大造じいさんとガン (椋鳩十名作選 1)

著者 :
  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652022733

感想・レビュー・書評

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  • 私が小学生の頃から教科書に取り上げられていた椋鳩十を改めて読んでみた。とっても良かった。
    自然と動物と人間と。人間は狩りをするけれど動物に敬意を払っている。自然界の危機の前では動物も人間も同列になる。作者の目線が非常に公平です。



    左右の翼に真っ白なまじり毛を持っているため狩人たちから”残雪(ざんせつ)”と呼ばれるガン。賢いガンらしく、残雪が頭領になってからは人間の罠を巧みに避けてすっかり獲物が減ってしまった。狩人の大造じいさんと残雪との数年に渡る知恵比べ。命のがけだからこそ卑怯な真似はせず正々堂々と向かい合う狩人の姿。
    私の子供の頃の教科書にも出てましたよ、まさに名作は永遠だなあ。
     /『大造じいさんとガン』

    卵が蛇に食べられても、巣を壊されても、たくましく生きる母スズメの姿。
     /『片あしの母スズメ』

    動物同士にも友情はあるのか?互いに助け合っているように見えるキジと山バトの姿。
    目撃されたキジと山バトとが同じ個体なのか確証はないのですが、こんな話があったら良いなあという自然の共存。
     /『キジと山バト』

    野球部員たちはカイツブリの雛を見つけて”野球部愛鳥”として見守っていた。
    野生動物と人間の距離感。人間に懐かなくても、自然のなかでしっかり生きている姿を想像できるだけで嬉しくなる。
     /『カイツブリばんざい』

    庭の柿の木にコサメビタキが巣を作った。三人の子供たちは雛たちを観察したり餌を上げて友だちになったりする。
     /『羽のある友だち』

    ツルの観察をする少年たちは、ケガした一羽のツルを保護した。このまま手元においておきたいなあ、仲間と一緒に渡りたがっているんだよなあ。
     /『ツル帰る』

    月日星(ツキ、ヒ、ホシ、ホイホイホイ)と鳴く三光鳥は著者の憧れだった。巣を蜘蛛の巣で固定させたり(だから「銀色の巣」)、雛が落ちないように足を引っ掛ける枝編み込みの巣を作ったり、野生の鳥の生きる知恵を見る。
     /『ぎんいろの巣』

  • 教科書に載っていた、表題の「大造じいさんとガン」やっぱり胸にくる話。頭のいい雁の残雪とじいさんの知恵比べではなく、食糧を狩る立場だった目線が、残雪の、ハヤブサにも人間にも立ち向かい、仲間を助ける姿に、生き物の尊厳認め、傷の手当をしてあげるなんて素晴らしい。シートン動物記の狼王ロボに通じるようだ。椋鳩十さんの動物を描く物語は愛を感じる。

  • クイズ番組の答えに名が上がりました。
    椋鳩十氏・・図書館に予約しました。

    小学生向きの内容ですのですらすらと。
    椋鳩十名作選1で、鳥が題材の7編です。
    久しぶりに心洗われました!
    著者の本をこれからも・・

  • 朝日新聞で紹介されていた、むくはとじゅう
    この巻は鳥が題材
    子供向けに平易に簡潔に記されている

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