大きなかぶ―チェーホフ ショートセレクション (世界ショートセレクション)
- 理論社 (2017年2月1日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652201787
作品紹介・あらすじ
「この世は正しくて美しいものばかり」華よ色よ、こえてゆけ、尊厳なきしぼむ現実を。名作がスラスラよめる!世界文学旅行へお連れします。
感想・レビュー・書評
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表紙でちょっと笑ってしまう。
対象が小学校高学年からになっており、名作!と身構えずに読めるのは良いと思う。
訳もとても読みやすいし、レイアウトもすっきりしていて余白が多く、見やすい。
作品は再読のものと初めてのものがあったが、どれもすっきりとは終わらない。
不穏さや悲しみがじわりと染み込む。
短編というと上手くオチがつくものが目立つけれど、実人生にはオチなんかなく、途切れなく続いていくのだと改めて思った。
人生の一場面を、シビアに切り取る感じがとても好き。
「犬を連れた奥さん」は、再読だがやはりとりわけ胸に残る。 -
チェーホフ・ショ-トコレクション~親の遺産で食っていける可愛いお嬢さんが興行師に一目惚れして結婚し、それが死んだ後は木材商、風邪で商人が死んだら妻と不仲で男児が一人いる軍所属の獣医と恋仲になり、獣医が定役した後は屋敷を獣医に譲って、男児と離れに暮らす。乞食の子はひもじさにオイスターを食べさせろとねだり、面白がった金持ちはカエルが貝殻にサンドイッチされている姿をしていると思い込んだ男児は目を瞑って飲み込んだ。クリスマス休暇で友達を連れて帰って来たお兄ちゃんは、ピストルと4ルーブルを持ってアメリカ探検に出る積もりだった。砲兵隊の将校は駐屯した地の退役将軍から招待されて、女性に暗闇でキスされ、その町を去ってからも再訪しても気が気でない。避暑地のヤルタで出会った犬を連れた奥さんはサンクトペテルブルクから来たらしく、退屈の余り不倫関係となってしまった。男は忘れられず女の棲む町に来て再会し、女も男が忘れられずにモスクワで人目を忍ぶ密会を始める。8歳の僕の家庭教師は女子大を出たばかりで、親が外出中に、大学生の兄とキスしているのを目撃する。散々焦らして嫌われた挙げ句、今や義理の姉だ。セルジの耳は長く頭は大きなかぶだった。身内で一番身分の高い公爵夫人・出世頭の将軍・娘の嫁ぎ先の大金持ちの札束で遂に世に出すことに成功した。ワーニカはメイドをしていた母が死んで靴屋に奉公に出されたが犬以下の生活で、村に戻して呉れるように親方たちの目を盗んで祖父に手紙を書いて封筒に入れたが、姉名も知らず切手も貼っていない。農夫だった老いぼれは都会に出てソリを御して小金を稼いでいるが、頼りにしていた息子を失ったことを聞いてくれるのは老馬のみ。急斜面をソリで滑りながら女の子にアイシテルと囁くと、もう一度聞きたくて恐ろしい筈のソリにまた乗りたがる。雪と氷が去り、彼女の背後から風に乗せて愛を囁くと嬉しそうな笑顔~『桜の園』で有名(とは云っても読んだことない)なロシアの作家だが、謂うなれば、明治の文豪。もう殆ど古典化してない? 大きなかぶはロシアの民話をアレンジしたものだった。それよりヨシタケシンスケって人のイラストがすっとぼけていてイイねぇ。ありそうでない??本屋ってのを見たよね、本屋で。ジノーチカとワーニカが好みだわ
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チェーホフさんの味わいが分からない。
有名な人気作家だったらしい。
嫌いなわけじゃない、じわじわくる。
ロシアは未知の世界だな。 -
このページ数で、こんなに鮮やかに、動かし難い人生のターニングポイントを切り取ることができるのか。これがチェーホフか。
このシリーズ、ヨシタケシンスケ氏の絵もよいが、見返しの惹句がいつもぴったり。編集の人が選んでおられるのかな?
この巻の惹句も皮肉かと思うほど綺麗にハマる。
「この世は正しくて美しいものばかり」
華よ色よ、こえてゆけ…尊厳なきしぼむ現実を -
ロシア文学、、、少し苦手であった。
桜の薗、三人姉妹、カモメ、この本にも書かれている「犬を連れた奥さん」、、、昔読んだが、余り記憶に残らずにいた。
この本は10話の短編が、入っている。
読み易いのだが、時代背景と、その社会的流れ、気候風土が、理解しないと、難しい作品である。
大きなかぶは、ロシアの昔話であるが、チェーホフのは、我が息子が、後ろ盾に親戚から、一族の出世頭迄、引き込んで、そして、莫大なお金をかけ、世に出すというような、裏口入学(?)的に読めてしまった。(笑)
最後のページに、解説が、書かれているが、ロシア民族は、寒さを肯定的・楽天的に受け止め、愛していると、、、、
やはり、零下以下の気候が、当たりまえという事をいつも忘れて、読んでいたせいなのか?ロシア文学が、好きでなかったのは・・・と、思ってしまった。
私は、寒がり(?)で、冷え性だから・・・(笑) -
はじめて読んだチェーホフ。こういう短編もあるのか、と今更ながらびっくり。心理描写が秀逸で勉強になる。
「犬を連れた奥さん」は不倫の話・・・。ああ、不倫する人ってこうなのね。でも、チェーホフの視線はどこか醒めている。二人は結ばれたところで幸せになれるのかしら。
いつか四大戯曲も読んでみようと思いました。 -
ダメ人間の見本市。品行方正なトルストイ作品の後に続けて読んだら落差に混乱しました。全体的に女性に対する扱いがひどい。若い女性と不倫したいだけなのにいちいち勿体つけて説明して冗長としか感じない。不倫しておいて人間らしいとか全く共感できません。
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ちょっと読みにくそうで構えてしまう名作だけどヨシタケさんの絵のおかげで手に取ってみようかなという気になりますよね。
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各短編それぞれの扉絵もヨシタケさんで、それがまたなかなかブラックだったりして楽しかったです^^
是非是非〜!