綿菓子

  • 理論社 (1993年10月23日発売)
3.64
  • (31)
  • (41)
  • (68)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 477
感想 : 54
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784652042182

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 甲斐みのりさんの著書『たべるたのしみ』で知った本です。その中で江國香織さんのこの本のことが書かれていて、「綿菓子は女性の心を動かす情緒的なお菓子」だというのが気になり、読んでみました。

    10代前半の女の子の淡い初恋にゆれる恋心が書かれていました。この頃は、大人が思うよりも大人のような気がします。身近な家族の恋愛観を見聞きして、わかったような気でいる感じがほほえましく思えました。

    読後に装画を見ると、女の子の気持ちがとてもよくわかり、その気持ちが伝わってきます。女の子の心の移り変わりが、手に取るように伝わってくる物語でした。このあと、どんな女性に成長したのかな。

    〈目次〉
    綿菓子
    絹子さんのこと
    メロン
    昼下がり、お豆腐のかど
    手紙
    きんのしずく

  • 「とってもせつなくて、苦しい恋をしてる」小学生のみのり。三年付き合っていた彼氏ではなくお見合い相手と結婚したお姉ちゃんや、会話のない両親を横目に、「私は恋に生きよう」「結婚じゃなく、はげしい恋に生きよう」「真実の恋に生きるのだ」と心の中で決める。それから、おばあちゃんに言われたように「誰かの愛に報いるだけの生き方をしよう」とも。

    時が経ち、中学生になった頃には、お姉ちゃん夫婦や両親のあいだの愛も少しわかるようになる。最後は、せつない恋の相手と大胆にも・・・。

    綿菓子が出てくるのは、冒頭でみのりが見た夢(淋しい、淋しい、と綿菓子のなみだをこぼす夢)と、縁日でおばあちゃんに買ってもらうとき。みのりの心の変化は、ほわほわとした甘い綿菓子が、少しずつ口の中で溶けていくよう。最後には、綿菓子が甘かった、という記憶だけが残るように。

    10代の恋愛、甘ったるくなりすぎないところは江國さんらしい。みのりはたぶんもう、綿菓子のなみだは流さない。

    p36
    「誰かをほんとに好きになったら、その人のしたこと、全部、許せてしまうものなのよ」

    p37
    「人はね、誰かに愛されたら、その愛に報いるだけの生き方をしなくちゃいけないのよ」

  • 江國香織の小説のなかで、いちばん好き。コーヒーを金色の液体、だなんてそんな表現よく思いつくなと思う。大好きな場面でもある。

  • 中学生女子、可愛いなぁ。子供に見られてるけど、もうそのくらいの歳だとオトナよね。わかる。わかるよ。
    あと、1人の人を愛した2人が仲良くしてるっていうのも、わかるよ。嫉妬しないの?とは思うけど、それとこれとはちがうんだよね、きっと。推し活?みたいな。

  • お姉ちゃんが結婚してみのりは複雑な気分。
    お見合いで出会って結婚した島木さんより、前のボーイフレンドの次郎くんのほうがよかったとみのりは思っている。次郎君に会いたいけどもう会えない。これは恋なのか。
    小学校卒業を前に、クラスの谷くんから告白された。おばあちゃんの親友、絹子さんはおじいちゃんの恋人だった。中学で仲良くなったみほはラブレターをたくさんもらう。お父さんはそっけない態度だけど、毎年メロンをお母さんに買ってくる。久しぶりに再会した次郎くんと島木さんは知り合いだった。女は哀しい。男も哀しい。人を好きになるとみんな哀しい。
    次郎くんは泣いていたみのりにコーヒーを口移しで飲ませる。みのりはそれを金色の液体だと感じて、くらくらする。

    ---------------------------------------------

    人を好きになる。好きな気持ちを持ち続ける。
    どんな行動をとるかは人それぞれ。小学生から中学生になる、微妙な年ごろの少女が色んな恋愛の形を知り、大人になっていく季節の話だった。

    すんなり読めて気持ちのいい話だったけど、20代前半の次郎くんが中学生のみほさんを部屋に連れ込んで口移しでコーヒーを飲ませちゃう最後の場面、読みながら淫行になっちゃうなあと思った。
    そこは次郎くん自重しろよ!という気持ち。


    ぜんぜん関係ないけど、最近飲んでるイヌリンという粉末のサプリは綿菓子の味がして美味しい。
    恋をして哀しい気持ちになるより、美味しい気分を味わいたい。

  • 江国香織の世界観が満載というか、柔らかで優しい文体なのにそこに毒が隠れているアンバランスさは流石。

    さらさら読めるけど、胸に確実に刺さるあの頃の気持ちを丁寧に描写していて、あっという間に読了できました。

  • きゅんきゅん間違いなし。きんのしずく を読んで、忘れてた少女の頃の恋する気持ちを思い出しました。
    この年頃って、好きな人がいっぱいいた。そしていつも年上の男の人に恋してたよなぁ。

  • 短くてすぐ読み終わっちゃうけど、
    読後の感じがふんわりしてて素敵!

