おこんじょうるり (カラー版愛蔵本)

  • 理論社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (52ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652020067

感想・レビュー・書評

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  • 表紙画像のタイトルがひらがなで3行になっていて、始めは??となる。
    それがかえって「どんなお話だろう」と思わせる効果を上げている。
    これは、きつねの「おこん」がうたう「浄瑠璃」のこと。
    お腹を空かせて家に忍びこんだきつねに「おこん」と名付けたのは、イタコのばばさま。
    年をとりすぎて何もかも上手く行かなくなり、占いは失敗だらけだし
    腰を痛めて寝込んでしまうし。
    そんなばばさまときつねの、温かく切ないお話。

    ドラマティックな話なので演劇仕立てでも良いかなと思っていたら、とっくに成立していた。アニメまであった。
    いやはや、知らないことって山のようにあるものだ。

    この不思議な挿絵は「くまの子ウーフ」の挿絵画家さんだということにまず驚く。
    なんとも味わいのある画風で、しかもどのページにも落款が押されている。
    そして読み進むにつれ「この挿絵で良かった」と納得してしまう。
    情念の世界を語るにふさわしい、そんな線と色合いなのだ。

    世間から見れば、いわば落伍者のような組み合わせの二人。
    最初は利害関係の一致でコンビを組むが、だんだん深い絆が生まれ、お互いに慕い合うようになっていく。
    その描写はちょっぴりユーモラスで楽しいが、やはり山場は哀切極まりない。
    思を返したことで、喜んで身代わりになって死んでいく「おこん」。
    その「おこん」のために下手くそな浄瑠璃を必死でうたうばばさま。
    拙くとも、相手のために精一杯のことをしようとする姿は感動を呼ぶ。
    出会いと別れと、幸福と死と。

    話がじゅうぶん感動的なので、力まず素直に読むのが良いのかもしれない。
    ただ、普通の速度で読んでも25分かかるので読み聞かせには向かない。
    そこがとても惜しい。
    子どもが自ら手に取るとは思えない挿絵で、しかも民話ではなく創作。
    でもお話はそれはそれは魅力的。
    なんとか高学年の子向けに読み聞かせたいが、それとも素話にするか。
    もっか、思案中。

    • だいさん
      読み聞かせの時間は キーポイントなんですね
      あまり長いと飽きちゃうのかしらん?
      読み聞かせの時間は キーポイントなんですね
      あまり長いと飽きちゃうのかしらん?
      2015/09/25
    • nejidonさん
      だいさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      時間内に終わらせることが出来ないと、次のカリキュラムに支障が出ます。
      あちらは...
      だいさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      時間内に終わらせることが出来ないと、次のカリキュラムに支障が出ます。
      あちらは、枠内できっちりやってますので。
      それに、保護者がお迎えにみえる場合もありまして。
      1.2分くらい残して終わるのが理想ですが、なかなか難しいですよ。
      かといって、始まりの時間がずれ込むこともあるのです(笑)
      そんなことも考慮して、いくつかの組み合わせを考え、何冊か用意してから望みます。

      それにしても、この本が読みたいワタクシです。
      2015/09/25
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      nejidonさん
      アニメは、張り子人形の素朴な味わいと、長岡輝子の演技に魅了されます。そして忘れられないのが、おこんの浄瑠璃。美鵬成る駒...
      nejidonさん
      アニメは、張り子人形の素朴な味わいと、長岡輝子の演技に魅了されます。そして忘れられないのが、おこんの浄瑠璃。美鵬成る駒(出演時は曾我マミ。改名されたらしい)の声にシビレました、、、

      コロナじゃなかったら「川本喜八郎+岡本忠成 パペットアニメーショウ2020 | 国立映画アーカイブ」に行ったんだけど、残念。。。
      2021/05/16
  • ばばさまとキツネのおこんのお話。
    何をやっても上手くいかなくなってしまった、身寄りのないイタコのばばさま。
    ひょんなことから出会った優しいキツネのおこんとの一緒に暮らすお話で、キツネが得意の浄瑠璃をばばさまに教える場面では、そのふたりのやりとりがすごく可愛くてほっこりしました。この場面にも出てくる昔話や地方の言葉にある可愛さやあったかさ、昔話独特の言い回しがとても素敵で、何度も読みたくなります。
    昔話にしか出てこない言葉遣いもあり、読んでいる自分も楽しくて、昔話を読み聞かせするのもいいなあと思った本でした。

    最初は表紙がやや怖めで、怪談かな?と思ったのですが、読み終わった時には子どもも私も号泣。最後は悲しいながら、悲しいだけで終わらず、優しく終わるところに星5つつけさせて頂きました。

  • お面白かった。こんなキツネがいたら面白い。でもキツネには可哀想なことでした。

  • 子どもに読み聞かせ。
    食い入るように、聞いてた。

  • 小学校の体育館で関先生(もと、劇団四季の役者さん)の朗読劇を見て、感激し、自分もちゃんちゃんこ着て練習したけど、無理でした。
    この本は暗唱できるかも?隠し芸?
    人と狐の話しって、なぜか好き。
    優しくて、悲しくて心がふるえます。


  • 100殺!ビブリオバトル No.106 夜の部 延長戦

  • 2018/01/11 学年読み2年生

  • いい話。
    素話で聞いたのだけれど、よかった。

  • イタコのおばあさんと、病気を治す浄瑠璃を歌う狐の交流。
    協力して病人を治し、仲良く暮らしていたのに、昔話には、悪い奴がでてきますね。

  • きつねの悲しい話・・・
    江戸時代には人形浄瑠璃という人形芝居がはやりました、いまでも文楽という名でのこっていますが、大夫さんの物語るじょうるりぶしにあわせて、三人がかりで一つの人形をうごかす。このじょうるりぶしは、義経と恋をした浄瑠璃姫の物語がヒットしたので、こう呼ばれた、三味線と人形劇とむすびつき、竹本義太夫がでて義太夫節とも呼ばれた、知らなかった!

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