- Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652079751
作品紹介・あらすじ
フロリダ・パンサーを救え!アメリカ東海岸の大自然を舞台にぼくと風変わりな仲間たちとのとびっきりの冒険がはじまる。
感想・レビュー・書評
-
第七十九回はカール・ハイアセンの巻(執筆者・東野さやか) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート
https://honyakumystery.hatenadiary.org/entry/20161102/1478045277
SCAT | 株式会社 理論社 | おとながこどもにかえる本、こどもがおとなにそだつ本
https://www.rironsha.com/book/scat詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大好きなハイアセンの未読作品。『ホー』『フラッシュ』に続く若年層に向けて執筆されているシリーズ。ハイアセン節は炸裂しながら皮肉が抑えられていてお色気なし、という具合。そんな人居ないよ!というくらいデフォルメされているけど、人の本質は見かけだけでは分からないこととか、きちんと向き合って対等に接してくれる相手に出会えれば問題のある人物でも変わることが出来る事とか、世の中でまかり通っていることでも根拠や正義があるとは限らず理不尽なこともあるんだよということとか、そういう言葉で言われたら説教じみて響きにくいことがじんわりと伝わってくる良作です。このシリーズあと3作『CHOMP』『SKINK』『SQUIRM』と出ているけれど邦訳は本作まで。どうにか訳出してほしいものです。本作に出てくるトゥイリー・スプリーは『トード島の騒動』に出て来ていたというあとがきを読み、作中で「俺もだいぶ穏やかになったもんだ」みたいに独り言ちる場面があったのを思い出し、ニヤニヤしてしまった。
-
やや分厚いけれど、展開が速くて痛快。
カール・ハイアセンのYA作品3作目で、ある学園周辺の個性豊かな(思いっきりヘンな)大人たちが、主人公の中学生を巻き込んで、絶滅危惧種のパンサーをめぐり環境破戒か保護かの攻防戦をくり広げるというわかりやすい話。
ユーモアがあって、登場人物のキャラの描き分けがはっきりして読みやすいが、環境などの社会問題や親子のことなども、さらりと織り交ぜながら重たくなく読めるところは、さすが!
でもなんといっても冒頭、教室を凍らせる授業で定評のある、あごに楔形の傷を持つ生物の女教師スターチ先生のインパクトある登場で一気に読み進んでしまったのかも。 -
『HOOT』『フラッシュ!』を読んでいるので、まあ、新鮮味はなかったけど、こういうメッセージを若者に向けて発信し続ける人には好感持てます。
-
あまりに厳しくて生徒から人気のない生物の女教師、スターチ先生。生物の野外授業で湿地帯に行ったとき、山火事が起きるが生徒の一人が落とした喘息の薬を探すために一人残る。生徒たちは他の先生とともに無事学校へ戻り、火事も大した被害もなく静まったが、先生はその日以後姿を見せなくなった。家にも戻った様子がなく、学校には書面でしばらく休むと伝えられる。電話は留守番電話で、携帯も出ない。先生は生きているのか?
先生の行方を探すニックとマータの周りにあやしい人が次々と現れる。ちょっと問題児のスモークの行方も含め、なぞは深まる。
設定として、スターチ先生が姿を隠した経緯にちょっと無理があるかなあ。話の流れは面白いし、ニックの父親がイラク戦で負傷して帰ってくるなど、いろいろ問題意識を込めているのはわかるのだが。 -
続けて3作読んだけど、紡ぐ手段は違えど普遍的。
-
一見ものすごく嫌な教師が出てくる。手のつけられないほど乱暴で家庭に問題を抱えた小学生や普通の小学生。
彼らが思いがけず協力して、腐った大人社会から大切な自然を守る。 -
カール・ハイアセンのY A作品第三弾。
SCATとは、「あっちへいけ、うせろ」という意味と、「動物の糞」転じて「くそったれ」という意味だそう。
読み終えると、このタイトルになったのがよくわかる。
毎日、多くの動物たちが絶滅危惧種に指定され、また滅んでいっている現実、戦争、親子の関係などなど扱っているのは重いテーマだけど、アメリカンなユーモアも交えてサラリと読める。
子供達の純粋な正義への思いがすごくよかった。
スターチ先生がすごくかっこよくてチャーミング。
「希望の泉はつきることがありません」 -
表紙が気に入って。
タイトルが何だか分からないまま読み進めていて
どういう方向に持って行く話か予想がつかず。
途中で意味が出てきて(まあ調べれば良いんだけど)
進んできた内容と一致してそういう話か、と。
すごく読み進めやすい。
し、読後感も良い。
他の作品も読んでみたい。 -
久しぶりに読んだ,カール・ハイセンの作品。さすが,カール・ハイセン!子どもたちが大人をやっつけて大活躍。