  • こどもの目から見た、大人の、恋や夫婦の事情。
    「人はね、誰かに愛されたら、その愛に報いるだけの生き方をしなくちゃいけないのよ。」
    っていうおばあちゃんの言葉に、じーんとした。

    おばあちゃんの親友「絹子さん」は、実はおじいちゃんの愛人だった人。
    その人が死んで、おじいちゃんが死んだ時よりもショックを受けたおばあちゃん。

    「誰かをほんとに好きになったら、その人のしたこと、全部,ゆるせてしまうものなのよ」
    「おじいちゃんと一緒になって、幸せだったわ」

    懐が深い愛。

    ケータイ小説世代の高校生に読ませたい。

    男に振られて、夜遊びだの売春だの、傷つきすぎ。弱すぎ。
    もっとでかい愛を知れ。


    エクニさんの小説には、こういう深い深い愛情が登場してきますよね。
    『つめたいよるに』の、老夫婦の話も大好きです。
    奥さんであるおばあちゃんが死んでしまってからも,おばあちゃんを近くに感じつづけているおじいちゃん。


    そんな夫婦になれたらいいなあ。


    ただ、この話のラストだけはいただけない(笑)
    気持ち悪い。

    それこそ、女子中学生なんかは憧れるかもしれないが。


    私の器がちいさいせい?

  • 思春期女子の気持ち。さくっと読める。
    かわいくて、江國香織感があってとてもいい。

  • 今日もう3冊読んだし帰ろうかな、と思っていたら、なぜか目に留まって読んだ本。

    感想が難しいな。なんというか、絵本みたい。江國さんの優しくて柔らかくてきれいな文体が好き。

    読後の感想は甘い。各話に、綿菓子だったり、あんず飴だったり、みつまめだったり、メロンだったり甘いものがちりばめられているからかな。最後の話に出てくるのは、主人公が昔は飲めなかった苦い「コーヒー」だけど、好きな人に口移しで飲ませてもらったことで、苦さが甘さに変わっているのかも。少女から大人の女性になっている、ってことかもだけど。あくまで私が勝手に思ったこと。

  • みのりはまだ子供で、20代の人から見たらおませさんでかわいいわねって思われているのだろうな、と。背伸びして大人ぶって、もしかしたら人間ってそうやって大人になっていくのかもしれない。

    子供のみのりは大学生で雰囲気ある次郎くんが好きだし、大人のかよこは年上で優しい雰囲気の島木さんと結婚するのも見てるものの違いとかが現れてるのかなあ。私はこの本を読んでいて、自分だったらきっと次郎くんを好きになるって分かるので、私はまだ子供なんだろうなって。付き合うのと結婚するのはまた別なのかもしれないけれど。

    みのりとみほの会話も大人びた女の子同士の会話でかわいいなあってにこにこしながら見ていました。


    「次郎くんは、お姉ちゃんより二つ年下だからまだ大学四年生だけれど、でも島木さんよりかっこいい。冬でも日にやけてるし、笑うとかわいい顔になる。水泳もテニスも上手だし、虫の種類もいっぱい知ってる。次郎くんはやさしい。次郎くんは明石家さんまのまねが得意。次郎くんは、きのう何していたかしら。お姉ちゃんの結婚式のとき、どこにいて、何を考えていたかしら。私は教会でオルガンをきいている時も、ホテルでエビを食べている時も、次郎くんのことを考えていた。」

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 少女から大人の階段をのぼっていくかのような話。
    お見合い結婚したお姉ちゃんの元カレを好きな妹の話。友達が転校したり、おじいちゃんが死んだ時実は、おばあちゃんの友人と恋仲でその友達の家で死んだということをおばあちゃんから聞いたり、ぶきっちょなお父さんのお母さんへの愛だったり。最後は、お姉ちゃんの元カレによって口からコーヒーという大人の飲み物を間接チューでもらうあたり大人〜ひゅぅう感がすごかった。よくこの少女から大人になるまでの感じわ書けるなっておもった!

  • 前から読んでみたいと思っていた作品を図書館で見つけたので。絵本のようなお話。主人公は子どもだし、文章は平易だけれど大人が読むのにぴったりな作品。主人公の女の子が可愛い。女の子って結局何歳でも女なんだなぁ、って思う。2013/132

  • 本をよく読んだ中学時代に一番好きだった本。
    12年ぶりに読みましたが、字が大きくて読みやすいので、しばらく本を読んでいなかった現在でもすいすい読むことが出来ました。

    当時みのりと同年代だったのでみのりに感情移入していましたが、
    次郎くんやかよこの年齢を超えた今、あの頃とは視点が変わったことを思いました。
    でも、中学時代をそのまま思い出しましたね。あの頃に戻ったようでした。

    みのりと同年代だった頃、確かに大学生のおにいちゃんは憧れの存在みたいなものがありましたが、
    今だったら、きっと次郎くんに「(年齢的に)みのりはやけとけ」と言いそうな気もする(笑)

  • 2014/5/12読了

  • 最後の場面がとにかく好きだった。
    冷静に考えたらものすごく過激なことをしているのに、素晴らしい情景描写。ステキでした。

  • 少女が恋を知って大人になるステップ。
    各話に登場する食べ物が一話目が綿菓子で最終話がコーヒーとは子供から大人への移り変わりみたいです。

    『絹子さんのこと』のおばあちゃんの打ち明け話にちょっと驚いた。女の友情の不思議。
    …いや、これは次郎くんと島木さんにも言えることなのか?そもそも島木さんは次郎くんと嫁の関係を知っていたのか?とか考えるとかよこさんが嫌な女に見えてくる。
    読み終わってみれば主人公の心の成長を追うよりも姉の性格を不審に思ってしまうのでした。

  • 次郎殴る

全50件中 1 - 20件を表示

江国香織の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×