闇の喇叭 (ミステリーYA!)

著者 :
  • 理論社
3.17
  • (11)
  • (36)
  • (77)
  • (22)
  • (5)
本棚登録 : 382
感想 : 77
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652086353

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 4+

  • 火村シリーズで大好きな作家さんの、別のシリーズを初めて読んでみた。主人公は高校生で、高校生がもつ閉塞感と瑞々しさがびしびし伝わってきた。このシリーズもいいなあ。

  • これはこれで完結していますが、間違いなく続きは出ますね。かなり、切なくて痛い設定です。ラストも辛い。作者のブラック面が良く出ています。ヤングアダルト本なんですが、そんな枠なんかポイ、です。この作品、出版社の大ポカ(印税未払いの上、民事再生法適用)で、続巻の発売が危うくなりましたが、初版は絶版にして、版元を変えて出し直し、続きもそっちから出す、という事で落ち着いた模様。そうです、西原理恵子が印税2000万踏み倒された、あの出版社です。

  • 北海道と九州を戦争で失った設定の日本では、方言や外来語の使用禁止など、厳しい制約を受けていた。その中の一つが「私立探偵の禁止」

    その元私立探偵を両親に持ち、母親が行方不明になってしまったソラは、町で起こった殺人事件に首をつっこみ、犯人のトリックに迫る。

    だがそれは上記の規則に反対することであり、協力した父親が捕まってしまう。実は父親は「調律師」と呼ばれる凄腕の探偵だった。

    父が捕まったことでソラは探偵となる為姿を消す。

    なにやら続きがありそうで楽しみです。

  • 世界観が特殊なので受け入れるのに苦労しました。
    あとがきにもありますが、始まりの物語って感じですね。図書館で借りたんですけど、これが児童書のカテゴリに入っているのに驚き。

  • 名探偵ソラの1作目。北海道が独立し徴兵制があり探偵業が禁止されている架空の世界での物語。

    本格としてはあまり面白くなかったが、そこに主眼が置かれる作品ではないので置いておく。高校生たちが閉塞感のなかでどのようになっていくのか自作以降に期待。

  • 第二次世界大戦後、ソ連の統治を経て北海道が独立し、<日ノ本共和国>を名乗る北海道との間で激しい戦闘が行われた。主人公の空閑純は17歳の女子高生。友人の景以子や由之とともに合唱部に所属している。純の暮らす<平成>の日本は標準語の使用が義務付けられた管理社会。また犯罪の真相を究明する権利は警察だけに与えられており、私的な探偵行為は法律違反として厳罰に処されてします。そんな中、純の暮らす田舎町で男の絞殺死体が発見される。探偵行為が禁止された社会で、事件の真相を解き明かすのは一体誰?
    少女探偵空閑純(そらしずじゅん)、はじまりの物語。
    【三木市立吉川図書館】

  • 召和20年,広島,長崎につづき3つ目の原爆を京都に落とされてやっと降伏した日本は,日ノ本共和国としてソ連の支配下に置かれた北海道と対立することになった,という架空の世界で,かつて裏稼業で私立探偵をしていた父をもつ空閑純は,近所で起きた殺人事件に関わっていく。
     架空の世界とミステリの組合せが,新鮮で楽しい。シリーズものらしいので,他の作品も読んでみたい。

  • [ 内容 ]
    平世21年の日本。
    第二次世界大戦後、ソ連の支配下におかれた北海道は日本から独立。
    北のスパイが日本で暗躍しているのは周知の事実だ。
    敵は外だけとはかぎらない。
    地方の独立を叫ぶ組織や、徴兵忌避をする者もいる。
    政府は国内外に監視の目を光らせ、警察は犯罪検挙率100%を目標に掲げる。
    探偵行為は禁じられ、探偵狩りも激しさを増した。
    すべてを禁じられ、存在意義を否定された探偵に、何ができるのか。
    何をすべきなのか。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • YA=ヤング・アダルトっていうジャンルが昨今あるそうで。

    実はこの作品の発売記念トークを聴く機会があったんですわ。作者自身がポプラ社シリーズから「Yの悲劇」ってのは辛かったから、その間をつなぐジャンルを、ということだそうで。

    第二次世界大戦後に北海道が独立し、探偵業が禁止され、社会統制の厳しい世界の少年少女のお話。
    榎本武揚に教えてあげたい?!

    いつも感じる、(A辻氏やU野氏とは違う)この作者の根っこの性格の良さが滲み出ていて、青少年には良書ではないかと。

全77件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

有栖川有栖の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×