はじまりの樹の神話: こそあどの森の物語6 (こそあどの森の物語 6)

著者 :
  • 理論社
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感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652006160

作品紹介・あらすじ

太古から来た少女をめぐる物語。ふしぎなキツネに導かれ、なぞの少女を助け出したスキッパー。巨きな樹があらわれる夜、『神話』と現実が交差する-。

感想・レビュー・書評

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  • ドキドキワクワク。そして最後に「そうだったのか…」とゾクゾク。
    すごく面白かったです。
    ミュージカルスパイスに別話として入っている、ホタルギツネの話を先に読んでおくと、さらに面白く読めると思います。

  • 他のひともレビューに書かれてたけど、バーバさんとスミレさんの言葉が心に残った。

    凄く秀逸な作品。

  • 人間は昔、けものと同じように生きてきたんだ。それがあるとき後足で立ちあがり、歩けるようになった。すると前足は手になったんだね。なにかをつかめるようになったのさ、人間はその手でなにを最初につかんだと思う?食べ物かい?火かい?棒や石かい?ちがうね。わたしにはわかる。人間が自分の手で最初ににぎったのは、きっと、別のだれかの手だったんだよ。
    ーバーバさん

    「あなたは逃げたことをずいぶん気にしているけれど、あのとき逃げたから、多くのことを学べたのじゃないの?ときには逃げることも必要なのよ。これからだって、そうよ。逃げてもいいのよ」
    ースミレさん


    こそあどの森シリーズで1番印象的な作品。
    森のみんなもホタルもハシバミもみんなカッコいい。

  • こそあどの森の広場に、ある晩とつぜん巨大な樹があらわれ、ひとの言葉を話す不思議なキツネに導かれたスキッパーはなぞの少女を助けます。太古の神話とこそあどの森が交差する壮大なSFファンタジー。
    緊迫した導入部、少女ハシバミが森の住民と交流し現代の暮らしに慣れていく様子、ホタルギツネとスキッパーとの交流、こころに残る場面や印象的なエピソードが続いて、ふたたび緊張感の高まる結びへ、夢中で読み終えてしまった。
    手と手をふれあわせて感じるあたたかさや気持ち、匂いで呼び覚まされる記憶、五感や霊感を研ぎ澄ませる暮らしかたは好もしく、単純にあこがれてしまうけれど、半端なあこがれだけでは本物の「心の声での交流」なんてとても実現しえない、そのとおりと改めて肝に銘じる。太古から来た少女がなにも知らないと思ったけれど、現代に生きる自分こそ何も知らない、とスキッパーがさとるところも、よかった。

  • ハラハラした。

  • そうだったんだ…。私もスキッパーと一緒にうなずきました! 今のところ、シリーズ中で1番好きかも。

  • 最高に面白かったよ

  • このシリーズでトップ3に入る面白さ。

  • 嵐の夜、スキッパーの住むウニマルに、キツネが訪ねてきた。
    「手を貸してくれ。死にそうな子がいるんだ」と喋った。喋った?驚きつつもキツネについていくと、巨大な木に女の子がくくりつけられていた。
    名前はハシバミ。今よりもずっと昔の時代から来た。リュウの生贄にされていたという。。

    またもこそあどの森の住人の皆で頑張ります。仲良しでいいよね。

    スキッパーの思い出話の中で、バーバさんの話した言葉が素敵です。
    『人間が自分の手で最初ににぎったのは、きっと、別の誰かの手だったんだよ』

  • シリーズ
    「太古から来た少女をめぐる物語。ふしぎなキツネに導かれ、なぞの少女を助け出したスキッパー。巨きな樹があらわれる夜、『神話』と現実が交差する-。」

    親子で寝る前にこそあどシリーズを読んでいる。
    こそあどの森に住む人みんなが、自分たちの家族のよう。それぞれの性格を知っているから、一つ一つのセリフが「その人らしいな」と感じられて面白い。

    時空を超えて樹や少女がやってくるお話、そして昔の神話とリンクするお話、いけにえという儀式・・ むずかしいかな?と思いながら小学生の娘に読んだが、理解していた様子。スキッパーの心がよくわかったみたいで、トマトさんにハシバミを取られて娘立ちはスキッパーの変わりに悔しがっていた 笑 ハラハラする最後の展開は静かに見守るように聞いていた。

  • こそあどの森シリーズの中では少し長編映画。
    真夜中の魔女の秘密にも繋がる、きつねがでてきたり、タイムトラベルの伏線回収があったりワクワクする物語だった。
    また、人間社会で生きてる中では気づけなかった、大切なことをたくさん教えてくれた作品だった。

  • 本が苦手な私が唯一小学生の頃から好きだった本。

  • 読めば読むほど凄い話だな…。深い。
    神話が凄い人に近い所から派生した、のがわかる。
    や、物語なんだけども。
    クライマックス、高い所にいるハシバミに声が届かないと嘆くスキッパーに、ハシバミからの心話が届いた辺り、泣きそうになった。リュウとは、弱い心に負けた人の作り出したもの。カラスがリュウになったけど、恐怖心からカラスをリュウと呼んだのは村人だからねえ…。

    ホタルがいい味出してるのよねー。光の尾の神の「役」っていうのがいい。

    面白かった!こそあどの森のシリーズ、みんな面白いけど、ほんとに面白かった!!

