世界に、この森で会った人達が、登場するようになります。
    誰に聞いても、木の実、ポアポアの料理法はわかりませんでしたが、春になるころ、10こほどの木の実から、芽が出てきます。(たずねた人達に、木の実をあげたので、10こにへったのですね。)
    そうすると、こそあどの森のみんなが、芽が出たポアポアを持って、スキッパーをたずねてきます。

    スキッパーは、自分がわらっているのに気がつきました。どうしてわらっているんだろう。わらわないでおこうと思っても、なんだかうれしさがこみあげてきて、どうしても顔がわらってしまいます。
    、、、私も思わず笑顔がこぼれる、心うたれるシーンです。
    その後、みんなで木の実を土にうえ、花がさいて実ができます。その実があまいにおいを出すころ、それをつみとってジャムにします。ジャムの作りかたは、ポットさんのおくさんのトマトさんにたずねるとわかりました。そのジャムの特別な料理法が、とってもステキなのです!ぜひこの本をごらんになってください。とびきりの笑顔になれます!

    ほっぺプニプニマンさん、とても素晴らしい本を紹介してくれて、どうもありがとう!

    りまの


    • りまのさん
      図書館に、全作品、置いてなかったのです(T_T)
      りまの
      図書館に、全作品、置いてなかったのです(T_T)
      りまの
      2021/02/06
    • ほっぺプニプニマンさん
      そうなんだ。
      残念
      そうなんだ。
      残念
      2021/02/06
    • りまのさん
      リクエストという手が、ありました!気長に、読んでいこうと、思います♪
      コメントありがとうございます!  
      りまの
      リクエストという手が、ありました!気長に、読んでいこうと、思います♪
      コメントありがとうございます!  
      りまの
      2021/02/06
  • なんてよくできていて、幸せに満ちたお話なんでしょう!自分の子供時代に出会っていたら、どんなにこの本が思い出になり、拠り所となったことか!

    1人が好きで、バーバさん以外の人に心を許したことのないスキッパー。
    でも、木の実のせいで森の人たちと少しずつ関わっていくうちに、読む本が変わっていくんです。きのこの標本ばかり読んでいたのに、人間の出てくる物語を読むようになる。みんなにお茶をいれてあげたくなる…

    素敵な人に囲まれて暮らすということの幸せを、つくづく教えてもらえる物語です。

  • こそあどの森で一人暮らしをしているスキッパー
    お茶を飲みながら本を読み、化石を眺める静かな日々
    ある日、そんな日常を破るかのように、南の島に調査に出かけている同居人のバーバさんから小包が届く

    小包の中身は、見たこともない木の実と手紙
    手紙は、雪で文字がにじんで肝心な所が読めない

    木の実にコートをかぶせ、見ないふり
    放っておこうか、でも気になる
    気になって落ち着かない。何も手につかない
    スキッパーの葛藤が手に取るように分かる

    「〜つくりかたは〜〜さんにたずねればわかるでしょう」
    の文を手がかりに、木の実の料理法を知るため、森の住人を一軒一軒訪ね歩くことにする
    内気なスキッパーにとっては、一大決心

    果たして木の実の料理法は分かるだろうか

    森の住人の個性的な人柄と住まいが、楽しくおもしろくわくわくする
    そんな人々とふれあいながら、少しずつスキッパーが変わっていく姿もいじらしく、嬉しい
    最後の2枚の挿絵に、森の住人に溶け込んでいるスキッパーがいる

    しっかり描き込まれた挿絵が楽しく、細部まで見入り、自分だったらどの家がいいかななどと童心に戻って考えてしまった
    大きな文字と楽しい挿絵、のんびりと読めるゴールデンウィークにふさわしい本のチョイスだった

    おしゃべりな双子の女の子、気分によって名前を変えるとか、今回はアップルとレモン
    この名前にも注目して読んでいきたい






  • 人とつながることって楽しい。内向的で、1人でゆっくりお茶を飲んだり本をよんだり空想するのが好きなスキッパーが、届いた手紙がぬれてしまったハプニングから、少しずつまわりに住んでいるこそあどの森の住人たちとつながりを持っていきます。そのうちスキッパーの生活にある変化が。人とつながることのあたたかさが沁みるおはなし。こそあどの森に住む住人たちの住まいの間取り図もとっても楽しい。みんな生活を楽しんでいる様子が伝わってきて、もっとこのシリーズが読みたくなります。小学3年生ぐらいから、大人まで。

