僕は、そして僕たちはどう生きるか

著者 :
  • 理論社
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本棚登録 : 1469
レビュー : 274
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652079799

感想・レビュー・書評

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  • 救われた

    毎日這うように、生きていて、
    どう生きたらいいんだろう、どうして僕が生きているだろう
    なんて
    どこにも行き着かない、気持ちばかりぐるぐる、抱えて。

    今も、それは変わらないけれど

    どっか、救われた。
    生きなくちゃ。
    これから何度も、この本に向き合うだろう。
    できるなら今よりほんの少し、ましな自分になれるよう
    生きていたい

  • 十四歳のコペルは叔父のノボちゃんとよヨモギ探すために学校に来なくなった友人の古い屋敷をたずねる、そこで起こった一日の出来事の物語。
    ユージンの家の屋根裏で古い本をいっぱい読んだこと、ユージンのいとこのショウコとヨモギ団子を作ったこと、インジャの身の上に起こったこと、兵役を拒否して洞穴に隠れてた男のこと。そして友達だったユージンが学校にこなくなった本当の理由とは?
    人は群れから離れて生きていけるのか?コペルはいろんなことを考える。
    ゆるやかな群れの必要性を感じながら考え続けて生きていく。
    「やあ。よかったら、ここにおいでよ」
    青少年向きと言ってもいいような内容ながらすごく哲学的でいろんな問題を提起させていく。まったく関連性はないんだけど川上美映子さんの「ヘヴン」を読んだときのような衝撃感があった。
    読み終わったあと、いろんなことを考えさせられ深いものが心の奥にずっしりと残る、そんな作品でした。

  • 難しいテーマを扱っているのですが、分かりやすく美しい文章で描かれています。中学生の男の子の一人称で話は進みます。これが非常にテンポがよくて心地良い。たった一日の出来事で成長する心。コッコちゃんのあたりは本当に切なかった…。梨木さんらしい物語。

  • 思索
    文学

  • 苦くて消化しきれない草を飲み込まされたような感じ。
    だけど、それを抱えたまま熱をもって群れて生きていかねばならないと思わされた

  • 言いたいことは沢山あるけど、まず最初に感嘆したのは人物描写の豊かさ。ちょっとした会話の間や視線の動かし方、とりとめもな(いように描かれてるけどきちんと読者に効果的に伝わるようおそらく計算されている)く展開し連鎖する人間的思考、それら全てが事細かく表現されているけれど全くくどく感じない、絶妙なバランスによって登場人物たち(会話や回想にしか登場しない母親たちでさえ)に"生身"を与えている。
    だからこそこの本の主題が"生きる"。なんでもない「普通の」男子中学生の一日(この分厚さで一日!)を何気なく描いているだけなのに、彼に(そして彼らに)舞い込んでくる"精神的主題"の多いこと多いこと!でもそれら"主題"を問題別として扱うわけでもなく、だからといって一緒くたにするわけでもなく、うまい具合に帰結させて「どう生きるか」に繋げる鮮やかな手腕は天晴!の一言。
    考えてみれば我々が生きる今だってきっと同じように怒涛の毎日のはずで、それでも昨日と今日と明日で特になにも感じないのは、コペル風に言うと「自分の意識すら誤魔化すほどずる賢いから」に相違ないだろう。そういうスキルはもちろん悪ではないし、集団の中では円滑油になる、むしろ人を生きやすくするものだ。けれど確かに、他人を(もしかすると自分も)容易く踏みつけ傷つけるものでもあるだろう。だからコペルが最終的に結論を出したように、我々は常に「どう生きるか」考え続けて生きていかなければならないんだ、と強く思った。
    参考文献の多さからも感じたけど、本当に考えて、考え抜かれて産まれた本だと思う。一応子供向け(なのかな?)みたいだけど、大人にも是非読んでほしい一冊だった。梨木香歩さんほんと好きだわ、、、

  • 中学生の時に読んで難しくてよくわからなかったけど、今読んでもちょっと難しかった
    これも半年後に読みたいなと
    考えさせられるし、結構すきな本

  • 最近マンガ化されたりしてリバイバルブームになってた吉野源三郎『君たちはどう生きるか』…は未読なのだけれど、そういえば梨木香歩が現代版みたいなのを書いていたっけとふと思い出して今更読んでみました。

    主人公は元ネタと同じくコペルくん(※ニックネーム)14才。土の中にいる虫を調べたりするのが好き。愛犬はブラキ氏。染色家の叔父さんノボちゃんと一緒に、長らく不登校の幼馴染で親友のユージン(本名は優人)の家に、ヨモギ摘みに訪れ・・・。

    長い長い1日の話だった。ユージンの一つ年上の従姉ショウコの訪問、彼女がこっそり匿っていた「インジャ(隠者)」、そして偶々彼女が連れてきたオーストラリア人マーク、彼らとの会話、交流を通して、コペルくんは「僕は、そして僕たちはどう生きるか」を考え、学んでゆく。

