だれかののぞむもの (こそあどの森の物語)

著者 :
  • 理論社
4.10
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本棚登録 : 392
感想 : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652006177

作品紹介・あらすじ

フー、きみはだれなんだい?フーは…遠くの村からやってきたらしい。フーは…自分のことがわからないようだ。フーは…バーバさんも旅先で会ったという。こそあどの森にやって来たフーをめぐる物語。

感想・レビュー・書評

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  • こそあどの森シリーズ・7


    バーバさんから届いた、珍しく長〜い手紙。しかも、森の皆全員に同じものを。

    それは、旅先の村長さんから聞いた、フーという生き物の話。
    その生き物は、人の心を読み、人の望みのまま望まれる姿に変身できるという...その人に喜んで欲しいから。

    そんなフーを助けて欲しい と、バーバさんが皆に書いたのだった。

    その手紙が届く少し前から、森では不思議なことが起きていたのだった。


    純粋に、その人に喜んで欲しいから、望みの姿になる。望みのことをする。心から喜んでもらえるのが、なによりも嬉しいから
    そんな、純粋で清らかなフー
    そして、自分を見失ってしまったフー


    嗚呼...すごく深い深いお話だったと思う

    あと、昔のトマトさんについての、トワイエさんの説明がとっても好き。
    ポットマ夫婦のラブラブ度↑↑

  • 連作短篇風に始まり、バーバさんからの長い手紙をはさんで、ふしぎな生きもの「フー」とこそあどの森の仲間たちの交流を描く。
    前作の壮大さに比べるとずっとこぢんまりした物語だけれど、問いかけてくる内容は負けないくらい重い。ゆたかで深い余韻のある結びの数ページ。みじかくとも充実したひとときだった。
    自分を取り戻すために苦しむフーの姿を見守るのはせつなかった。ひとの心なんて読めなければ、変身なんてできなければ、とフーが自分を責めたときの、こそあどの森の仲間たちの言葉が心に染みた。
    スキッパーたちの励ましで、フーはずいぶん前向きになってこそあどの森を去ってゆくけれど、フーの「本来の姿」も明かされないし、ほんとうに自分を取り戻して、そしてしっかり生き続けていったのか、あとのことななにもわからない。私たちの「本来の姿」とか「自分らしさ」「なりたい自分」というのも、そういう途方も無い問題を抱えているのだと思う。

  • 誰かの望むものになろうとするフー。時として子どもは知らず知らずのうちに自分の望むものではなく親の望むものになろうとすることがある。誰かの望むものではなく自分の望むものになることを優しく教えてくれる。

  • 人から望まれる姿だけをしていたら、自分のことがおざなりになってしまう。相手のことを考えることも大切だけど、自分のことも考えてあげましょう。そんな大切な当たり前のことを教えてくれる一冊。こそあどの森の住人たちも望むものは各々あって、それに応えてくれるフーに感謝しながらも、元の姿に戻ってほしいという思いを全員が団結して一生懸命説得する場面がとても好き。あたたかくて切ないお話。自分を大切にしてあげることが難しいくらいに忙しい人や、人に気を遣いすぎて疲れてしまった人に読んでほしい。フーは架空の生き物で、不思議だと思ったけれど、周りに求められ、望まれた姿になって自分の姿がわからなくなってしまっている人ってたくさんいると思う。

  • >こそあどの森のみんなに,バーバさんから長い手紙が届きました。
    「フー」という名前のふしぎな生き物がいるらしいのです。

    こそあどの森の物語、第7巻。


    今回は謎の生き物フーが登場します。
    スミレさんが出会った詩の登場人物モリナカノタビト、ギーコさんの作った人形キキィ、ポットさんとトマトさんが出会ったポットさんとトマトさんも全部フーだったことが後で分かります。

    誰かの望むものにばかり変身していると自分でも気づかないうちに自分の心を傷つけてしまうフー。
    だんだん自分を見失い、完全に心が閉ざされた時に死を選ぶ・・・というのはとても怖いと思いました。
    でもそんなにひどくなくても私達人間にもあてはまることがありそうです。

    人を喜ばせるのは素晴しいこと、でもそれがいつもいいこととは限らない・・・というスミレさんの言葉が心に残りました。

    あとギーコさんの「木目を読む」という言葉も深いなと思いました。

    不思議な余韻の残る物語でした。

  • こそあどの森 第7作

    こそあどの森の住民たちがそれぞれ経験した、
    少しだけ不思議な出来事。
    スキッパーのもとに届いたバーバーさんの手紙。
    そこに綴られていたのは、「フー」という存在のこと。

    回を増すごとに、深みを増す住民たちの個性。
    住民たちそれぞれのお話しを読むことで、
    ますます引き込まれます。

    そして後半はとても心あたたまるお話し。
    「フー」という存在に、考えさせられるものもあります。

  • フー、なりたいものにおなり。この世で1番優しい言葉。
    シリーズを読み進めていくほどにスミレさんが好きになる。

  • こそあどの森の物語、深いなー。
    自分以外の望みを叶え続けることは、楽な生き方だよね。ある意味自分がない。でもそれは、人に言われたからやってることなので、人からの信用も失ってく。のではないかと思う。
    こそあどの森の住民たちは皆んな優しい…。

  • 彼の名前はスキッパーだった!挿絵がまた素敵。

  • だれかののぞむもの 岡田淳 理論社
    こそあどの森の物種7

    フーと言うなの仮想動物の物語
    成り済ましによって
出合った相手の思いを叶えたいという
過剰な母性性を持った動物らしい

    このフーと呼ばれている動物は
過剰さによって自分にも相手にも
依存心をもたらしてしまうという
    問題を抱えている

そんな生き物が森に現れて
    人々の心を掻き回し
フー自体も自分が何者か見失い
    だけかの思いにスガリながら
    相手を翻弄しているのだけれども
最後はフーに自分を取り戻させて
    一件落着という奇想天外な物語

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著者プロフィール

岡田淳:1947年、兵庫県生まれ。38年間小学校の図工教師を務め、その間から児童文学作家として、また、絵本、マンガ、翻訳などさまざまな分野でも活躍。『放課後の時間割』で日本児童文学者協会新人賞、『雨やどりはすべり台の下で』で産経児童出版文化賞、『願いのかなうまがり角』(いずれも偕成社)で同賞フジテレビ賞、『扉のむこうの物語』で赤い鳥文学賞、「こそあどの森」シリーズ(ともに理論社)で野間児童文芸賞など、受賞作多数。ほかの作品に『図書館からの冒険』(偕成社)、マンガ『プロフェッサーPの研究室』(17出版)、絵本『ヤマダさんの庭』(BL出版)、エッセイ『図工準備室の窓から』(偕成社)など。

「2021年 『チョコレートのおみやげ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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