水銀奇譚 (ミステリーYA!)

著者 :
  • 理論社
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652086117

感想・レビュー・書評

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  • 高校生の主人公の耳に入ってくる、小学生時代の先生や友人の死。
    ごく普通のような、それでいて奇妙な死に付属されるのは『水』。
    偶然なのか、必然なのか。
    高校生の『今』と小学生の『過去』が交互後に重なって
    話がゆっくりと見えてきます。

    オカルト、と言ってしまえばそんな感じでしょうか?
    奇妙なのに、そのまま何の疑問も抱かずに
    読み進ませてくれます。
    事の発端はすごく分かりやすくて、なるほどw と思いますが
    それでこういう行動に出るのはちょっと…。
    なまじ実行できる力があるのが問題なのでしょうか?

    最後がちょっと纏めました感がありますが
    さらさらっと読めて面白かったです。
    ただ…あんな小学生嫌です(笑)

  • オカルトチックなお話でした
    自分も泳ぐことが好きなので
    水につつまれてる感はよくわかりました

  • ヤングアダルト小説、という分類に属していた本作品。
    牧野修さん、初めて読んだ。
    ライトノベル系作家さん、というイメージがあった。
    ホラーやSF系の作品が多いようだ。
    そして、この作品、『水銀奇譚』…怖かった。
    あらすじをざっとだけ見て選んだため、途中で落ち着いてもう1回あらすじを読むと、最後の2行に“青春ホラー・ミステリー”と銘打たれていて…読むの止めようかなと思った。

    オカルト、という単語がぱっと浮かんだ。

    秘密のクラブ活動、“真の科学クラブ”というものを小学校時代に結成。
    これだけ聞くと、おまじないや実験を見様見真似でやっている…ほほえましい感じすらするけれど、“真の”とつくだけあって、別物。
    中心人物、桐生薫、不思議な力を持つ彼の存在が強烈。
    怖い。

    主人公の香織自身、冷めていて、他の人間なんて、必要ないと思っている女の子。
    気づくと、敵と戦うために、救うために、一生懸命に動いている彼女。
    もともと、香織はひとりでいることを心から求めていたわけではないのかも。
    茜先生のところに通っていたのも、きっと。

    牧野さんが“好き勝手”に、“リアルとはほど遠い存在”を生み出したこの作品。
    途中までけっこうハラハラ読んでいた。
    キャラクタが皆、それぞれうまく描かれていて、設定が非現実的なのもスルーしていたのですが、戦いの終焉。
    ちょーっと…むむむ。
    少し、笑ってしまいました。
    えぇ~???っと。
    あぁ…そんな、重要な意味のあるエピソードだったんだ…と。
    あぁ…そ、そんなまとめ方で…。
    でも、香織が本当の意味でひとつの成長を遂げることができた、と感じられるラストは良かった。

    他の作品も気になる。
    でも、ホラーは避けよう…。

  • 小学生の頃選ばれたものだけが入部できる秘密クラブでの日々。錬金術やオカルトに長けた美少年。止まない雨と水の魔力。社会から少し外れた少年少女たちが巻き込まれる事件が静かなホラーの形をもって進みますが、全体を覆う雰囲気は青春ジュブナイルであるという構成が面白かったです。孤独を愛する少女が人と関わり変わっていく様も素敵でした。ラストの展開は呆気なくも思えましたが、これはこれでありなのかな。

  • こんな小学生がいてもいいの?
    いいんです。

    読み終わっても、心のどこかに題が残る。
    そんな本。

  • 秘密、友情、冒険、挫折、恋。ミドルティーンまでに必要なものが全部詰まった現代ファンタジー。小中学校の図書室に是非置いてほしい。「そうだね。本当の優しさってそんなものじゃないかもしれない。でもさあ、(後略)」は至言。後書きから伺える牧野修の自信も納得の、あの頃に戻りたくなる一冊です。

  • 文章の雰囲気がとても好き。読んでいるうちに沈んでいく感じ。
    最後の方の場面、木村が出てきたのはおお…!ってなったけど、薫と悠木はうん…?って感じだった。
    茜先生好きすぎて、茜先生が死んだときは動揺してしばらく読み進められなかった。

  • 理論社のこのシリーズはハズレがないと思っています。
    ちょっと分かいりくいけど。

  • これはどんなジャンルになるんだろうか?
    ホラーファンタジー?

    なんか予想してたお話の雰囲気じゃなくてビックリした。
    でも、割とスラスラ読めたなぁー。

  • <水は異形>系ジュヴナイルホラーものにまた素敵な作品が誕生しました。と言っても2007年刊行だからようやく見つけたと言うべきか。『光車よ、まわれ!』『アクアリウムの夜』に連なるこの系譜の作品がもっとじわじわ増殖してゆくことを願ってやみません。
    世界と和解できない系子どもたちの描かれ方も良かった。小学校の図書室に澁澤龍彦おいちゃうんだ、しかもそこが秘密クラブの入り口なんだ……!ぶっ飛んでる。素敵。
    あと、ロシア語の響きが平仮名表記されるとなんかクトゥルフっぽくなるね。
    手元においておきたいから文庫化してくれないかなー。

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著者プロフィール

'58年、大阪生まれ。高校時代に筒井康隆氏主宰の同人誌「ネオ・ヌル」で活躍後、'79年に「奇想天外新人賞」を別名義で受賞。'92年に『王の眠る丘』で「ハイ! ノヴェル大賞」を受賞。他に、『MOUSE』、『スイート・リトル・ベイビー』等々著作多数。また『バイオハザード』『貞子』ほかノベライズも多数手がける。

「2022年 『貞子DX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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