2ひきのかえる

著者 :
  • 理論社
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本棚登録 : 175
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (33ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652203323

作品紹介・あらすじ

畑でゆきあった緑色と黄色の2ひきのかえる。たがいの色の違いからケンカが始まったところへ一陣の風、決着がつかぬままあわてて冬眠に入る。やがて春が来て目覚めた2ひきは、ケンカの続きをするため近くの池へ向かうが──。昭和10年、日本が戦争にむかっていたころ、21歳の南吉が書いた「なかなおり」の話。絵本作家しまだ・しほが四季折々の里山の暮らしをたっぷり背景に描き、なつかしい絵本に仕上げました。

感想・レビュー・書評

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  • 2ひきのかえる 
    2019.09発行。字の大きさは…中。
    絵は、しまだ・しほさん。文は、にいみ・なんきちさんです。

    「みどりのかえる」と「きいろのかえる」がケンカをして、仲直りをするお話しです。

    この本を読み終って考えると。そうだ、たわいない事柄でケンカになることが有ります。また、ケンカにならなくても気まずくなることが有ります。後で振り返ると、何であんなことになったのかと・・・、考え込むことが有ります。解決策が分からず、思い悩むことが有ります・・・。

    この物語では、冬眠を終えて、池で、お互いの体を「褒め合って」仲直りをします。
    作者は最後に「よく眠った後では、人間でもカエルでも、機嫌がよくなるものであります」と書いてあります。

    【読後】
    読み終って、心がほんわかしています。
    2020.08.05読了

  • 身体の色を貶したことから、黄色のかえると緑のかえるの大喧嘩が始まっちゃいました。生まれ持ったものを悪く言ってはいけませんね。それでもよ〜く冬眠したら…。
    あらゆる紛争がこんなふうにシンプルだったらいいのになぁ。

  • 秋、はたけの真ん中でばったり出会った2ひきのかえる。
    「やあ、きみはきいろだね。きたない色だ」
    「きみはみどりだね。きみは自分を美しいと思っているのかね。」
    取っ組み合いのおおげんかが始まりました。
    冬ごもりをするためにいったんけんかを中断しましたが…。

    ☆新美先生のやさしいお話が沁みる。
    ☆シンプルな線のイラストに、季節や感情を表す色遣いがドラマチックだ。
    ☆ケンカしてても、うっかり仲直りしちゃいそう。

  • 春が来る前と後で絵の雰囲気がガラリと変わる。
    春の暖かな雰囲気と池の中の清々しさに読んでいるこちらもほっこり。
    同じ蛙同士、同じ習性をもち、冬眠したり池に歩く様子が可愛らしい。
    一度間を置くと怒りのピークは過ぎるもの。
    すると相手を認め合うことができたり。
    昨今アンガーマネジメントが推奨されていますが、蛙の世界でも同じですね。

  • 3-1 2015/11/18
    3-2 2015/11/18

  • 2023.12.14 4-3

  • 2023-06 3年生

  • 息子7歳12か月
    息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読むようになってきて、母はサミシイ。

    〈親〉
    絵が好き ◯◯
    内容が好き ◯

    〈子〉
    何度も読む(お気に入り) ◯
    ちょうど良いボリューム◯
    その他

    2ひきのかえるが言い争いをして、けんかして、冬が来たので決着は春にもちこし。
    冬眠からさめて、春の日差しのなか池の中を泳いだりしたら2ひきは仲直り。
    春の日差しがさしこむ池の中を泳ぐ2ひきのかえるの姿が美しい。
    ずっと眺めていられる。

  • 面白かった。絵も瑞々しく温かく、魅力的だった。

  • 昭和10年の絵本でありながら、充分に示唆に富んだ絵本です。

    諍いは些細な一言から。
    貶す言葉は、意外と放った本人は喧嘩を売るつもりではなく、考える前に口から溢してしまったものなのかもしれません。
    けれど言われた側がカチンと来るのも道理。
    言い返す言葉は「相手にも同じ思いをさせてやろう」という意図に沿ったものが多いでしょう。
    喧嘩になるのも当然です。

    …が、「どちらが悪いか」善悪を基に謝罪基準を決めた場合、大人でも、第三者に介入してもらったとしても蟠りが残るものです。
    善が悪かの二元論な世界ではない以上根本解決にはならず、同じようなことが繰り返される。
    そして諍いの行き着く先は、精神的にか物理的にか「相手を消す」ことに発展しがちです。

    ならばどうすればよいのか。
    物事は立場が替われば見えているものも感じ方も変わるもの。
    一晩、もしくは一定期間を開けることにより、その間に他者の意見や新たな体験で冷静かつ新たな知見を得て、それでも相手のことを許せないかを改めて考える。
    本当に必要なのは、時間を置いて冷静になってから多方面に視野を広げる、自己研鑽の意欲なのかもしれません。

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著者プロフィール

1913年、愛知県知多郡半田町(現・半田市)に生まれる。中学時代から童話を書き始め、『赤い鳥』『チチノキ』などに投稿。東京外国語学校在学中に病を得、20代後半の5年間は安城高等女学校(現・県立安城高等学校)で教師をしながら創作活動を続けた。1943年、29歳の生涯を終える。代表作に「ごんぎつね」「おじいさんのランプ」「手袋を買いに」「でんでんむしの悲しみ」を始めとして、多くの童話・小説・詩などの作品を残す。

「2019年 『子どものすきな神さま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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