医学のたまご (ミステリーYA!)

著者 :
  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652086209

作品紹介・あらすじ

僕は曾根崎薫、14歳。歴史はオタクの域に達してるけど、英語は苦手。愛読書はコミック『ドンドコ』。ちょっと要領のいい、ごくフツーの中学生だ。そんな僕が、ひょんなことから「日本一の天才少年」となり、東城大学の医学部で医学の研究をすることに。でも、中学校にも通わなくっちゃいけないなんて、そりゃないよ…。医学生としての生活は、冷や汗と緊張の連続だ。なのに、しょっぱなからなにやらすごい発見をしてしまった(らしい)。教授は大興奮。研究室は大騒ぎ。しかし、それがすべての始まりだった…。ひょうひょうとした中学生医学生の奮闘ぶりを描く、コミカルで爽やかな医学ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公は14歳の中学生カオル。
    ひょんな事から天才少年として医学生となる。
    しかし大人社会の闇に巻き込まれ、窮地に立たされていく。
    子供らしい素直な考えや感情、疑問がストレートに描かれていて、共感できるし応援したくなる。
    手強い大人を相手に、勇気を持って立ち向かうのだが、それを助けてくれるパパの存在が本当にカッコイイ。
    パパからのいつものメールの冒頭は「ディア、カオル」だが、大切な一文の時の「ディア、マイ・カオル」に愛情を感じ、胸が熱くなる。

    「道はいつも、自分の目の前に広がっている」
    素敵な言葉ですね。

    そして研究室の桃倉さん、佐々木くん、好きなキャラです。


  • 中高生向へ向けた作品らしいけど、大人でも楽しめる。なんたって、大人の事情が盛りだくさんなんですから。医学部の研究室に入学することになった中学生の主人公。白い巨塔との対峙に、謎解き要素がプラス。ほんわかしたヨシタケシンスケの装画も見入ってしまいました。

  • 「本屋に行って探していなかったせいもあり、螺鈿迷宮」からちょっと読んでいなかったのですが、本屋で何冊か新しいものを見つけました。
    その中で早速「医学のたまご」を読みました。
    ゲーム論理学者の父を持つ中学生が主人公。
    大学の医学部で研究をする羽目になり、その中での物語り。
    海堂氏が中学生にも読めるようにと書かれた本なので非常に読みやすく楽しめます。
    医学部の医局内の人間関係や人生の教訓などが描かれています。
    子供たちにも読んでもらいたい本でした。

    0 v

  • 中高生向けのライトな読み物。主人公のまわりに流される様子や、これじゃいけないと葛藤する様子が中学生っぽくて好感が持てる。

  • 図書館で借りて読んだんですけど、あまりに衝撃的過ぎて、わざわざ買いました。
    こんなにも、本に心を惹かれたことは、ありませんでしたね。
    読んでない方は、すごくお勧めです。

  • 再読。前回読んだ時の感想が無いという事はこれに登録する以前に読んだ本だな(^^)中高生向けの本なのに難しい医療用語が使われているし、藤田教授には腹が立つ!という感想は変わらない(^^;)普通の中学生と毎日のほほ~んと生きている私とはレベルが同じかも?(^-^;)それなら私が医学部でいきなり難しい研究をしたらこんな感じなのか?(゜゜;)しかし私には助けて導いてくれる人が回りにいない(._.)

  • 14歳の中学生の男の子が主人公のせいか、ジュニア向けの本棚に分類されている。が、すっかり大人歴の長い自分でも読み応え十分、泣かされもした。さすが海堂尊ワールドである。
    パパが素敵。高校生の佐々木くんが魅力的。カオルくんも成長したあかつきにはカッコいい男になりそうな予感。
    この男の子は「ジーンワルツ」「マドンナヴェルデ」で生まれた双子のひとり。そして佐々木くんは「モルフェウスの領域」に登場。
    いろんなエピソードが絡み合い「旧知の人」がどんどん増えていく感じ。

  • 小学校に配架済みなのに未読だったので読む。
    あまり賢くないのに大学の研究室に通うことになった中学生の主人公。最初は実力に見合わないことしてるなぁと思っていたが、最後の収まりは大人の小説っぽいひっくり返しがあり、面白かった。
    登場人物が海堂尊の他の本とつながっているのですね。
    ヨシタケシンスケの挿絵が、この本の雰囲気と合っていてとても良かった。

  • 読者の年齢層が低く設定されているため、
    医学の研究の過程なんかもわかりやすい。
    そして久しぶりに読むことで触れた
    「桜宮サーガ」、意外に覚えていることも
    多く、「佐々木アツシ」の成長ぶりや
    「ハイパーマン・バッカス」が意外にキーに
    なっているところも面白かった。
    そしてなによりゲーム理論の権威者
    「曾根崎伸一郎」のやり取りはスカッとして、
    そして物事を全体的かつ起こりうる現象も
    踏まえ考えていることに驚いた。
    こういう人が天才と呼ばれるんだろうな・・・

    作品の内容自体も面白かったのですが、
    今回の作品の各章のタイトルになっている
    いろんな人の格言的なものも
    あぁ~そうだよなぁ~と妙に納得した。
    「扉を開けたときには、勝負がついている」や
    「エラーは気づいた瞬間に直すのが、最速で最良だ」とか、
    「閉じた世界は必ず腐っていく」、
    「道はいつも、自分の目の前に広がっている」なんかもよかった。

  • かわいかった!
    中高生向けの本だと分かって納得。
    丁寧に平易な言葉で、若者にも分かるような展開になっていた。

    分かりやすい善悪、でも善悪で分けられないのが世の中。でも、正しさが報われてほしい。

    メールでしか出てこないパパがかわいらしい。

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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