- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652077450
作品紹介・あらすじ
花の綿毛のように、天使のように、この閉じこめられた世界から飛び出していけたら…小さな穴でつながれた外の世界-ゲットーの少年の美しくも過酷な物語。
感想・レビュー・書評
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タイトルに惹かれて。ファンタジーなのかと思えば、これはナチスのユダヤ人迫害の物語だった。主人公は迫害の事実をなにもしらない少年。
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こういう視点で描かれたユダヤ迫害の物語があるとは。
何もわからない子どもから見たワルシャワの壁。
わかっていない子どもの行動なので、かなり苛つく。
でも、だからこそ、当時の生きることの現実が伝わってきた。
一方で、わかり過ぎている子どもの悲劇も。
そして、こんな壮絶な体験をした人間さえ、年を取り、老人になるまで生きる。
そうして続いてきた世の中なのだと思うと、なんとも言えない気持ちになった。 -
ワルシャワの孤児ミーシャの生涯。ユダヤ迫害の戦時下を流されるように生きた少年の物語に考えさせられるものがある。今がどんな時代なのか、自分は気付いているだろうか。
素直でどこか幼すぎるミーシャがヤーニナとの交流で成長する姿も良かった。ヤーニナにはやや腹も立ったが、戦時下の不安がよく伝わった。
赤毛のウーリーは何者のなのかな。
ウーリーオルレブへのオマージュなのかな?? -
小学生の頃に読んだ本。
ナチスドイツなんて全く知らず、普通のファンタジー小説だと思って当時は読んでいた。けれど、不思議と心に残った作品。
もう一度、読み返したい。 -
自分が何者か…生まれはおろか、名前さえも知らない少年。
知っているのは、みんなよりチビで足が速く、大人たちからは「コソドロ」と呼ばれていると言うことだけ。
ただ生きるためにパンを盗み、走り続け、ある日逃げ込んだ薄暗い住処で同じ浮浪児の少年と出会い、「ミーシャ」という名前をもらう。
しかし、道行く人や店先から簡単にくすねることができたパンも次第に姿を消し、日増しに彼らを取り巻く状況は過酷になってゆく。
空からは涙のように黒い爆弾が降りそそぎ、街をジャックブーツが行進し、朝になれば道端で誰かが死んでいて、やがてユダヤ人はみんな汽車に乗って東へ行ってしまった──。
第二次世界大戦下のワルシャワ。ゲットーの高い壁に切り取られた青い空の下で、それでも少年は問いかける。『天使はいるの──?』と。 -
ユダヤ人迫害の小説。
最近この手の映画を多く観ていたので、本書を手に取った。
改めて小説と映画との手法の違いを感じた。本書では迫害の悲惨さを直接的ではなく読者のイマジネーションにより表現している。私の場合映画から得た知識を元に読んだため、その表現に物足りなく、やや食い足りない感じだった。
子供視点は新鮮で純粋さに惹かれた。 -
ジプシーの少年のお話。
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戦争の話しのはずなのに、主人公の男の子の目線で見ると全然で…。
ある意味、行間を読むと怖い場面もあるけれど言うほど怖い描写はなく、私がこれを読んだのは小学校4年生のころだったかな。
読み終わったときはほっこり心が暖かく、涙が自然と流れて「良かったね」って思える本だった。
嫌いな人は「意味不明じゃん」って思うかも知れないけれど、これを好きって思う人がここにいる。笑