氷原の守り人

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  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652077986

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  • ゴールドラッシュに沸くアラスカに渡った日本人~一樹は孤児で寺に身を置いていたが,満足できずに寺からの脱出を繰り返し,遂にアメリカに渡ってシアトルのパン屋で奉公していたが,アラスカのノームで金が発見されたことを聞き,孤児仲間の貞二と三郎を呼び寄せ,ターナゲイン号に乗り込むが,船員が乗客名簿に載っていない女性客を放り出そうとしているのを助ける。女性はノームで居酒屋銀きつね亭を営むグレース嬢,融通の利かない船員はマイケルという大男だった。グレースに呼び出されて一樹が話し込んでいる最中に,貞二や三郎を含む金探しに来た英語を読めぬ連中は不当な契約書にサインさせられていることを知った一樹は船長に抗議してマイケルによって冷たいベーリング海に放り出されてしまった。気が付くと左腕に怪我を負い,子犬のいるテントに寝かされていた。一樹が話しかけても応えない老人はイニュイの誇り高い猟師であるらしい。名はアトール,白人の密猟者をバロー岬に送り届けている間に家族を失っていた。欲深い白人の仲間ではないと判断した老人は一樹が手伝いをすることを許し,コッツビューに獲物を売り捌きに行くことを命じ,子犬ヒコの弟弟子に加えた。一樹はコッツビューの雑貨店で伝説の猟師の話を聞き込み,元密猟王で現金鉱王であるザックがコッツビューの石油に目をつけているのを知って,仲間を助ける決意を老人に語ると,ザックという名を聞いた老猟師の顔つきが一変した~主人公が僅か半年で複雑な契約書を読めるほど英語に通じていることは不自然だし,氷原で犬橇同士が出会うことも不自然,10mの距離で撃ち合って片方が即死し,もう一方が軽傷というのも不自然。不自然だらけで,子供相手だから良いのかなぁとも思うけど,これじゃいけないという思いの方が強いな。犬と人の心の通い具合も夢としては良いけど非現実的だ。人の方から近づこうとする姿勢を教えようとするのは理解できるけどね

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著者プロフィール

1978年生まれ。埼玉県出身。2005年「KAPPA-ONE登竜門」より『時を編む者』でデビュー。以来、ファンタジー小説や時代伝奇を執筆。近年は積極的に時代小説を手がける。著作に、『ヤマユリワラシ―遠野供養絵異聞―』『けものよろず診療お助け録』『屋根裏博物館の事件簿』など。本書は熱血師匠と筆子の交流を描いた傑作人情小説。

「2023年 『走れ走れ走れ 鬼千世先生と子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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