裏庭 (理論社ライブラリー)

著者 :
  • 理論社
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本棚登録 : 833
感想 : 110
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652011263

作品紹介・あらすじ

中は真っ暗だった。けれど、入ってしまうと眼が慣れてきて、窓からの外光だけで、何とか中の様子がつかめた。年代物のほこりっぽさと、鎮まっていた空気の粒子が一斉にこちらを振り向いたような気配があった。歩くと、ぎーぎーと、床がきしんだ音をたてた。その音が人気のないホールにこだまして、何かがこぞってこちらに注目している感じがした。誰もいないはずなのに、何かがぎっしり詰まっている、濃密な気配を感じる。照美は、自分の一挙手一投足が、息を凝らしている何かに見つめられているような気がした。第1回児童文学ファンタジー大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 「裏庭」梨木香歩著、理論社、1996.11.01
    324p ¥1,400 C8393 (2021.05.18読了)(2021.05.12拝借)

    【目次】(なし)
    1~11
    エピローグ

    ☆関連図書(既読)
    「西の魔女が死んだ」梨木香歩著、楡出版、1994.04.19
    「丹生都比売(におつひめ)」梨木香歩著、原生林、1995.11.20
    「エンジェル エンジェル エンジェル」梨木香歩著、原生林、1996.04.20
    「からくりからくさ」梨木香歩著、新潮社、1999.05.01
    「りかさん」梨木香歩著、新潮文庫、2003.07.01
    「家守綺譚」梨木香歩著、新潮社、2004.01.30
    「村田エフェンディ滞土録」梨木香歩著、角川書店、2004.04.30
    「沼地のある森を抜けて」梨木香歩著、新潮社、2005.08.30
    「f植物園の巣穴」梨木香歩著、朝日新聞出版、2009.05.30
    「ピスタチオ」梨木香歩著、筑摩書房、2010.10.10
    「ある小さなスズメの記録」クレア・キップス著・梨木香歩訳、文芸春秋、2010.11.10
    「春になったら莓を摘みに」梨木香歩著、新潮社、2002.02.25
    「ぐるりのこと」梨木香歩著、新潮社、2004.12.25
    「水辺にて」梨木香歩著、筑摩書房、2006.11.20
    「『秘密の花園』ノート」梨木香歩著、岩波ブックレット、2010.01.08
    「渡りの足跡」梨木香歩著、新潮社、2010.04.30
    「不思議な羅針盤」梨木香歩著、文化学園文化出版局、2010.12.26
    「僕は、そして僕たちはどう生きるか」梨木香歩著、理論社、2011.04.
    (「BOOK」データベースより)amazon
    中は真っ暗だった。けれど、入ってしまうと眼が慣れてきて、窓からの外光だけで、何とか中の様子がつかめた。年代物のほこりっぽさと、鎮まっていた空気の粒子が一斉にこちらを振り向いたような気配があった。歩くと、ぎーぎーと、床がきしんだ音をたてた。その音が人気のないホールにこだまして、何かがこぞってこちらに注目している感じがした。誰もいないはずなのに、何かがぎっしり詰まっている、濃密な気配を感じる。照美は、自分の一挙手一投足が、息を凝らしている何かに見つめられているような気がした。第1回児童文学ファンタジー大賞受賞作。

  • バーンズ屋敷の大鏡は”裏庭”への入り口。
    照美は裏庭の世界でテルミィとなり、竜の骨を元に戻す冒険に出る。3世代を繋ぐ物語。

    ---------------------------------------

    以前、BiSHにいたハグ・ミィさんという方を思い出しながら読んだ。

    異世界での冒険のテンポがあまりにも良すぎて、異世界に来るのは本当に初めてなんですかテルミィさん、という感じだった。”強くてニューゲーム”だったんじゃないのだろうか。

    放置されていた洋館の庭で、ずっと子どもたちが勝手に遊んでいた環境って、わりと危険だったんじゃないだろうか。かなり異常でしょ。
    そして、そんなふうに考えて、ネガティブなことしか言えない自分は絶対に裏庭に入れてもらえないと思う。

  • 「傷ついたらしょうがない、傷ついた自分ごまかさずに見つめて素直にまいっていればいいっていうのよ[...]そういうことが、私を変化させる唯一のものだとある日気づいたのよ」(224ページ)

    C・S・ルイスの「ライオンと魔女」のようなファンタジー小説。ナルニア物語の子供たちは、古い屋敷の衣装ダンスから別世界に引き込まれ、「裏庭」の主人公は、古い屋敷の鏡から別世界に引き込まれる。

    死や痛みや喪失感。
    そんな悲しみを持て余す幼い少女が、勇気と自信と光を見出すファンタジーアドベンチャー。

  • 表と裏。光と影。生と死。身体と心。
    生まれ変わり、再生。輪廻転生と魂の浄化を感じる。

    わかりやすい言葉でとても丁寧に描かれている世界感が大好きです。

    だれもいまは住んでいない英国屋敷で1人の女の子が不思議な世界に冒険に行く話。

  • 冒険で不思議な世界に行くので、自分もその世界に引き込まれてよかった。

  • 異世界の構築の仕方がしっかりしてて話に入り込めたし、照美の心の動きも明快に表現されていたので、すんなりと展開を受け入れられた。指輪物語みたいに、映画化されたら面白いだろうな。照美の心のままに世界が変わっていくので、まるで夢を見ているようだった。

  • こんな話だったっけ?って思いながら・・・20年ぶりくらいに読み返しました。

  • どこまでもどこまでも、自分と向き合う話。
    自分が作り出す世界(裏庭)を へ巡るなかで、様々に現れてくる自分の心象風景、そして様様な気づき。
    テルミイの母、祖母へと遡る三世代がわかりあうという読み方もできるんだろうけど、裏庭の世界が余りに沢山のイメージに満ちていて、置いてきぼりにされてしまった。読み解こうとするのが間違ってるのかも。

  • 小学生の時、親に夜中の本屋で買ってもらった本。大体青い鳥文庫を何か一冊選んでいて、親から勧められたことはほぼなかったのに、これは珍しくも。(覚えてないらしいけど)
    大好きな、幾度もページを繰っている本の1つ。

    何かあると裏庭の世界にはいってしまう。
    まだまだ、抜けられる程に成長できてないのかもしれない。

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著者プロフィール

1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

「2020年 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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