裏庭 (理論社ライブラリー)

著者 :
  • 理論社
3.74
  • (112)
  • (88)
  • (188)
  • (9)
  • (4)
本棚登録 : 783
レビュー : 108
  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652011263

作品紹介・あらすじ

中は真っ暗だった。けれど、入ってしまうと眼が慣れてきて、窓からの外光だけで、何とか中の様子がつかめた。年代物のほこりっぽさと、鎮まっていた空気の粒子が一斉にこちらを振り向いたような気配があった。歩くと、ぎーぎーと、床がきしんだ音をたてた。その音が人気のないホールにこだまして、何かがこぞってこちらに注目している感じがした。誰もいないはずなのに、何かがぎっしり詰まっている、濃密な気配を感じる。照美は、自分の一挙手一投足が、息を凝らしている何かに見つめられているような気がした。第1回児童文学ファンタジー大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 表と裏。光と影。生と死。身体と心。
    生まれ変わり、再生。輪廻転生と魂の浄化を感じる。

    わかりやすい言葉でとても丁寧に描かれている世界感が大好きです。

    だれもいまは住んでいない英国屋敷で1人の女の子が不思議な世界に冒険に行く話。

  • 「傷ついたらしょうがない、傷ついた自分ごまかさずに見つめて素直にまいっていればいいっていうのよ[...]そういうことが、私を変化させる唯一のものだとある日気づいたのよ」(224ページ)

    C・S・ルイスの「ライオンと魔女」のようなファンタジー小説。ナルニア物語の子供たちは、古い屋敷の衣装ダンスから別世界に引き込まれ、「裏庭」の主人公は、古い屋敷の鏡から別世界に引き込まれる。

    死や痛みや喪失感。
    そんな悲しみを持て余す幼い少女が、勇気と自信と光を見出すファンタジーアドベンチャー。

  • 冒険で不思議な世界に行くので、自分もその世界に引き込まれてよかった。

  • 異世界の構築の仕方がしっかりしてて話に入り込めたし、照美の心の動きも明快に表現されていたので、すんなりと展開を受け入れられた。指輪物語みたいに、映画化されたら面白いだろうな。照美の心のままに世界が変わっていくので、まるで夢を見ているようだった。

  • 昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。
    高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。
    その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴をくぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事がきっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、声を聞いた――教えよう、君に、と。
    少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。
    少女自身に出会う旅に。

  • こんな話だったっけ?って思いながら・・・20年ぶりくらいに読み返しました。

  • どこまでもどこまでも、自分と向き合う話。
    自分が作り出す世界(裏庭)を へ巡るなかで、様々に現れてくる自分の心象風景、そして様様な気づき。
    テルミイの母、祖母へと遡る三世代がわかりあうという読み方もできるんだろうけど、裏庭の世界が余りに沢山のイメージに満ちていて、置いてきぼりにされてしまった。読み解こうとするのが間違ってるのかも。

  • 小学生の時、親に夜中の本屋で買ってもらった本。大体青い鳥文庫を何か一冊選んでいて、親から勧められたことはほぼなかったのに、これは珍しくも。(覚えてないらしいけど)
    大好きな、幾度もページを繰っている本の1つ。

    何かあると裏庭の世界にはいってしまう。
    まだまだ、抜けられる程に成長できてないのかもしれない。

  • 「西の魔女が死んだ」に続いて読了。
    あちこちに散りばめられたモチーフが繋がって大きなタペストリーになるのは面白い。登場人物たちも皆魅力的。「西の魔女〜」よりもスケールの大きな物語で、描かれているものも大切なことばかりなのに、「西の魔女〜」ほどには引き込まれなかった。恐らくその要因には、背景描写の不足が挙げられるかもしれない。ファンタジー要素の強い裏庭世界…特に根の国では、景色の細部まではなかなか立ち上がってこなかった。悲しいかな、少女の読者であれば溢れる想像力でそこを埋め、どっぷりと物語世界に入り込むことができたのかもしれない。既に大人になってしまった私には、背景を立ち上げることができなかったために、物語が進むほどに取り残されてしまったというのが正直なところだった。
    しかし、奥庭の描写は素晴らしい。本の導入が奥庭の描写で始まるが、鬱蒼と豊かな緑の神秘が匂い立つように眼前に現れてくる。おじいちゃんの昔語りやバーンズ屋敷内部の埃っぽい感じも秀逸だった。

    私自身の少女時代の拠り所となったファンタジー作品群は荻原規子や上橋菜穂子で、その背景世界に入り込むのが至福の時間だったこともあってか、自分の読解は背景描写に頼る部分がなかなか大きいのかもしれないと感じさせられた。いや、もっと昔は斎藤洋や福永令三を読んでいて、そういう小さな頃はそこまで求めなかったのだけど…良くも悪くも大人になって読書のやり方が変わったのかもしれない。

  • 昔、誕生日のプレゼントにもらった本。
    とても良かったという記憶はあるがストーリーは思い出せず。
    いつか再読したいが、単行本なので持ち運びに難が……

全108件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959年生まれ。作家。『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を受賞。他の小説作品に『沼地のある森を抜けて』(紫式部文学賞)『裏庭』(児童文学ファンタジー大賞)『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『渡りの足跡』(読売文学賞随筆・紀行賞)『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』『風と双眼鏡、膝掛け毛布』など。児童文学作品に『岸辺のヤービ』などがある。

「2020年 『Station』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梨木香歩の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
荻原 規子
森 絵都
梨木 香歩
梨木 香歩
梨木 香歩
荻原 規子
梨木 香歩
有効な右矢印 無効な右矢印

裏庭 (理論社ライブラリー)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×