封印の娘 (大江戸妖怪かわら版 3)

著者 :
  • 理論社
3.87
  • (33)
  • (40)
  • (47)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 271
感想 : 29
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652079072

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 雀とお馴染みの面々にまた会えるのが嬉しく、さらに新しいキャラクター雪消の登場には恋の雰囲気?と思ったらまさかの展開(笑)冒頭の大晦日、お正月のおめでたい雰囲気が楽しかった。この、カラフルで美しくちょっぴり恐ろしいことが起きる世界にもうちょっと浸っていたいと思う作品。

  • 脚本を書いている白鬼の雪消(ゆきげ)は、川小僧を食べてから座敷牢に封印されている。
    鬼火の旦那が雪消に怪我をさせ雀は号泣する。
    雀は旦那のそばで生まれ直しをしている。

  • 978-4-652-07907-2 c0093¥100E.

    大江戸かわら版 ③

    封印の娘
    作者:香月日輪
    装画:●橋賢亀(はし かつかめ)

    発行:株式会社理論社

  • 大江戸かわら版シリーズはこれが初めて。
    でも、世界観はちゃんと初心者にわかるように描かれているので大丈夫。

    人間以外の妖怪・魑魅魍魎が生活する大江戸の町に偶然「落ちてきた」人間の少年、雀が主人公。彼の仕事は大江戸の街の事件や出来事を見聞きして、かわら版を発行すること。

    今回彼が出会ったのは歌舞伎の脚本家をしている「封印の娘」、雪消。彼女は生まれ持った特殊な性質ゆえに封印の間から出られず、そのかわりに想像力を駆使して物語を紡ぎだす日々。ところが、あるとき雪消に縁談話がやってきて、しかも相手が旧家の放蕩息子。彼女を無理やりに封印の間から引きずり出し、そして惨事がおきた。

    という話。これだけ書くとどれだけ悲劇的な話かと思うが、ページの大半は年末年始を迎えて楽しく賑わう大江戸の町の描写で占められて、まったりほんわか楽しい感じ。雪消のエピソードは大江戸の楽しい日々を浮き立たせるための影の部分、て感じかなぁ。

    どんな物事にせよ、光ばかりで影がなくては深みがない。光も影も互いに依存しているので、雪消のような存在もまた、大江戸の町に必要な闇の一部なのだろう。
    だから凄惨なシーンも比較的淡々と、しかも美しく描かれている。いいんだけどちょっとカタルシスに欠けるので星3つ。

  • ■ 1355.
    <読破期間>
    2013/5/25

  • 雪消がかわいいなぁ。

  • なんと続編が出てた!この人の本て最初の本がいつも一番面白いから、ちょっと不安。
    ・・・だったんだけど、面白かった。
    前作よりも事件が大きくなって、殺生沙汰になるあたりも。
     大江戸の大晦日にお正月。
    「四季とともに巡る行事を身体に積み重ねるように過ごすと、時間がただ無駄に過ぎてゆかないような気がした。」
    時代小説を読むと四季がとても身にしみる。今回も。
     前作で知り合った日吉座の新春興行に招待され、雀は菊五郎の娘で日吉座の脚本担当の、雪消と知り合う。
    雪消は純血のその血ゆえに封印の中でしか暮らせない娘だった。
    お互い物書きということですっかり仲良くなった二人。ところが旗本保坂家の三男坊が雪消を嫁に!と言い出して。。。

     主人公を事件にどうやって自然にからめるか、というのに気を使うといっていたのは「剣客商売」での池波正太郎だったかなあ。アパートも魔法の塔もここのところが違和感があってダメだったのかも。
    このシリーズはすでに異世界なだけに、すんなりと事件に引き込まれる。でも、事件自体は人間世界とあまり変わらない。
    解決も、腕っ節の強いヒーローの登場と家の名前を守る保坂家のプライドとで丸くおさまった。
    雀が子供っぽくて、純粋なのも魅力。

    「コリャ、景物景物」
    「こンだけまぶしけりゃ、野郎でもありがたいってもンだ」
    美しさが男女に関係なく「美しい」派動を発しているかどうかっていうのは、この世でもあるよなあ。

  • 2012/07/06

    Osaka Prefectual Central Library

  • 「雀、封印の娘に会う」というところをプリントで読み始めたので、
    はじめは、何が何だかわかりませんでした。

    読み解くうちに、人間界から「雀」は、
    妖怪の世界にワープしてしまったのですね。
    そしていろんな妖怪たちに会うことになります。

    舞台は妖怪の世界の大江戸。

    この章の時は正月。
    大江戸三大座の新春興業の芝居見物にでかけることになります。

    ここに登場する妖怪は、13人ぐらいかな?

    雪消(ゆきげ)が、初芝居「白露姫縁結びの鞘(さや)」の脚本を書いたのだというが、
    その雪消は、ひとくい?のため、封印され、ている。

    ・・・といったようなさわり。

    暑い夏には奇妙で、いいかも。

    ただ、この世界になじんでくると、変わった世界なりに、
    笑えることもあり、それなりに楽しい。
    本で読んでみたいと思っています。

  • 雀の春はいつやってくるのかな~?
    雪消は先祖返りで封印の牢屋から出られないなんて…
    でも、出たら、人を食ってしまうし…
    う~ん…その答えをだすのは難しいだろうな…

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

和歌山県生まれ。本シリーズの第1作目で産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。「ファンム・アレース」シリーズ(講談社)「大江戸妖怪かわら版」シリーズ(理論社)など、YA(ヤングアダルト)小説の作家。

「2023年 『妖怪アパートの幽雅な日常(26)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

香月日輪の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×