モンタギューおじさんの怖い話

  • 理論社 (2008年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (349ページ) / ISBN・EAN: 9784652079416

感想・レビュー・書評

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  • 恩田陸さんが「子供の頃に読んでいたら絶対トラウマになっていた怖さ」とおすすめしていた作品。
    不気味で重厚、陰鬱なゴシック調、でも怖いもの見たさで目が離せない雰囲気は、ディズニーランドのホーンテッドマンションのよう。挿絵も含めて大好物。
    特に好きなのは『精霊』『毛布箱』『道』。ラストで近づいてくるマシュー、怖かった。

  • 出来れば見たくもないし、触れたくも無い。
    関わりなんて持ちたくないし、
    考えたくも無い。

    醜くて恐ろしい。
    暗くて邪で、救いようが無い。

    大丈夫。

    その扉は内側からは絶対に開きはしない。

    全ての恐怖は
    外側からそのノブに手をかけようとする意思を持つ者にのみ、
    降りかかるものだから。

    ノボルナ…
    アケルナ…
    フレルナ…
    ノゾクナ…

    警告は確かに出ていた。
    だが、
    登ったらどうなるの?
    開けたらどうなるの?

    好奇心が恐怖心を易易と乗り越えてしまう所が人の愚かさなのだろうか?

  • 怖い話と一言で言うと、いろいろな怖い話を思い浮かべますが、私は西洋の怖い話、悪魔とか出てきちゃう雰囲気のものも結構好きです。

    主人公はモンタギューおじさんのおうちで、おじさんからたくさんの怖い話を聞きます。

    モンタギューおじさんの家自体が、暗く寒い怖い家になっていて、自分だったらトイレを借りるのも怖くて無理だと思ってしまいますが、主人公のように、暖炉の近くに座って紅茶を飲みながらゆっくり話を聞く雰囲気はちょっと好きです。

    日本にはない独特の話は、ハロウィンなんかの季節に読むと雰囲気もますますそれらしくなってきて楽しいと思います。

  • モンタギューおじさんの家を訪ねたエドガー。おじさんの家には奇妙な数々のものがあり、おじさんはそのものにまつわる怖い話をしてくれる。少年少女たちが味わった恐怖の物語の数々を。だけどそれはすべて、ただの作り話に過ぎないのか……?
    一応児童書のカテゴリではあるのですが。大人が読んでも充分に怖い物語の数々には油断ができません。個々の物語も怖いけれど、物語が進むにしたがって深まっていくエドガーの不安感にも共感してびくびくさせられました。
    お気に入りは「元ドア」と「額ぶち」。どちらもわりかし単純でありがちなホラー、と思いきや、ひねりのある真相にぞくっとさせられました。特に「元ドア」でのモードの叫びの正体が分かったときといったら……!

  • 親戚のモンタギューおじさんは不気味なたたずまいの洋館に、召使と一緒に住んでいた。彼はその洋館に負けず劣らずの不気味な品々と、怖い話をたくさん知っていおり、その話を聞くのがエドガーは好きだった。今日もエドガーは話を聞くために森を抜け彼の屋敷を訪ね、いつもどおりに話を聞いていた。そう、その日もいつもどおりの筈だった……。ある一つの話を聞くまでは。 他愛の無い会話から始まった一つの怖い話。その話を皮切りに、書斎に飾られた品々にまつわる恐ろしい話を始めた。 作中に出てくる人物も、品々もどれも全部怖い。

  • ---

    H23*10*22*Sun 読者

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    図書館でふと目に止まり借りました。

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    ある1日のお話。
    少年 エドガー は森の奥にある モンタギューおじさんのところに行きます。
    そこで曰く付きの物の物語を聞く………

    ---


    読んで本当によかった!
    内容が面白い!!
    もちろんタイトルに怖い話と書いてあるだけあって、
    怖い部分もありました。
    読んでて次が、次が、知りたくなるようなスリル感もあって楽しく読ませていただきました。

