- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652086155
感想・レビュー・書評
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ラノベ感覚で読みはじめたら、なんか全然違って読みにくくて戸惑ってしまった。
耽美で古典的な文調と、戦中のモンペ姿で軍需工場に駆り出され空襲で家族を失う彼女たちの現実が相まって、なんともいえない雰囲気でした。
「倒立する塔の殺人」という回し書きの小説とそれに付随する手記で語られている部分と、日常を描いているところとだんだん混ざってきてすごい独特な空気感になってます。
女子高っていう閉塞的な乙女空間は、いつの時代も美しくも残酷で、刹那的で強かだなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
正確に書くと星3.7。
怖いわ!というのが読み終わって1番大きな感想だった。
theミステリーという感じで、戦時中の少女たちがある小説を書いていくのと同時に、現実でも事件が……。構成はあまりない感じで面白かった。
これはかなりの人が犯人を当てられないと思う。
YAなのであんまり怖くないかと思って寝る前に読んだのは失敗だった。
絶対YAじゃなくて普通の文芸にするべきだと思う。
内容でも結構怖いが、とどめに最後の絵画。
夜だったから余計に不気味だった。
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女子学院で起こるミステリーと人間模様の移り変わりが美しい。
女子校特有の雰囲気、憧れとドロドロな感情が不快になることなく描写されていて気持ちいいです。
ミステリーとしても秀逸。
過去と現在を行き来しながら真実に近づいていく過程もドキドキしながら読めました! -
戦時中のミッションスクール。図書館の本の中にまぎれて、ひっそり置かれた美しいノート。蔓薔薇模様の囲みの中には、タイトルだけが記されている。『倒立する塔の殺人』。少女たちの間では、小説の回し書きが流行していた。ノートに出会った者は続きを書き継ぐ。手から手へと、物語はめぐり、想いもめぐる。やがてひとりの少女の不思議な死をきっかけに、物語は驚くべき結末を迎える…。物語が物語を生み、秘められた思惑が絡み合う。万華鏡のように美しい幻想的な物語。
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戦時下の女学校を舞台にした幻想ミステリー。女学生が回し書きした小説「倒立する塔の殺人」。劇中劇の体裁をとっており、現実と虚構が交錯する。百合要素も多分にあり。作者紹介にあるとおり、甘美な毒を含む幻想的な物語世界を紡ぎだしている。
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じだらっくちょっと気の毒
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前から気になっていた皆川博子さん。
初めてなので読みやすそうなYA向けレーベルのものを選んでみました。
書かれていることはとても現実的なのに、どこか幻想的に感じるのは、作中作の舞台がミッションスクールだからか。作中に出てくる人物と作中作に出てくる人物が同一人物で、境界が曖昧だからかもしれない。
“倒立”のトリックはよくわからなかった…。出来たら図が欲しかったなぁ。
もし、初めからノートが杏子に渡っていたらどうなっていたんだろう? -
この作家さんの作品は初めて。
戦時中のミッションスクール。
仲良しグループで回しながら小説を書く。
少女たちのミステリー。 -
戦争末期、勤労動員で工場で働く女子高生たち。私立のミッションスクールに校舎が焼けてしまった都立の女学校が同居する。
ミッションスクールの図書館にあった書かれていない本。続きを書いてもらいたい?
ミッションスクールで過去にあったらしい殺人、真相は?
面白い発想、楽しく(?)読めます。