  • "金属がひとを殺すんじゃない。ひとを殺すのはひと" p.303

  • 児童文学。はじまりの樹の神話がどうやって成り立ったか、今の人たち(?)がどんな風に関わったのか、最後の伏線回収も含めて面白く読めた。

  • 先が気になり、どんどん読み進めました。この物語の世界観が良くて読み終わるのがもったいないくらいでした。

  • はじまりの樹の神話 岡田淳 理論社
    こそあどの森の物語6

    壮大なロマンあふれる創世記から現代への物語
    縄文のような自然の中の一員として暮らす
純朴な狩猟採集時代から
    知識という悪魔の所有意識と
天使の補い合う解放意識との両面を相対させることで
    物質と精神・有限と無限・部分と全体などの
    相対関係を通して
自分の心と頭脳を磨き出す暮しへと成長していく

    満ことのない所有欲は競争原理を思い込み
永久の真理を求める解放欲は摩擦の体験を糧とする
    切磋琢磨によって集合意識とつながる成長へと飛躍し
    相乗効果を生み出す

    お互いに
    殺すことと生きること
    奪い合うことと補い合うこと
疑い合うことと信頼し合うこと
    この両面を理解することで
出合いを選択し続けろ冒険と発見の旅をしていく

後ろを振り返れば不安恐怖にまみれ
    その体験も逆手に取って学びへと咀嚼し
    視野を広げることで部分の具体的な情と
全体観の抽象的な愛を兼ね備えた調和へと
成長していく後ろ姿をこの物語に見て
読者となる子供たちは日々出合う判断の土台を
身に着けていけるだろう

勿論大人にとっても
人生という永遠の成長の旅に役立つ物語である

  • みんなと一緒にハラハラして、
    ドキドキして、ほろっとした。

    みんないい人たち。
    しばらく余韻に浸ります。

  • シリーズ6
    珍しくスミレさんが双子に優しかった。
    トワイエさんが活躍してて。
    あと、今回は戦いが出てきた。ビックリした。S10

  • こそあどの森シリーズ、いきなり本書から入ったけれども大変面白かった。
    「はじまりの樹」なので北欧神話が紛れ込んでくるのかと思えば、樹とともにタイムスリップしてきたのは縄文時代を思わせる生活をしていた女の子。
    はじまりの樹とこそあどの森をつなぐ役割をするのは「ホタルキツネ」という特殊な能力を持つキツネで、キツネが神様のお使いをするなんてまさに日本の民話の世界。いろんな世界から持ってきた神話的要素が、こそあどの森の世界で無理なくまとまり、ひとつのユニークな物語として動いているところがスゴイなあと感嘆しきり。

    また、トマトさんやポットさんがハシバミ(タイムスリップしてきた女の子)にかける言葉が、いちいち深いんだな。また、こそあどの森に来たばかりのハシバミが、スキッパーから缶詰の説明を受けるときに「それは誰が作ったのか」とたずね(スキッパーにはそれがわからない)、逆にハシバミは、何を誰がどうやって作ったのかすべて明らかな世界(何しろ典型的な狩猟採集生活)にいたことを知り、スキッパーは感慨を覚えるくだりとか、大人が読むと平易な文章の中に示唆に富む表現がいっぱいあって、こそあどの森は宝の森なんじゃないかと思った次第。

  • 神話の世界がまぎれこんでくる不思議なお話。

  • こそあどの森の物語、第6巻。

    >ふしぎなキツネに導かれてなぞの少女を助け出したスキッパー。
    森に現れた太古の巨大な樹をめぐって神話と現実が交差しはじめる。


    前回登場したホタルギツネが活躍する過去と未来をつなぐとてもスケールの大きい物語でした。
    イラストもいつもより多め?で楽しめました。

    過去の時代から来たハシバミ。
    自分達が教えるばかりでなく、彼女から教わることでもあったというのは本当にそうだと思いました。

    ハシバミの木についてスミレさんが話す場面、もう逃げださないと言うハシバミに時には逃げることも必要だと話す場面が好きです。
    最初はあまり印象に残らなかったスミレさんですが、巻を進めるうちに存在感や魅力が増している気がします。

    最後、ちょっとしたどんでん返しがありハラハラしましたが、無事ハシバミ達が元の世界に戻れてよかったです。


    >人間が自分の手で最初ににぎったのは、きっと、別のだれかの手だったんだよ。

    というバーバさんの言葉も印象に残りました。

  • こそあどの森シリーズ 6

    「森のなかに、死にそうな子がいるんだ」
    ―死にそうな子...!

    「スキッパーが行けば助かるんだ」
    ―ぼくが行けば、助かる...!


