素直な疑問符: 吉野弘詩集 (詩と歩こう)

  • 理論社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (115ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652038420

感想・レビュー・書評

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  • 奈々子に と 雪の日に という詩が好きです。     雪の日に                    雪がはげしく ふりつづける  雪の白さを こらえながら   欺きやすい 雪の白さ   誰もが信じる 雪の白さ   信じられている雪は せつない      どこに 純白な心など あろう  どこに 汚れぬ雪など あろう      雪がはげしく ふりつづける  うわべの白さで かがやきながら   うわべの白さを こらえながら   雪は 汚れぬものとして いつまでも白いものとして  空の高みに生まれたのだ  その悲しみを どうふらそう

    雪はひとたび ふりはじめると
    あとからあとから ふりつづく 
    雪の汚れを かくすため

    純白を 花びらのように かさねていって
    あとからあとから かさねていって
    雪の汚れを かくすのだ

    雪がはげしく ふりつづける
    雪はおのれを どうしたら
    欺かないで生きられるだろう
    それが もはや
    みずからの手に負えなくなってしまったかのように
    雪ははげしく ふりつづける

    雪の上に 雪が
    その上から 雪が
    たとえようのない 重さで
    音もなく かさなってゆく
    かさねれてゆく
    かさなってゆく かさねれてゆく
     

    • りまのさん
      あ、最後に、ミスしてしまいました。ありがとうございました。
      あ、最後に、ミスしてしまいました。ありがとうございました。
      2020/08/01
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      泣きたい気分
      泣きたい気分
      2020/08/01
  • 詩集を買うのは初めてだけど、言葉遊びに近い部分があるかな。

    空気人形で使用された「生命は」、あとがきには「祝婚歌」も収録されています。

    自分は「雪の日に」が好き。

  • 小鳥に声をかけてみた
    小鳥は不思議そうに首をかしげた。

    高校の授業で教わった詩です。

    もう、この詩を習ったのが何年どころが高校卒業して十数年経っていますが、いまだにハッキリと暗証出来るほど好きな詩です。
    ※授業熱心な人間では決してなかった(笑)


    「てらわない美しい疑問符のかたち」
    私も、このような疑問符ができる小鳥の首でありたいです。

  • 教科書でみて大好きだった詩、
    「素直な疑問符」  と

    「夕焼け」

    が載っていました。


    卒業して十数年になるけれど、未だに強烈に印象に残っています。
    詩は言葉の数は少ないけれど、その分言葉のひとつひとつがものすごく胸に深く刻まれるもの。
    図書館で見つけて借りてきたのですが、ずっと自分の本棚においておきたい1冊なので購入しようと思います。

  • 日本語ってすごい

  • しんみり。

  • 橿原図書館

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著者プロフィール

1926-2014 詩人。山形県酒田市生まれ。代表作は「夕焼け」「祝婚歌」など多数。校歌・社歌も多く作詞。詩集に『贈るうた』『夢焼け』『吉野弘全詩集』など。読売文学賞詩歌俳句賞、詩歌文学館賞受賞。

「2015年 『吉野弘エッセイ集 詩の一歩手前で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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