「美しい」ってなんだろう?―美術のすすめ (よりみちパン!セ 26)

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  • 理論社
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レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652078266

作品紹介・あらすじ

あたまのなかをまっしろにして、よのなかのいたるところにある「ふしぎ」をみつけよう。…それが「美しい」と出会うための、まずさいしょの一歩です!じつはこの本、ふだん想像もつかないような、とてつもなく広く大きく奥深い「美」の世界をたくさん用意して、あなたを待っているのです。ちょっとドキドキしますか?でもだいじょうぶ、そこへ連れていってくれるのは、登校拒否教師のモリムラ先生ですし、「美しい」と出会えれば、あなたの人生、かならず大きく変わるんですから。

感想・レビュー・書評

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  • 金言が多すぎて付箋とメモが追い付かない。借りてよんだので、ぜひ購入して手元に一冊置きたい。

  • ■ナメテました。やばい、いいです。欲しいです。この本。
    もっと絵のことを知りたくなりました。

  • 芸術家と芸能人の違いは何か? と本書の中で疑問が提示される。

    そこについて明確な差はないと著者は語るが、そのこと答えは本書表題に既にあるのではないか。

    つまり、美しい(あるいは面白い、もしくはカッコいい)とはなにか答えを問うのが芸術家で、大衆の中にある答えに寄り添っていくのが芸能人ではないだろうか。

    森村泰昌は中学生に対して自らの作品を通じて、多彩なモノの見方を提示する。
    つまり、ある絵があったのだとしてその絵が美しいのではなくて、その絵を美しいと思う心が美しいのだ、と。

  • ビブリオバトルで紹介されていた本。
    この本を通じて、自分にとって美しいものが増えた気がして嬉しい。

  • 自分か絵を描く意味を考えた本

  • 世界が窮屈になって、ルールが厳格化されると、
    人間は、その常識やルールを頼りにして
    真面目に生き抜いているが、
    一方でそういう思考をひっくり返されることを
    期待している面がある。

    男性用の便器をひっくり返しただけの
    マルセル・デュシャンの『泉』(1917年)だったり、
    身近にあった大量生産品であるスープ缶を描いた
    アンディ・ウォーホルの
    『キャンベルのスープ缶』(1962年)など、
    現代美術は「芸術の概念や制度自体を問い直す、固定概念を壊す」
    ことに主眼が置かれているように思える。

    森村泰昌もまた、自分自身を被写体にして、
    世界的に有名な絵画や有名人などを
    表現するアートで有名になった。
    自分自身を作品の一部に組み込んでしまうという発想や、
    美しくなりたいというナルシシスムを感じる
    作風の数々は、どこか三島由紀夫を彷彿とさせる。

    「抽象画というのは一種のレントゲン写真なんだ」
    という考え方は、とても参考になった。


    浄土真宗の親鸞の『歎異抄(たんにしょう)』
    「善人なおもて往生をとぐいわんや悪人をや」の解釈について。

     善人が救われるのは当然だが、
     宗教とは全人類を救うためのものだから
     悪人が救えなくて、どうして宗教といえるんだ。
     何故、他のお坊さんは「悪人は地獄行きも当然」と
     何の疑いもなくとらえて、
     それでよくもまあ平気でいられるもんだ。

    「悪人は罰せられる対象ではなく、
     救うべき大テーマである」という解釈をしている。

    自分は、ものごとは善人と悪人で
    ハッキリと分けられるものではなく、
    モノの見方を変えたら善人は悪人にもなるし、
    悪人は善人にもなる。
    今まで一度も悪いことをした人間などいるのだろうか。
    己の正義を貫こうとすれば、
    現行の法律も犯してしまうこともあるだろうし、
    己の欲や保身のためには、
    悪にも手を染めてしまうこともあるのではないか。
    要するに、悪人とは、
    すべての人間を指した言葉ではないか、と解釈した。

    それだからこそ、
    「悪人は罰せられる対象ではなく、救うべきである」
    という結論に至るのは自分も同じ。
    物の見方をちょっと変えただけで
    こんなに世の中に対する姿勢が変わるのが面白い。

     酒が人間をダメにするんじゃない。
     人間はもともとダメだということを教えてくれるものだ。

     女子大生が売春してるのを嘆く無かれ、
     売春婦が大学で学ぶようになったんだから。

    は立川談志の言葉。
    これもまた同じようなことを言っている。
    こんな風にして、視点を変えてみるならば、
    世の中はもう少し寛容な社会になるかもしれない。

  • とても読みやすかったです。
    とはいえ侮れない本です。

    美しさの捉え方は個々自由でいいんだと、やさしい口調で語りかけてくださいます。

    しっかたぶりせず、単語や知識で語らず、感じたことの本質はなんなんだろうと考えることが、大事。

    そういえば過去の戦争に置いて、アートは制限されてきました。
    心の自由を縛るために。

    裏返せば、アートがある限り、人は人を認め、国際的な争いに至ることも少ないのかもしれない。

    食べず嫌いにならず、関心の種を蒔き、いつその関心が咲くのか。
    無駄なことなんてないのかもしれません。

  • 絵を見て何かを感じとれず悩んでいたが、まず「こういった表現をしたのはなぜだろう?」と不思議に思うことこそ第一歩なのだろう。

    絵画だけでなく学生の人生相談に美術を絡めて乗っているところも読みごたえがあった。成人した後でも十分読む価値のある本だと思う。

  • トリエンナーレの前に、森村泰昌さん。

    どう感じるかを味わいに、私は美術館に行く。これだという作品に出会ったときのなんとも言えない感覚の強烈な中毒になってしまったから。脳みそを揺さぶられるような驚きを感じることも、思わずにやにやとすることもある。泣きそうになることもある。
    なにを美しいと感じるか。とはいえ自分が思う美しさにとらわれすぎてもつまらない。自分の世界を広げていくという自由。どこまでも広がっていけるという、自由。


    美術とは
    「見える世界を通じて、見えない世界にいたること」

    なにかを極めた人が生み出すある種の哲学は、本当に美しいなと思います。金言の宝庫!

  • 借りたもの。
    ~高校生向けの「美」についての本。
    「美」とは何か?人に感情を揺り動かすものである。
    こわいもの、しあわせvsふしあわせ、ふしぎ、ものまね……簡単な言葉で、哲学的な部分を具体例と共に説明してくれる。
    著者の美術体験と美術解釈の足がかりになったものを、著者の作品とともに記載。コスプレのように美術をオマージュする作品は不気味でちょっと可笑しい。

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