「悪いこと」したら、どうなるの? (よりみちパン!セ 33)

著者 :
  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652078334

感想・レビュー・書評

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  • 中学生あたりに向けて書かれた本であるが、当然大人の僕にも我が事のように思えて仕方ない。
    確かに国は本気で少年を更生させようとしてるんだろうか。
    後半藤井さんが書かれていたように、専門職としての「少年更生監督官」のような強い権限を持った職を作る必要がありますし、尊敬される職として認知されるようにしないといけないな。

    しかし、逆送の対象が14才以上に引き下げられているとは知らなかった。これ知らない子供も多いんじゃ?「未成年だからぁ」と調子こいてて刑務所叩き込まれるとかね。そりゃざまない。
    厳罰化を強めるより更生の方に舵を切るべきだよね。文科相主導以外でね。

  • 子どもに少年犯罪のことを知ってほしいと思って借りてきた本ですが、子どもは一向に読む気なしです。とてもやさしい書き方がされていますし、ルビもたくさん振ってあるので、能力的には小学校高学年ならば難なく読めると思います。しかし、自発的に読ませるのは難しい類の本だと思いました。

    でも、親の私が読んで、ところどころ気になるところをかいつまんで話題にしたりするのに役立ちました。

    被害者・加害者双方、特にその家族の苦悩はことさら考えさせられました。

    また、「更生」を期待して、少年法というものが存在するわけですが、施設の中である程度「更生」しても、家族の元に戻った時、地域に戻った時には、また元の色に染められてしまうこともある現実など、難しい事柄が山積していることを知りました。

  • 益田ミリ週間のさなか、藤井誠二週間開始。よりみちパンセシリーズ。実際犯罪を犯しそうな少年たちは残念ながら読まないだろうし、話があちこちいきすぎて、そういう少年たちには理解できないんじゃないかと思う。最初の漫画だけでも読んでもらいたいけど。大人が必読すべきだ。子供が中学生になったら、親は必ず読むように、とか。今まで筆者が訴えてきたことや書いてきたことのまとめって感じ。最初の漫画はまさにそうで、ほんとこれだけでも切なくなる。想像する心、能力。人の痛みに思いをはせること。これができない人間にはなりたくないと思う。

  • 青少年向けの「少年法」の講義のようなもの。

    漫画は「鈴木先生」の武富氏。

    加害者、被害者、またその家族、少年院の中、社会制度など様々な視点から少年犯罪について深く掘り下げて、考えさせてくれる。

  • 105 目白ブコフ

  • (「BOOK」データベースより)
    改正少年法は子どもを守ってくれるの?犯罪少年の家族はどうしているの?被害にあった人はゆるしてくれるの?など、「少年犯罪」の現状を知りぬく著者と、『鈴木先生』で文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞したマンガ家による待望の問題作、ついに登場!ゆれ動く社会の基盤とその実態をあらわす「少年犯罪」。いまこそ、すべてのひとに考えてほしい。

  • 最初からこの本を読もうと思っていた訳でなく。
    漫画「鈴木先生」のドラマが結構面白くて、漫画も読んでみたいなって思ってたんですけどさすがに図書館には置いておらず。(漫画喫茶とかにはあるみたいですけど)
    鈴木先生の作者である武富先生の漫画が載っているってことで「じゃあ読んでみようかな、と。

    最近ドラマでも昼には「明日の光をつかめ2」とか夜は「それでも、生きてゆく」など少年による犯罪と加害者と被害者、そしてそれぞれの家族たちが描かれた作品が多いので、あわせて読んでみるといいかもしれないな。

    「中学生以上のすべての人へ」とうたった「よりみちパン!セ」というシリーズで出ている本の中の一冊で 学校や家で学べない 中学生くらいのコ達が「知りたい」って思うような内容の物が沢山出ているみたいです。
    なので・・・・子供に語りかけるような文体でした。

    加害者が少年だと、たとえ被害者が亡くなったとしても名前や住所など報道されることはないけど(過熱した報道によって近所の人にはわかってしまうけどね)、被害者の方は何の断りも無く実名や住所や顔写真、おまけに「殺されるくらいだから本人にも落ち度が会ったのでは??」なんて勝手にかんぐられたりして。
    家族はどんな経緯で命を奪われたのかも知る事が出来ないなんて。
    「少年法」って腑に落ちない事が一杯だよね。

    この本には「少年法改正」の為のたたかいなどもかかれています。
    「少年法に守られてるから、犯罪するなら今のうち!!」なんて息巻いてた人・・・・過去にもいたなぁ すごい身近に。

    中学生から、といわず 小学生とかにも読んで欲しいかも。

    加害者の殆どが被害者の名前も顔も覚えてないって(通り魔的な犯罪が多い)ありえないと思う。
    自分には知らない「誰か」だけど、それは「誰かにとっては大切なかけがえのない人なんだ」って事を小さいうちから考えられる人になって欲しいな。

    そして、罪をおかしてしまった加害者だって「誰かにとっては大切なかけがえのない人」なんだろうな。

  • 悪いことしたらどうなるんか、具体的にはよく分かってなかったってことが、この本を読んだらよく分かった。

    被害者は常に浮かばれない世の中なのだなぁ。

  • 触法少年・虞犯少年の定義をはじめて知るなど。少年法の条文をiPhoneで開いて横に置いて確認しつつ読んだ。ふりがな付きで易しい内容のように見えるが、問うている事は重い。例え12才未満でも、罪を犯せばそれなりの対応をされるのだということが確認できた。少年院の職員など、非行少年の保護に関わる人々の思考から、犯罪被害者の視点というものがすっぽり抜け落ちていた、という話は興味深い。

  • 少年犯罪にかかわる問題についてこの機会に読んでみました。光市の事件とか、心が痛くなるよなことはできれば早く忘れたいと思ってた(でもあまりに残酷すぎて忘れなれないんだけど)。私もいつ被害者になるか加害者になるか、その家族になるかわからない。自分が親になったことで、目をそむけずにちゃんと知って心を痛めて考え続けたいという決意のもと。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。「沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち」「沖縄ひとモノガタリ」「誰も書かなかった玉城デニーの青春」など多数。

「2023年 『居場所をください 沖縄・kukuluの学校に行けない子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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