- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652078341
作品紹介・あらすじ
国家も人も、おんなじだ。まちがえたらちゃんとあやまる。深く、複雑な「愛国心」をまるごとそのからだで体験してきた新右翼の雄がみずからの「失敗」を足がかりに示す、「力」よりも「言葉」へ、「正義」よりも他者を受け入れる真摯な「謙虚さ」への、切実な問いとねがいに満ちた軌跡。この社会に生きるすべてのこどもと大人へおくるあるべき「日本のすがた」を考えるための必読書。
感想・レビュー・書評
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筆者はどっぷり右翼活動をされていた方。
けれどこの本では
右も左も関係なくて
自分の思想を持って行動している人を尊重したいと書いていて
器の広い人だなぁと思いました。
自らの半生を失敗と言いきる潔よさもすごい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
傑作
右とか左とか関係ない。その人の主張を見定めること
「愛国心」という生きがいの問題…鈴木氏が山口二矢に憧れたこと。三島由紀夫の自決に自身の存在意義を問われ右翼活動を熱心に行うようになったこと
「愛国心」を押し付けること…愛ゆえの強制や、愛ゆえに暴力で解決することは本当の説得にならないこと
鈴木氏は高三の頃、聖書の授業中に内職をしていたために赤尾の豆単を燃やされ、教師を殴り退学になった。通学して詫びを乞うたことをカノッサの屈辱にたとえるのはセンスありすぎ。爆笑した -
たしか、”12歳のための~”から。分かりやすかったし、面白かった。右とか左って、文字面の意味だけだったら、何となく理解した気になるんだけど、実際のところ、何かしっくりしない気持ちがあった。というか、そんな気持ちがあったことも、これを読んで改めて分かったんだけど。急進派と保守派っていう観点からすると、いまひとつどちらとも言えない気がしていて、でもそれは、実際にはっきりと分けられるものではないってことが理解できた。お互いに紙一重な立場で、白黒はっきり分かれるものでもないんですね。7:3で右とか、そんな感じなんです。どんな分野でもそうだけど、極端はあまり好ましくないってこと。これ、中高時代くらいに読んでれば、色々と見えてくるものも違った気がするな。という訳で、真の意味でYA向けの良作だと思います。
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成人のくせして知識や読解力の乏しい私の味方、「よりみちパン!セ」シリーズの一冊です。
日頃からよく聞く「右翼」「左翼」の意味もろくに知らなかった私ですが、やわらかに解説と歴史を織り交ぜた文は、すいすいと頭の中に入ってきました。
「右翼だから」「左翼だから」という考えに縛られず、しっかりと自分の考えを持つ鈴木氏の姿勢は見習いたいものです。 -
「はじめまして、鈴木邦夫です。
40年間『右翼』をやってきました。
『黒い車で怒鳴っている人か』と思う人もいるだろう。まぁそれです。」
で始まる、鈴木氏自身の人生と「右翼」について子どもにもわかりやすく語られます。
面白かったです。
キリスト教の学校で「愛」を押し付けられて、教師を殴って退学
成長の家を通して右翼活動に没頭
産経新聞社からクビになる
・・・鈴木氏は、さまざまな人生の体験を通して、「いろんな視点」を受け入れている。
右翼にも左翼にも、どの宗教にもいい奴もいれば悪い奴もいる。
世の中にはいろんな視点がある。
「正義」って何だろう、と考えさせられる一冊。
大切なのは、思想じゃない!人間だ!
いろんな立場はあれど、強制されるのはごめんだ!
人間失敗してナンボ。
ちなみに、本書に名前が出てきた宗教・・・生長の家、キリスト教、実践倫理佼成会、統一教会、幸福の科学、
景山民雄さんから「前世は北条時宗だから、今世もこの国を救う使命があるのです」とか言われたそうで。 -
新右翼として知られる鈴木邦男氏の自叙伝。真摯な生き方に感動した。
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右翼と聞くとどうしても街宣車で街中を走るイメージが強いけれど、著者の鈴木さんはとても理性的な人。鈴木さんが自分の好きな雨宮処凛さんの本で紹介されていたことと、YA向けにわかりやすい文体で書かれていることもあって、今回この本を手に取りました。
読んだ感想は、昔の日本ではそんなことがあったんだあという漠然としたものから、普通の人が右翼に入るきっかけについてなど、様々な発見があったといえそうでした。ただ何より、文章中のエピソードの中に鈴木さんの人間観や、温かい人間性が垣間見えて、気軽に読みやすかったです。 -
読了:2010/08/08 図書館
鈴木さんの自叙伝?人柄が伝わってきます。