    コペルくんは大変素直で正直な少年だし、とても賢い(お勉強ができるという意味ではなく観察眼の鋭さ、自己分析がとても上手だ)。ユージンはとても繊細で優しく、その分傷つきやすい。ユージンの不登校の理由には、くそ偽善教師め、と、とても憤った。

    彼らは日常的な疑問や悩みはもちろんのこと、ボーイスカウトとヒトラーユーゲント、戦争と徴兵制、良心的兵役拒否、そして自然破壊、環境破壊などについて様々なことを考える。とてもストレートなメッセージが織り込まれているので、正直、道徳の教科書みたいな側面はありつつも、こういう本は是非とも私のようなおばちゃんよりも、コペルくんたちと同世代の悩める少年少女たちに読んで欲しいと思った。

    ただそのメッセージの中に、ひとつ強烈なエピソードが盛り込まれていて、それは「インジャ」という少女が大人たち(というか男たち)にどんな目に合されたかという話なのだけど、ここだけは、避けて通れない問題とはいえ作者の個人的な怒りが強すぎるのか(文章もそこだけゴシック体だったし)作品全体からは少し浮き上がってしまっている印象を受けた。もちろん女性として許せる問題ではないけれど、急に現実にモデルのある件についての生々しい怒りをぶつけられると少し戸惑ってしまう。

    あとは、ユージンたちの祖母、ショウコの母親、コペルくんのお母さんも含め、女性たちがなんというか揶揄的な意味ではなく「問題意識高い系」ばかりなのが、少し鼻についたかな。いや彼女らは間違っていないのだけれど、世の中の子供の大半は、このような正しく強い親に育てられるわけではないからなあ、と少し皮肉な気持ちに。

  • 「僕は、そして僕たちはどう生きるか」梨木香歩著、理論社、2011.04.
    280p ¥1,680 C0093 (2017.12.15読了)(2017.12.13拝借)

    【目次】
    1~13
    インジャの身の上に起こったこと
    14~26
    参考文献(抜粋)
    「君たちはどう生きるか」吉野源三郎著・脇田和絵、岩波文庫、1982.11.16
    『ミミズと土』チャールズ・ダーウィン著、平凡社

    ☆関連図書(既読)
    「西の魔女が死んだ」梨木香歩著、楡出版、1994.04.19
    「丹生都比売(におつひめ)」梨木香歩著、原生林、1995.11.20
    「エンジェル エンジェル エンジェル」梨木香歩著、原生林、1996.04.20
    「からくりからくさ」梨木香歩著、新潮社、1999.05.01
    「りかさん」梨木香歩著、新潮文庫、2003.07.01
    「家守綺譚」梨木香歩著、新潮社、2004.01.30
    「村田エフェンディ滞土録」梨木香歩著、角川書店、2004.04.30
    「沼地のある森を抜けて」梨木香歩著、新潮社、2005.08.30
    「f植物園の巣穴」梨木香歩著、朝日新聞出版、2009.05.30
    「ピスタチオ」梨木香歩著、筑摩書房、2010.10.10
    「ある小さなスズメの記録」クレア・キップス著・梨木香歩訳、文芸春秋、2010.11.10
    「春になったら莓を摘みに」梨木香歩著、新潮社、2002.02.25
    「ぐるりのこと」梨木香歩著、新潮社、2004.12.25
    「水辺にて」梨木香歩著、筑摩書房、2006.11.20
    「『秘密の花園』ノート」梨木香歩著、岩波ブックレット、2010.01.08
    「渡りの足跡」梨木香歩著、新潮社、2010.04.30
    「不思議な羅針盤」梨木香歩著、文化学園文化出版局、2010.12.26
    (「BOOK」データベースより)amazon
    やあ。よかったら、ここにおいでよ。気に入ったら、ここが君の席だよ。コペル君14歳、考える。春の朝、近所の公園で、叔父のノボちゃんにばったり会った。そこから思いもよらぬ一日がはじまり…。少年の日の感情と思考を描く青春小説。

  • 主人公は中学生だけれど複数の重いテーマが詰まっていて…野草の採取やそれを使った料理と言ったほのぼのな話の中にハードなテーマが突然圧し掛かる勢いに圧倒されながら読みました。
    集団心理、多勢に流される怖さ、命の重さ、戦争等々…自分がその立場ならどう行動してしまうのだろうか?と思いながら読みました。読み手によって色々な読み方ができる本ですが重かったです。

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著者プロフィール

梨木 香歩(なしき かほ)
1959年、鹿児島県生まれの小説家、児童文学作家、絵本作家。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。映画化もされたこの受賞作が最も著名な代表作となる。
ほかに新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞、『渡りの足跡』で読売文学賞随筆・紀行部門をそれぞれ受賞。
受賞作以外の代表作として、『家守綺譚』、『沼地のある森を抜けて』、『ぐるりのこと』などがある。

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