絵描き

著者 :
  • 理論社
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784652040393

感想・レビュー・書評

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  • いせひでこさんの自伝のような絵本です。
    主人公はいせひでこさん御自身かもしれません。
    文章はまるで、詩のようです。
    好きな文章を以下に抜粋します。


    旅(じんせい)の目的はやがてわかる。
    ”粗い写生(クロッキー)が下絵(エスキス)になり、やがて完成した絵(タブロー)になるように”(V・ゴッホ)

    にんげんが うまれるまえに ひかった星が、何億光年の たびをして、いま この空に ひかっている。

    おつきさま ぬすんだ。
    きょうは 山焼けの 赤をもらった。

    やがて、夕焼けが さっきの 行列を まったく べつのものにした。
    逆光のなかで 太陽の花が、まるで ひるの 満天の星だ。
    時と ひかりが 風景の表情を こんなにもかえるんだ。描きたい、と思った。

    描きすぎて わからなくなることがある。
    だいすきな うたを うたうときのように 描ければいいんだけどなあ。
    音を きくように、色を、きこう、自由に たのしんで。

    記憶は 空で つながっていた。
    キャンバスから あふれる 風景、風、ひかり、におい…たしかな時間。



    いせひでこさんの絵本は、ブクログ登録前に友人から頂いて何冊か持っていたのですが、先日「にいさん」を読んで、もっと他の本も読んでみたくなりました。
    いせさんは、ゴッホがお好きでいらっしゃるのかなと思いました。

    私も子供の頃絵を描くのが好きでした。
    大学は本当は他の学部が第一志望だったのですが、実際には芸術学部(美術)しか、合格しなかったので、芸術学科で美術を学ぶつもりでした。
    でも、私は実技試験は任意で、なしでも受験できたのでその大学を選び学科試験、小論文、面接だけで入学したので、入学してみると実技試験を受けて入学してきた同級生に「デッサンなんてみんな予備校でやってくるんだよ」と笑われて、二年目からは極力実技は避けて時間割を組むようになりました。
    それでも、セザンヌが好きで”セザンヌ研究”を二年目に取り課題の模写をしてきたときも、心無い(正直な)友人に「それ本当に模写?」と、また笑われました。

    美術をちゃんと真面目に大学でやってもやっぱりものにはならなかったとは私も思います。
    でも、いせひでこさんのような絵が大好きな友人が少なくとも一人は同級生にいて、いまでもお付き合いをしているのがせめてもの救いだなあと思っています。
    その友人とは、いせひでこさんの絵本を「同じもの二冊持っているからあげる」と言ってプレゼントしてくれた、絵本作家の花房葉子さんです。

  • 風景を見て、旅をして、帰って
    そのどこででも絵を描く
    描く描く描く、人のお話

    少しでも絵を描くことが好きな人好きだった人には
    ぜひ一度読んで欲しい

    描くときのあの、衝動のような気持ちを思い出せるかもしれない


    言葉は少なめ。
    高学年以上対象かな

  • 良かった。

  • 以前に美術館の原画展で見て、一目でファンになった作品

    いせひでこさんの、ほっこり気持ちが温かくなる水彩が大好きです
    個人的に、ペンギンが空を見上げてる絵が一番好き

  • いせひでこさんの絵。なんだかステキです。
    こんな風に絵が描けたらいいのに。
    モデルはしんぺいさん。
    この絵本のエピソードを読んだ翌日、
    わずかな時間、絵本が倒れてて、
    起こそうとしたらこの本でした。
    本との出会いって面白い。

  • 詩のような文章に惹かれた。
    "絵を描きたい"という情熱が伝わってくる。

    表紙の絵は、"どこかでみたことがあるような・・・"と考えていたのだけれど、
    そっかー!ゴッホの「アルルの部屋」!

    この物語は、ゴッホのことを書いているのかなー?かどうかは、(勉強不足で)判断できないけれど、
    いせひでこさん自身の"描きたい!"という想いも込めて重ねているのだろうなーと思えた。

    本当に素敵な本!

  • 色が素敵です。

  • アーティスト向け。
    何かに迷った時に。

  • いせひでこさんの世界。説明できる良い言葉がみつからない。

  • 絵描きの彼女からみる世界はとてもきれいで素敵だと思いました。

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著者プロフィール

[著者紹介]いせひでこ(伊勢英子)
画家、絵本作家。1949年生まれ。13歳まで北海道で育つ。東京藝術大学卒業。創作童話『マキちゃんのえにっき』で野間児童文芸新人賞を受賞。絵本の代表作に『ルリユールおじさん』『1000の風 1000のチェロ』『絵描き』『大きな木のような人』『あの路』『木のあかちゃんズ』『最初の質問』『チェロの木』『幼い子は微笑む』『ねえ、しってる?』『けんちゃんのもみの木』『たぬき』など、単行本・エッセイに『旅する絵描き』『七つめの絵の具』『わたしの木、こころの木』『こぶしのなかの宇宙』『猫だもの』『見えない蝶をさがして』『風のことば 空のことば』など多数。


「2022年 『愛蔵版 グレイがまってるから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

いせひでこの作品

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