    お気に入りは毛布箱と道。
    とても怖かった。



    以上、
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  • 森の向こうの屋敷に住むモンタギューおじさんの元へと出掛けるエドガー少年は、そこで数々な品物に関わる少し不思議で怖い話をおじさんから語り聞かされる。どの品にも語るべき物語があり、そしておじさん自身にも…
    子どもが犠牲となる救いようのない話がほとんどなのですが、語り口の良さから下品な感じはしないんですね。そこがこの語りの文学(怪談)の面白さなのでしょう。物語の合間におじさんとエドガーの会話が挟まれるのですが、それが怖い話を聞きたいという気持ちを高めてくれていいです。また奇妙な味わいの挿絵にも惹かれます。英国怪談の入門編としてもいいかも。

  • モンタギューおじさんの怖い話

    ゴシックホラーの定石を踏んだ”安心して読める?”怖い話です。暗い森を抜けたところにあるモンタギューおじさんの家。古くて不気味な品々に囲まれたおじさんの書斎でおじさんから語られる数々の怖くて不思議な話。そして、最後にモンタギューおじさんの過去とその品々との関係が明かされます。一つ一つの話が終わる度に、おじさんの家では奇妙な影がよぎったり、奇妙な音がします。主人公の少年が、そういった不思議なことをなんとか常識的なこととしてごまかそうとするところが、子供の感じる怖さと”決して怖がっているわけではない”というプライドのバランスを再現しているのがとてもリアルです。実際のお子さんが小さいかたは、是非読んであげて下さい。
    あと、「Nightmare Before Christmas」を彷彿とさせる挿絵がとてもシックで好きです。

    竹蔵

  • 男の子エドガーが親戚のモンタギューおじさんの屋敷に行って、部屋の中にあるものにまつわる怖い話を1つ1つ聞くことになる。
    最初はおじさんの創作だと思っていたけれど、だんだんと真実味が増してくる。

    おじさんの前置きから怖い話になったり、怖い話をしてからおじさんたちのやり取りになったり。
    1つ怖い話をするたびに現実(エドガーの現実)に引き戻される。
    日本語訳がよくて、違和感がないせいか、現実に引き戻されたときの怖い話の世界に没頭していた感覚との乖離がすごい。
    本当に怖い話を聞いているかのようだった。

    各話の主人公たち(被害者)たちが最後どうなったかよく分からないものも多くて(不幸な結末を迎えるんだろうけれど)、曖昧さがよかった。

    最後、モンタギューおじさんとエドガーがどうなるか…。
    子供(読者)のためにはいい結末だったと思う。

  • 森の外れに住むモンタギューおじさんの屋敷に、怖い話を聞きに訪れるエドガー少年。はじめは作り話だと思って楽しむエドガーだけど、だんだん雲行きが怪しくなってきて…。
    児童書だけど思ったより怖かった。救いもない。ラストの「おじさんの物語」でこれまでの屋敷での奇妙なできごと、森でのできごとなども綺麗に回収。そういうことだったのかーと思いつつ、やっぱり怖いと思うのだった。

  • 再読。ほとんど内容を忘れていたので、初めて読んだ感覚でした^^;
    『船乗りサッカレーの怖い話』にもラストで少し登場するモンタギューおじさん。
    霊感はありそうですが、健全な人だとばかり思ったら…。
    『船乗り…』ほどではありませんでしたが、驚きの悲しい結末でした。
    エドガーはもう再び屋敷を訪れることはないのでしょうか。
    モンタギューおじさんと執事のフランツ、子ども達は今も屋敷にいるのかもしれません。
    著書さんが男性だということに今気づきました。なぜか女性だと思い込んでいましたσ(^-^;)
    『トンネルに消えた女の怖い話』も再読しようとして思います。

  • 星新一さんや世にも奇妙な物語のような雰囲気?

