おとうさんがいっぱい (フォア文庫 B 103)

著者 :
  • 理論社
4.24
  • (33)
  • (23)
  • (12)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 205
感想 : 27
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652070710

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『世にも奇妙な物語』のような短編が5つ。

    今いる世界で確かだと思っていたことが急にあいまいになったら?

    不思議な世界に引きずりこまれるような恐さが、初めて読んだ小学生の時から強く心に残っている作品。

    なのに、何度もその恐さを確かめるように読み直してしまう。

    佐々木マキの挿絵が場面と雰囲気にピタリとはまっていて印象的。

  • 児童書だけれども、内容はむしろ大人向けのホラーだと思える。文体を変えるだけで十分一般向けのホラー小説になるだろう。

    こんな作品を子供の頃に読んだ人は……「子供の頃読んでトラウマになった」というレビューがあるけれども、この物語―作者の描く本当の恐ろしさ、冷たさは、大人の方がより痛烈に感じるんじゃないだろうか。

  • 初めて読んだのは小学生の時ですが未だにあの衝撃は忘れられない。全話めっさ怖い。

  •  子ども向けの本として描かれたこれらの作品には一体どんな意味があるのでしょう?
    『遠くまでゆく日』(1970年)を読んだ時、前半が重苦しい展開だったのですが後半は一転して楽観的で明るい展開になったので、私は三田村さんは楽観的で明るい作品を描く方だと思っていたのです。

     本書のフォア文庫版には巻末に「不思議な迷路ゲーム」という野上暁さんの解説が収録されています。それには、三田村さんの他の作品にも言及があります。
     本書の原版が最初に出版された(1975年)翌年、『オオカミがきた』というこれまたショッキングな作品が発表されたこと。1980年に『風を売る男』が刊行されたこと。近作の『ドアの向こうの秘密』や『オオカミのゆめ ぼくのゆめ』はこれらの延長線上にある作品集だということ。
     この辺から読んでいけば良いのでしょうか。

    20世紀少年少女SFクラブ
     世界は今でも落とし穴がいっぱい
    【おとうさんがいっぱい】三田村信行
      https://sfklubo.net/kiel_multaj_miaj_patroj_estas/
     https://sfkid.seesaa.net/article/501629261.html

  • 不条理さによる怖さを感じられる短編集。子供の頃より大人になった今のほうが楽しめる本。

  • 児童書に置いてある5話の短編集。「怖い」って感情の中でも、精神的に不安になる怖さを持つお話。これ小学生が読んだらトラウマになること間違いないと思う。大人も読み終わったら、違和感を持つよ、この世界に。

  • 小学校6年生のときに題名にひかれて買ってもらった本です。

    ふむふむ…と読んでいったけど、どれも内容があまり入ってこなくて、いつの間にか読み終わった本でした。
    お父さんが壁に入ってしまうとか?だった気がします。
    小学生だった私にはそれがすっごい怖くて読むのがイヤになった思い出があります笑

    今も実家にあるのかな、この本。
    10年以上前の話です。

  • 小学校の図書室でであった。
    怖いという感覚はなく、ふしぎな世界にただ引き込まれた。
    いま読むとこわい。

  • これは妹が買ってもらった本で、貸してもらって読んだんですね。
    おとうさんが壁に閉じ込められて、息子に遺言を書き留めさせる話が、ふしぎで悲しくて怖くて、すごい印象に残りました。
    いまでも時々思い出す。

  • 談話室で怖い本として話題になっていたので。

    うん、奇妙な味。トラウマになるのも頷ける。読書経験の浅い子供の頃に読んだなら、なおのこと。
    何気ない日常がふとしたきっかけで見知らぬ姿に変わってしまう。その瞬間のぞっとする感覚は、おばけなんかよりずっとずっと恐ろしい。平和な町を上機嫌で散歩していて、ふと家と家の間の暗くて狭い隙間から何かがこちらをじっと見つめているのに気づいた、そんな感じ。『おとうさんがいっぱい』というひらがなの題名が、またグロテスクさを添えている。

全27件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1939年東京に生まれる。
早稲田大学文学部卒業。児童文学作家。
主な作品に、「おとうさんがいっぱい」「風を売る男」「ものまね鳥を撃つな」「風の陰陽師」などがある。

「2019年 『漱石と熊楠 同時代を生きた二人の巨人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三田村信行の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×