しばしとどめん北斎羽衣

著者 :
  • 理論社
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本棚登録 : 62
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652201077

作品紹介・あらすじ

学校に行けなくなったボクの前にコツゼンと現れた、葛飾北斎。中学生が巻きこまれた粋なタイムスリップ。現代にやって来た美の巨人・北斎。時空を超えたアートの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 現代の風景には魅力を感じなかった北斎も、人々の生きざまには興味を持つ。
    時代が変わっても、人々がいろんな表情を見せながら生きているのは変わらないのだろうな。

  • オヤジが拾ってきた小汚い老人。垢じみて骨と皮ばかりにやせ細り、着ていた着物はボロ雑巾みたい。病院で治療しているその老人を、オヤジは「葛飾北斎だ」と言う。
    タイムスリップしてきた葛飾北斎だ。ちょいちょいと絵を描いてもらったら一儲けできる・・・とオヤジは目論んでいるが、退院した北斎の面倒を見るのは為一(ボク)に任せたという。

    お祖父ちゃんから受け継いだ古美術の店を潰したオヤジ。お祖父ちゃんが北斎好きだったので、ウンチクは親子ともに聞かされて育ってきたが、ボクには老人が北斎だとは到底信じられない。ただ、オヤジに反論しても無駄だからそういうことにしておく。

    ボク(為一)は今、中学に行けていない。
    だから、必然的に北斎の世話はボクにまわってくる。(オヤジはなにやら金策に忙しいらしい)
    初めは信じていなかった北斎のタイムスリップ。
    けれど行動を共にしていくうちに、それが本当の事だとわかってくる。

    何のために北斎は現代にやってきたのか。

  • 自分は葛飾北斎だという小汚い偏屈な老人を、だめおやじが拾ってきた。不登校中の為一は、江戸時代からきた自称北斎の世話係となる。

    偏屈老人の北斎が、未来の世界に驚きつつもわりとすんなり馴染んでいく様子や、為一のかけあいをユーモラスに描きながらも、物語は核心へと近づき、為一の不登校の理由や自称北斎の謎にせまっていく。設定も物語の流れもおもしろかったけれど、為一の一人称で書かれた話し言葉口調の地の文がちょこちょこひっかかった。ティーンエイジャーらしさを出しているのかもしれないけど、ちょっと読みづらい。

  • まあ、話としては中学生にちょうどいいと思う。
    不登校の主人公というのはこの頃のトレンドだし。
    ただ春画がどうこうというところをどう判断するか。大人としては中学生に積極的に春画に接してほしくないと思う。偶然出逢ってしまったら仕方ないけど。
    こういう作品とラノベとどう違うのか、よく分からないな。理論社は児童文学を出してる会社だから、無条件に学校に入れるところもあると思うけれども。

  • グータラでダメダメの父親が、月夜の晩に連れてきた怪しい老人。この老人は現代にタイムスリップした「葛飾北斎」だという。一発逆転の大儲けをねらう父親に、この老人の世話を押し付けられた不登校の中学生、為一。はじめは信じていなかった為一だったが、老人がサインペンでさらりと描いた人物画に、この老人はただ者ではないと気がつきはじめ…。

  • 「えっ?!作家名が花形みつる?なんだこりゃ」と、
    冗談じゃないか、花形みつるとは、
    『巨人の星』という漫画=アニメの主人公の永遠のライバル。
    あの花形みつると同じ。

    表紙は浮世絵を意識した装丁。
    だとしたら、面白いものが読めるんじゃないか?と
    読みました。

    研究熱心な骨董屋の祖父が亡くなり、
    後を継いだ父親は、女房にも見限られる放蕩息子。
    一発当てようと次々と失敗し、
    その穴埋めには、コツコツとご贔屓筋を大事にした真面目な
    商売で店を大きくした祖父の蓄えを枯渇させてしまった。

    宙ぶらりんな父親に反発しながらの孫=主人公。

    ある晩、父親が時代錯誤などてらをまとったみすぼらしい爺さんを
    連れてきた。出会った場所で心臓なのか急に倒れてしまったらしい。
    父親はこの爺さんは江戸から落ちてきた北斎という。
    北斎と名乗っては怪しまれるので本名の鉄蔵と呼ぶ事に。
    面倒な事が大嫌い、一発屋の父親は
    鉄蔵の世話を息子に任せ、どうやったら一儲けできるか、
    ばかりを考えて。。。

    と、こんな風に話は進む。
    北斎はこんなキャラクターではなかったか、という想像で
    現代に落ちてきた江戸人として、現代を見聞きし
    どんな風に感じて暮らすのかが、描かれる。
    江戸時代にも現代人が落ちて、北斎が保護し、
    弟子にして、、、という内容も。
    なかなか面白い展開で、一気に読んだ。
    残念なのは、もう少し。
    もう少し江戸の空気を景色の描写を
    粋に美しく魅力的に表現してくれたら。。。と
    数倍も魅力的な1冊になっただろうな。

  •  父が連れてきた謎の老人は、タイムスリップして今の時代にやってきた葛飾北斎?
     為一は、骨董屋を営む祖父に育てられた。お祖父ちゃんは北斎が好きだった。ある事情から学校に行けなくなっている為一は、父の話を疑いながらも、鉄蔵と過ごす。商売がうまくいってない父は、北斎の直筆画で一儲けしようとたくらんでいる。富士が見たいという鉄蔵を東京スカイツリーに連れて行くが・・・。

  • 発想は面白いし、テンポのいい話だと思う。
    父親の駄目っぷりがちょっと情けないけど、現実にいそうだよね。
    一つ大いに気に入らないのは先輩の家庭の事情。簡単に書ける話ではないと思うんだけどね・・・
    そこが嫌だったから、星二つ減点。

  • あるところで紹介されているのを見て、図書館で借りて読んだ。一応、児童書に分類されているようだが、内容的には大人が読む本のように思う。まあ、「精霊の守り人」も、元は児童書であったようで、大人の本との境界線は曖昧になっているが、さすがに子供に吉原遊郭の話はないと思う。ただ、この著者、初めて接したが、どこか宮藤官九郎を意識したようなテンポの良さを求めているようで、脚本家を目指した人なのだろうか、プロットとしては面白いものがある。

  • 葛飾北斎がタイムスリップして今の世に来たら?~学生時代イベントで大当たりしてバブルに乗って調子こいていた父親が待乳山から連れてきたのは北斎だという。中二の僕・林為一は信じていないが,先輩と駆け落ち騒ぎを起こして逃げられ,学校から足が遠のいて,世話を引き受けた。富士を見せても感動はなく,スカイツリーに昇っても特に反応はないが,囲ってきた外国人の姿はサインペンで素描した。六本木の美術展に行くと未完成の絵の中の波の描き方雑だと云って,柵の中で筆を執ろうとする。手漉き和紙を手に入れても反応が薄いが,ゑいという女弟子を追って来たと話し始め,女を奪った男との問題は自分で解決しろと云って,遂に美人画を描き始めた。消息が分かって帰宅した時,姿が消えていた日,3度目の満月で浦賀に行くはずだと当たりを付けて,探し出す~花形満って星飛雄馬のライバルだよね。いくつの人か知らないけど,子ども向けの本を書いているらしい。秋の名月が3回あるのって珍しくて171年前にもってことかな?☆3つは甘いような気もするが,記録するため

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