- Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652079331
感想・レビュー・書評
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「ラン」最初に読み始めたときは「ラン」とはどういう事だろう?と思っていました。亡くなった家族に会うためには自分の力で40kmを走らなくてはいけない。運動が全然できない主人公が40kmという長い距離にチャレンジする物語。最初は結構家族を中心に描いていましたが途中からは走ることや仲間のことなどを中心に描かれていました。
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久々の、森絵都。あたたかかった。家族、死、変化。ところどころ重たくても、爽やか。天晴れ。
ラスト前がいちばん泣けた。
続きがあればなあ、と思ったけれど、その続きを想像して楽しめるのが、これまた良いのかもしれないなあ。
2013.05.31 -
読みはじめたらとまらなくなるから、ゆっくりゆっくり、ページをめくった。
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思った以上にファンタジー。でも、走ることを通して少しずつ変わっていく登場人物たち。それぞれ何かを抱えているけど、走ることで立ち向かっていく力になる。100mでも前に進めたら、その分だけは自分が変わったことになる。力強い小説。きっとかっこ悪くボロボロになりながら進む。でも、進める。
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一気読み。
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森絵都さんの話って、この世とあの世が近いのでしょうか・・・。
あの世へは、三途の川は渡らないんですね(笑)普通の生者には見ることができない道でつながっている・・・。
それが40キロという距離なのがいい。
遠すぎず、でも簡単には超えられないところが。
いやあ・・・人生・・・・です。 -
自転車を走らせて
死んだ家族の下へ行ける
というのがおもしろい
マラソンを始めて
最初はだめだめでも
少しずつ
変わりはじめる主人公を
気が付いたときには
応援してた -
軽妙な会話とドタバタと大騒ぎな面白さに何度もにんまりし、
数々のふれあいにしんみりした気持ちも感じながら、
アッというまに読み終えてしまった。
そして読み終えてからのこの温かみはなんだろう。
森絵都さんの小説を読んでいつも感じるのは、
自分自身の身のまわりの人、モノ、それらと自分との関わりなどなど、
すっかり当たり前で見慣れてしまったものや、
もはやありがたみも感じられなくてむしろ煩わしくさえ感じているものも、
本当は宝のようにかけがえのないものなんだ…と、
自分をそっと元の場所に戻してくれるような感覚なのです。
人は年をとり、やがて誰もが人生の終わりに向かっていく。
どんなに抵抗してもいや応なく時はながれてく。
それとともに、どんなに素敵なものや人との関係も、
やがてはいずれ終わってしまうということを誰もが知っています。
その先に何があるのか…?
知ってる人もいるのかもしれませんが大抵の人は知りませんし、
あの世がもしあって、それとの関わりなど、
それが森絵都さんが描いたようなものであってもなくても…
ようするに本当はどんななのかはこの際どうでも良いのです。
越えたくて、会いたくて、私は走り始めた…
環と一緒に、環の視野で人や風景を見つめ、
そしてやがて彼女の走りの先にもう一度見えてくるもの。
いやなもの、きらいなもの、すきなもの…
すべては紛れもなく今という時間とその中を共に生きているものたち。
読み終えるとともに視界がスゥーーーっと開けてきて、
身近な人たちへの温かさと愛情が静かに湧き上がってきました。
そしてなぜか自分も走ってみたくなります。
走ってみなければきっと見えないはず風景もきっとあって、
それを自分も見てみたくなる。
「ラン」というタイトルから、てっきり「DIVE!」と同じような
スポーツサクセス的な作品かと思って手にとりましたが、
帯にあったとおりやはりあの「カラフル」を彷彿させるよう作品です。
自分自身の「本来」って何?
そんなことをもう一度見つめてみたい…
そういう人には是非読んでもらいたい一冊です。 -
早くに家族を亡くし、2年前に、両親の代わりに育ててくれたおばさんまで亡くなり、1人になってしまった環。
仲良くなった自転車屋さんからもらった自転車で走っていたら、亡くなった人が行く場所にたどり着き、家族に会います。
しかし、自転車を手放さなくてはならない事情ができ、自転車なしで家族に会いに行くために、40キロ走り抜くことを目標にマラソンを始めます。
最初は、家族を亡くしたせいか、人と関わらない生活へ逃げようとする環にイライラしました。
でも、一緒にマラソンする仲間に会い、環も変わっていきます。
そして、マラソン仲間も一人一人が色々と抱えているのですが、それを乗り越えていきます。
もう、イッキ読みでした。
きっと、このマラソンは1回では終わらないんだろうなぁ。と、嬉しく思いました。 -
想像していた内容と違ったけど、想像してたより意外で面白かった。
とても気持ちの良い本でした。