    ぼくエドガーは、学校のないときは決まってモンタギューおじさんのところへ行っていろんなお話を聞かせてもらうんだ。

    ◆ノボルノ、ヤメロ---あるニレの木のお話
    ◆元ドア---開かずのドアのお話
    ◆ベンチ飾り---醜い木彫りの悪魔のお話
    ◆ささげもの---退屈な村で出会った友達のお話
    ◆剪定---魔女と呼ばれるおばあさんのリンゴの木のお話
    ◆額ぶち---願い事を聞いてくれる額縁の中の女の子のお話
    ◆精霊---砂漠の村で起こった怪事件のお話
    ◆毛布箱---女の子といっしょにかくれんぼをするお話
    ◆道---少年が家出途中の道で出会った男のお話

  • 教会風の家に一人で暮らすモンタギューおじさんは、今日もエドガーに語って聞かせる。
    ニレの木と男の子の話、
    交霊会を開いた詐欺師の話、
    悪魔のベンチ飾りや、金の額縁、結婚式の写真にまつわる話……。
    その間、家には廊下を走る足音や、ドアの取っ手を回す音が響く。
    エドガーは思う。おじさんのほかにも誰か、ここに住む者がいるんだろうか?


    お話の中の人物がお話を語る、枠物語の形式をとっている。
    森を抜けた先にある不気味な屋敷で、暖炉の火にあたりつつ物語に耳を傾ける…このシチュエーションだけでワクワクする!

    モンタギューおじさんの話は、どれもがゾッとするような怖い話。
    死者や悪魔との出会い、または自らの愚行によって、ねじ曲がった運命をたどる子どもたちの物語である。

    児童書版「世にも奇妙な物語」だと思った。
    たまに感動系の話を入れてくれるタモリさんとは違い、モンタギューおじさんの話はほぼ全部バッドエンド
    なので注意が必要。
    救いのない話が続いて、どんどん気分が沈んでいった。

    ……でも、面白い。怖いなあ、嫌だなあ、と思いつつページをめくってしまう。
    話のひとつひとつは短くて、最後に「なるほど、こういうことだったのか!」と思わせるギミックが施されて
    いるので食傷しない。

    お話の合間にエドガーとモンタギューおじさんのストーリーも展開し、二重に楽しい。
    デイヴィッド・ロバーツの挿絵がいい味出している。

  • 一連の物語が“続く”という形をとっているが、個々に独立した短編の集まりである。どれも怖い話だ。怪談のように人を怯えさせる恐ろしい話ではなく、ちょっと怖い話である。私が大人だから「ちょっと」と思えるのかもしれない。こどものココロがなくなってしまったのかな?
    教訓という内容とも取れず、童話というには粗末であり、共感を呼ぶ内容でもない。しかし、次の話が読みたくなる。本書の構成のうまさと、独特の挿絵のせいかもしれない。最後の、おじさんの話が、全編を通して不釣合いだ。最後はやはり、つづく…としてほしかった。

  • 表題の通り、怖い話の連作集。

    主人公の少年(何だっけ、名前忘れちゃった)がモンタギューおじさんの家にある色んな雑貨に纏わる不思議でゾッとする話を聴く話。

    怖い話と言っても死霊のはらわた的な、ぎゃ〜ッて感じではなくて、しっとりしているというか。そう、怖いというより不思議。すごく雰囲気が良い。こういうの大好き。

    一本ごとの話は短いんだけど、次の話はどんなのどんなの?と案外病み付きになって読めました。

    強いて言えばもっとアクが強くても良いけど、そこは児童書なので。
    勿論大人が読んでも面白いです。

    2巻、船乗りサッカレーの怖い話も大変素敵。

  • これを読んで大好きになり、姉妹編も読みました。

  • 2.7。雰囲気は良い。

  • 図書館。読書好きの方がお勧めしていた本。
    子どもの本にしてはかなり怖かった。結末も。ハロウィン時期に読むにふさわしい作品だったかもしれない。

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1383320

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