    ある夜、スキッパーの住むウニマルに来たのは、人間の言葉を話す、しっぽの光る不思議なキツネ

    ホタルギツネに案内され、夜の森へ向かうスキッパー。そこで出会った少女は、はるか昔から来た、伝説の少女・ハシバミ

    時空を越えた壮大なお話。


    スキッパーと、ホタルギツネの友情や、いつも通り仲良しの森のひとたちにほっこり♪
    伝説の真相がわかった時は、ほぉっっ!と思った。

    はじまりの樹の神話 が本当にあったら、読んでみたいねぇ

  • 嵐でもやってきたんじゃないか、と落ち着かない夜。スキッパーの所に尻尾が光っているホタルギツネがやってきました。助けてほしい人がいると言うので後についていくと、霧の向こうに見たことのない大きな大きな木が現れ、そこに人がくくりつけられていました。促されるままに縄をほどきその人を助け、スキッパーはウニマルの家に連れ帰りました。

    なんとも壮大なお話。岡田淳さんの好きなところは、途方もない話をたとえ事実だとしても、全て信じきってしまわないところです。そこがクリアされれば話は簡単に進むけれど、ちゃんと過程を踏んでいくところが丁寧で好きです。一つ一つ、納得がいって話がすすむから、最後の話に感動ができるんです。ジワリと涙が滲むのはちゃんと段階を踏んでくれているからなんです。ああいいお話だったなぁ。

  • こそあどの森 第6作

    スキッパーの前に現れた、喋るキツネ。
    大きな樹にくくりつけられた不思議な女の子。
    その女の子は、神話に登場する女の子だった。

    ホタルギツネが再々登場。
    ウニマルで過ごすホタルギツネの様子が好きです。

    最後の別れのシーンは、ほろりときます。

  • キツネが主人公のスキッパーになんと!日本語で話す!
    しかも昔から女の子がやってくる。
    みんな、「昔って場所のことかな・・・・」という。しかし女の子は昔、今、未来の昔だという。とにかく不思議・・・。

  • こそあどの森シリーズ6

  • カラスが、リュウの正体やったんや!!!!!


    ある日、スキッパーがウニマルで過ごしていると、
    尻尾が光っている不思議な狐がきた。
    驚いた事に、その狐はしゃべった。

    質問はあとでいくらでもしてやるから
    ついて来い。
    といわれ、ついていくといままでは
    絶対になかったであろう大きな木が
    ズドンッとたっていて、しかもその木の真ん中あたりに
    女の子がつるされている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


    急いで助け、家に連れて帰ったスキッパー。
    そこで、四日間はなにもなく、じっといていた女の子。
    しかし、四日目にやっと喋りだした。

    その女の子の名前はハシバミ。
    ハシバミの住む村では、始まりの樹というきがある。
    その木に突然りゅうが住み始めた・・・・・・・・・
    最初、捧げ物として動物を送っていた。
    しかし、突然動物が取れなくなってしまった。
    そんな時、村から二人子供が突然消えた。
    ということは、イケニエをささげなければいけない。
    両親が死んでしまい、兄も行方不明になってしまい、
    村のみんなにお世話になっているハシバミは
    自分が行ったほうがいいと思い、自分から言った。
    しかし、いざ!となると、こわくてこわくて樹に
    助けを求めてしまった。
    樹は心の中で、誰かを呼んでいる声を聞きつけ
    そちらの方え向かった。
    そして、その声の主が、ホタルギツネなのだ。
    だから、樹とハシバミは大昔の世界からきたのだ。

    そんな話を、森のみんなにするのは骨が折れました。
    そんな、お話みたいな話、簡単には信じてくれません。
    嫌がるホタルギツネを説得し、キツネに喋ってもらい
    みんなは、やっと信じてくれました。


    そんな時、トワイエさんが物語でそんな話があり
    その話では、ハシバミがリュウを倒し、
    村の運命が変わるという神話がある
    とのこと。だから、もしかしたらハシバミは大切な運命をにぎった
    人なのかも・・・・・・・・・・・・

    ハシバミによって村の運命が変わる・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 前作で気になっていた、ホタルギツネが活躍 ♪
    スキッパーともなかよしになり、なんだかうれしい!
    お話は、ぎっしり、どっしり感満載。
    こそあどシリーズ、なぜ、NHKアニメとかにならないんだろう?
    すごく、いい内容ですよね。
    子どもにも大人にもおすすめです。

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著者プロフィール

1947年兵庫県生まれ。神戸大学教育学部美術科在学中の1966年に「星泥棒」を自費出版。西宮市内で小学校教師をつとめながら1979年に『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』(偕成社)を発表。1981年『放課後の時間割』で「日本児童文学者協会新人賞」を受賞。教壇に立ちながら1年に約1タイトルのペースで作品を発表。数々の賞を受賞する。「こそあどの森」シリーズ(理論社)は国際アンデルセン賞オナーリストとなる。アジア各国では翻訳本も出版されている。岡田淳作品で読書嫌いが治った、本好きになったという人は多い。

「2008年 『人類やりなおし装置』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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