ゾラ ショートセレクション 猫の楽園 (世界ショートセレクション 7)

  • 理論社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652202456

作品紹介・あらすじ

『居酒屋』『ナナ』など19世紀後半の仏文学を代表する作家、エミール・ゾラの短編を7編厳選。ユーモラスな話、皮肉や風刺の効いた話、悲劇的な話、ホラー調の話など、興味深く読める作品群でゾラの多様な作風に触れられる。

感想・レビュー・書評

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  • エミール・ゾラ(仏)
    「オリヴィエ・ベカイユの死」死んだと思われ埋葬された男が復活したが、既に社会から抹殺された男には、帰る家も生きる理由もない。切なすぎる話。

  • 〇人間を信じている人の眼差しだなあと。悲劇さえも。

    「アンジュリーヌ」
    ある家族の悲劇がその屋敷を荒れさせていた。
    ←不幸が幸福へと変わる瞬間!

    「広告の犠牲者」
    人生の指針を新聞や広告の宣伝に委ねた青年の話。
    ←情報リテラシー…。

    「恋愛結婚」
    夫の友人に恋した女と友人の妻に恋した男。二人は、夫を友人を手にかけた。
    ←愛と憎しみと疑いと後悔のすえ。

    「猫の楽園」
    「真の幸福、楽園というのは、肉のある部屋に閉じこめられ、打ちすえられることにあるんですよ、ご主人さま」
    ←振り返らなかった自由な猫の矜持

    「オリヴィエ・ベカイユの死」
    ぼくは死んだらしい。体がまったく動かない。妻やまわりの人間の話に焦燥感だけが募る。
    ←二度の死。辛い。

    「血」
    四人の兵士が戦場の中で見た夢。
    ←贖われたのか。

    「コックヴィル村の西酒盛り」
    マエ家とフロッシュ家は不倶戴天の敵同士だった。
    いくつもの火種を抱え、不穏な空気が渦巻いている。
    漁で暮らす村の海にいくつもの酒樽が浮かぶようになった。
    ←酒が破滅ではなく和解を運んでくる話をはじめて見た。

  • 挿し絵はヨシタケシンスケさん!でも、内容とあってない気がするんだなぁ‥

  • 訳者あとがきに「ゾラの多様な作風に触れられる七篇を選びました」とあるが、まさにまさに。同じ人が書いたとは思えない。ゾラとは。

    幽霊譚が生の讃歌に化ける『アンジュリーヌ』、ドタバタ喜劇でみんなハッピー『コックヴィル村の酒盛り』が好きかな。

  • (2024/03/09 2h)

    寓話集のようで、楽しい短編集。

    初めて読むエミール・ゾラの著作となった。
    読んでみたいと思っていたゾラの本であり、猫の癒やされる表紙であり…ということで惹かれて読んだ。

    全7 作
    長さはバラバラの短編。

    好きな順で
    「広告の犠牲者」
    「猫の楽園」
    「コックヴィル村の酒盛り」

    皮肉の効いたストーリー多めで、ゾラの作風がなんとなく分かったような。
    つぎは長編に挑戦したい。


    「世界ショートセレクション」シリーズの七作目として理論社から出された本。

    児童向けなのだろう、字も大きくフリガナが打ってある。内容はヘビー寄りか。
    形式からして読みやすく、読書のリハビリとして良かった。

    他の作家のものも手を出してみようと気楽に思える。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50126827

  • 多種多様なゾラ作品詰め合わせ
    ヨシタケ先生の挿し絵をどう捉えるかは、あなた次第

  • ゾラ初読み。
    すっきりまとまっていて、読みやすいものばかりだった。
    もっとしんどい作品なのかと思っていたので、ちょっと意外。
    いや、シビアだけど。
    「コックヴィル村の酒盛り」は、最高!
    酒の描写が最高!(笑)
    はーーーーー全部飲みたい!
    期待以上に好みの作家だったので、長編も読みたい。

  • ヨシタケシンスケさんのイラストのおかげで手に取る気になった海外文学シリーズ。特にこの表紙の猫はたまらない!それにつられて小説自体も面白く読めた。読み終わってからイラストを見直してさらに楽しむ流れ。

  • よしたけしんすけさんが挿絵を描かれているということで、なんとなく読み始めた本。
    お話としての巧みさや面白さみたいなものは、現代の小説の方がハイレベルなんだろうけど、どのお話もなぜか読み始めると止まらない面白さがあった。
    特に、「オリヴィエ・ベカイユの死」は世にも奇妙な物語的なゾワゾワ感と、しがない男の切なさとで、妙に印象に残るお話だった。

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著者プロフィール

エミール・ゾラ
1840年、パリに生まれる。フランスの作家・批評家。22歳ごろから小説や評論を書き始め、美術批評の筆も執り、マネを擁護した。1862年、アシェット書店広報部に就職するが、1866年に退職。1864年に短編集『ニノンへのコント』を出版、1865年に処女長編『クロードの告白』を出版。自然主義文学の総帥として論陣を張り、『実験小説論』(1880年)を書いた。1891年には文芸家協会会長に選出される。

「2023年 『ボヌール・デ・ダム百貨店』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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