  • 子どもの頃大好きだった、こそあどの森の世界にどうしてももう一度戻りたくなって図書館で借りました。

    家の中でひとり穏やかに過ごす時間を大切にしていて、人見知りで緊張しいなスキッパーの姿は、内向的な子どもだった自分にとっては、とても共感できるものでした。
    当時触れる物語の多くが、どちらかといえば好奇心旺盛で、大人にも物怖じせず、他人に負けない特別な何かを持っている、そんな主人公がどんどん外へ冒険しに行くようなお話だったように思います。もちろん、そういうお話もとても面白いけれど、自分には遠い世界のことだなあと、子ども心に寂しく感じることもありました。
    そうした中で、ごくごく普通の男の子が、ほんの少しだけ日常の外へ出てみる、たったそれだけのお話があるということが、本当に嬉しかった。自分のために書かれたお話のような気がして、誰にも知られないようにひっそりと大切にしまっておきたい、そんな風に感じたことはよく覚えています。

    とはいえ、お話の展開自体はほぼ忘れてしまっていたので、今回、初めて読んだ時みたいにワクワクしながらページをめくりました。
    スキッパーが勇気を出して住人の皆と交流を持とうとする姿をがんばれ〜と応援したり、個性豊かな住人たちにスキッパーと一緒になって戸惑ったり、ポアポアの実のジャムが入ったお茶の味を想像して「どうしても顔がわらって」しまったり……。
    とても豊かで優しい時間を過ごすことができ、さらに大好きな一冊になりました。

    それから、やっぱり挿絵が本当に素敵です。こそあどの森で暮らす皆の家の可愛らしいことといったら!
    トワイエさんのお家が本当に羨ましいです。私も屋根裏部屋に住みたい。

  • 面白かったー!!
    こそあどの森の物語、第1巻!
    なんだかんだ初めて読んだ気がする。

    恥ずかしがり屋で内気な主人公・スキッパーのもとに、育ての親のバーバさんから手紙が届く。その中身は雪で濡れていて、所々しかわからないが、入っていた木の実・ぽあぽあのレシピらしい。この森の誰かがレシピを知っているかもしれないと知り、不承不承スキッパーは森の住人を訪ねていく。

    物語の始まりこそ不遜で、森の住人からあまりよく思われていないスキッパー。しかし彼の一人称から始まる章を読んでいくと、「いるいるこういう子!」と少し懐かしく感じた。自分の中でも(許されるのなら)こういう態度をとりたくなる時もある。
    住人とレシピを考えていくうちに、少しずつスキッパーのコミュニケーション能力が上がっていくのがわかり、応援したくなる。
    少し癖が強いけど、それぞれ皆スキッパーのために木の実について考えてくれる優しさがこの森の魅力なんだろうな。
    最後はホッコリ大団円で、満足なエンディング。

  • 大人になって読み返してみると、家の絵に感動した。家具だけでなく、水道や換気などの設備類まで細かく記載されていることに驚いた。お気に入りはウニマルの浄化槽。さすが岡田淳さん。

    物語では、きのみの謎を解いていくミステリーな雰囲気もありつつ、スキッパーが変わっていく姿が丁寧に描かれていた。
    最初は周りの人と付き合うのが心底嫌そうであったが、だんだんと輪の中に入っていく感じが良かった。
    そして何よりこそあどの森の住人たちは素敵な人ばっかり。

  • 岡田さんの本面白い^_^

  • ずっと読みたかったシリーズ。少しずつ読んでいきたい。森の住人たちの家、面白い。

  • 【あらすじ】
    こそあどの森に雪が積もっています。学者のバーバさんは南の島からスキッパーに小包を送りました。ポアポアの実。でも料理法がわかりません。人間嫌いのスキッパーは次の日大決心をしてお料理上手のトマトさんを訪ねました。

    『こそあどの森シリーズ』、いつの間にか12巻も出ていたんですね。小学生のときに読んだのが印象に残っており、最初から読み直そうと思って図書館で借りてきました。当時は確か5巻ぐらいしかなかったはず…
    「嫌だ嫌だ」と思っていることって、何かのきっかけで仕方なくやってみたら、案外楽に進むものだと思います。最初の一歩が難しくて勇気がいるんですよね。日々こなしている仕事でも、よく考えることです。世の中そんなものなんだなと思います。
    児童書の内容は、変にひねくれてなくてストレートに「良い話」であることが多くて好きです。

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著者プロフィール

1947年兵庫県生まれ。神戸大学教育学部美術科在学中の1966年に「星泥棒」を自費出版。西宮市内で小学校教師をつとめながら1979年に『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』(偕成社)を発表。1981年『放課後の時間割』で「日本児童文学者協会新人賞」を受賞。教壇に立ちながら1年に約1タイトルのペースで作品を発表。数々の賞を受賞する。「こそあどの森」シリーズ(理論社)は国際アンデルセン賞オナーリストとなる。アジア各国では翻訳本も出版されている。岡田淳作品で読書嫌いが治った、本好きになったという人は多い。

「2008年 『人類やりなおし装置』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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