あやかしファンタジア (おはなしルネッサンス)

著者 :
  • 理論社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (133ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652013274

感想・レビュー・書評

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  • 「あやかし」という言葉には、
    『不思議なこと。あやしく、はっきりしないこと』という意味もあり、その言葉通り、あやしくはっきりしない九つの恐怖体験の連作ものになっています。

    ただし、「桜坂」の三編のみ、最後にその正体を明かしており、なんとなく全体的にまとまりを欠いているようにも思われるが、どうやら、単に恐怖体験を楽しんで欲しいのではなく、その裏の事情めいたものや、時に人間の理解を超えたものごとも、世の中には存在するんだよといった、戒めの意もあるのではないかと感じました。

    また、「桜坂」以外のはっきりしない物語は、シンプルで分かりやすい恐怖というよりも、地味だけれど、後からジワジワ来る怖さや切なさで、子供よりも大人が興味を持ちそうな内容になっております。

    そもそも舞台が、大学時代のクラス会だったり、主人公の男が中華そば屋に入ったときの出来事だとか、その男の知人が買いたいマンションの物件を見に行くとか、既に導入部分が子供には渋すぎるでしょう(ちなみに児童書です)。

    ただ、個人的には、最後の物件関連の話がいちばん怖かったかもしれません。
    何が怖いって、実際のそれよりも、冷静にのぞき窓を促す小森営業マンと、普通に対応していた室井敏之の方がはるかに怖かった。

    • 111108さん
      たださん

      度々のお返事ありがとうございます♪
      通信簿の先生からの一言、一緒でした(≧∀≦)それができないからモジモジしてたんですけどね。
      ...
      たださん

      度々のお返事ありがとうございます♪
      通信簿の先生からの一言、一緒でした(≧∀≦)それができないからモジモジしてたんですけどね。

      「ゲド戦記」や「十五少年漂流記」などは怖くて手が出せなかったので、たださんはすごいですね。

      作者の?出版社の?思惑通りに、大人になった今追体験でいろいろ読んでいきたいです(^_^)
      2022/04/20
    • たださん
      111108さん

      いえいえ、人見知りだったのに本の物語になると、作り話だと完全に割り切っていて、怖いという感情すら湧かなかったのです(そう...
      111108さん

      いえいえ、人見知りだったのに本の物語になると、作り話だと完全に割り切っていて、怖いという感情すら湧かなかったのです(そういうところ本当にお子様だったのです)

      それから、人見知りの同志がここにいらっしゃって、とても嬉しいです(^o^)

      私も内心、できるのなら、最初からそうしていると思い、無理にそうしなくてもいいやと思ってたら、先生は先生で微妙に語彙を変えて、似たような要望を学期毎に書き続けられました(笑)
      2022/04/20
    • 111108さん
      たださん

      子どもの純粋な気持ちって、怖いものにも動じないある意味無敵ですね。

      人見知りの同志に出会えて私もとってもうれしいです‼︎

      人...
      たださん

      子どもの純粋な気持ちって、怖いものにも動じないある意味無敵ですね。

      人見知りの同志に出会えて私もとってもうれしいです‼︎

      人見知りでも怒られないし、人見知りなのに同志に出会えるなんて、大人になってほんと良かったなぁと思いました(´∀`*)
      2022/04/20
  • ヒョアア〜面白かった!伝承話や民話を集めた形態を思わせる構成で、遠野物語を思い出しました。話は「わたし」の一人称で進み、住んでいる町や行った土地で体験した心霊現象を綴っている感じです。
    そういや、近所にもそういうところあるな…とうっすら思い浮かべてしまうような、リアルで手触りのある話が続きます。
    他の方のレビューにもあるように、オチのある話もない話もあり。子どもたちが、電気の消えた階段の上で物音がしただけなのに、あーだこーだそんなわけないこうにきまってる!と理由を大声で並べたてるのを思い出しました。結局、よくわかんないやつがいちばんこわいんですよね…最初の話が1番怖いもんね…。

    漢字は、人名や地名、4年生以上の漢字にはふりがなを振ってあるようですが、一度ふりがなを振ったらその後は振ってなかったりするので、漢字をある程度すらすら読めるのは必須かも。
    文字の大きさは中程度。フォントと行間に工夫があり読みやすいです。
    挿し絵は一つのお話につき1枚から3枚。情景の説明というより雰囲気を引き立てるためのものでまたこの挿し絵がとても良いのでぜひ見てほしい。めっちゃこわい。

    話が短く読みやすいので、例えば5秒後に意外な結末シリーズで読書を始めた子に勧めてみたいかなぁ…。

  • 「学校で、商店街で、マンションで、野球場で…わたしが体験した奇怪な出来事をつづる。あなたの町にも、きっとある。こんな怖い話、妖しい話。」

  •  ちょっとだけ怖い不思議な話の短編集。でも、意外とあっさりしている。後半の話は前のものと関連があって、どんどんおもしろくなってきた。

  •  長編なのかと思ったら、連作短編だった。
     桜坂の話はオチが付いたけど、それ以外のは、結局どういうことなの? て感じの、ハッキリしない終わり方だったな。

  • 学校で、商店街で、マンションで、野球場で…わたしが体験した奇怪な出来事をつづる。あなたの町にも、きっとある。こんな怖い話、妖しい話。

  • 2017年3月28日

    カバーデザイン/坂川栄治+永井亜矢子(坂川事務所)

  • 白狐魔記の斎藤洋氏によるファンタジーなのかな?と思い借りてみた。ところがどっこいなにこのホラー!?短編なんですけどクリス・プリーストリーばりに怖いっすよ!
    主人公の”わたし”が体験する様々な不可思議ホラーファンタジー!面白!

  • なじ■

    少し不思議なもの達に囲まれた街に住む「わたし」の語る
    奇妙な9つの体験談。


    表紙とタイトルを見て時代ものファンタジー系かと思ったら
    立派な怪談ものでした。
    「七つの怪談」シリーズといい、
    この人の怪談は本当にあからさまじゃないけど
    心に忍び込んでくるような怖さがあるなあ!
    ラスト一行が秀逸。

    マジで何者ですかというような
    守衛の三田さんもかっこよかったですが、
    幽霊相手にお前があがってこいと指図した友人が
    非常に素敵でした。

  • 斉藤先生の短編らしい。オチがない話の方が少しだけリアルに感じる

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著者プロフィール

1952年、東京都生まれ。中央大学大学院文学研究科修了。1986年、『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞受賞、同作でデビュー。1988年、『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞受賞。1991年、路傍の石幼少年文学賞受賞。2013年、『ルドルフとスノーホワイト』で野間児童文芸賞受賞。「どうわがいっぱい」シリーズの作品に、「もぐら」シリーズ、「ペンギン」シリーズなどがある。

「2022年 『がっこうのおばけずかん シールブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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