池上彰の 君と考える戦争のない未来 (世界をカエル 10代からの羅針盤)
- 理論社 (2021年5月20日発売)
本棚登録 : 183人
感想 : 18件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784652203651
作品紹介・あらすじ
池上彰が中高生に向けに書き下ろしたノンフィクション。戦争は暴力である。人はなぜ戦争をするのか? 戦争の変遷、戦争の種類、武器の歴史、戦争のルールや条約の歴史などを丹念に辿る。過去の戦争1つ1つに理由があった、だからしかたがない、と諦めるのではなく、その理由を取り除く方法を考える。人間への信頼や希望、一人一人が考え行動していくヒントに満ちた一冊。
感想・レビュー・書評
-
ブクログレビューより紐解いた。「戦争のない未来」に向けて具体的な提案があるのかと思ったためである。現代日本人が変に信頼している池上彰さんが、どの様に語るのか聞いてみた。
中高生向けの本である。前半で近代までの戦争史を概観し、後半で現代史を語っている。かなりやさしい語り口なのは仕方ないけど、結局具体的な提案はなかった。
本人の心中には具体的な構想があって、それをやさしく語らなければならないために具体的にならなかったのか?おそらくそうではない。「自国ファーストよりも地球ファーストだ」とか「話し合いが重要だ」とか、こんなことは現代小学生でも言いそうなことである。
ジャーナリストにも責任がある、という。その中身は、「戦場ジャーナリストが自己責任論で責められるべきでない」ということしか言わない。そうじゃない。ジャーナリストは、その体験と世界的視野で、戦争を終わらすための展望を語り、読者はそれを読むべきだ、というべきだった。
日本政府が政策にしている、核抑止論と核の傘論も、極めて他人事の様な記述しかない。それどころか、池上彰さんはオバマ大統領の広島スピーチを異様なほどに褒めていて、巻末に全文入れている。よく読めばスピーチは、究極の核廃絶(つまり核廃絶の先延ばし)と、核拡散抑止を求めただけであり、従来の政策を踏襲したのに過ぎなかった。
EUの出現は、ヨーロッパの戦争抑止に貢献していることは語っているが、アジアのASEANの成果には一言も触れていない。
等々、書き出せば長く長くなる。池上彰を殆ど読んでないし、テレビも観てないので、軽々にいうのは憚れるのであるが、もしかしたら池上彰の立場は「現状追認」か「ほんの少しの改良」なのかもしれない。けれども、それで果たして「戦争のない未来」は実現できると思っているのだろうか?
せめて高校生は、この本をもっともっと批判的に読んで欲しいと思う。
-
『戦争犯罪』とはなにか?
もともと戦争が犯罪じゃん??
そんな疑問を持った方は多いのではないでしょうか??今起きていることと一緒に、疑問を解決できました!
小学生にもおすすめ? -
全てがつながっている。
そして、歴史は繰り返さないが近似する。
あの時、に似たフラグは
そこかしこに立っている気もする。
絶望的な気分になるけれど。
きっと、微力ではあっても無力ではない、
と信じたい。 -
とても分かりやすかった
戦争を考える導入編として読んでよかった -
2021年5月の本なので、ウクライナロシアの問題はまだ入っていませんが、その片鱗はあちこちに見えています。
そして、今のこの状態を見ると色んなことが虚しくなってしまう。
でも、その原因はすでにあちこちに出てきていたんだなということも分かりますね。
過去を知り、これからを知る。
でも正しい過去を知るのは相当難しいことなのよね。
誰かの視点からの、誰かにとって正しい歴史。
古くよりメディアは都合の良いことしか伝えないということもまた、歴史として伝わっていますから。 -
シリーズ世界をカエル、10代からの羅針盤とある。
話口調でギリシャ時代から現代まで、ピックアップして戦争を平易に説明。戦争について時代順に話すと、そのまま政治史になっていた!
すべての外交は、国の利益を考えた交渉です。お互いが利益だけを主張するだけでは、最悪の場合戦争になります。政治家には、一時の熱狂に左右されることなく、国民と国を考えた冷静な判断が求められます。そうしたことの出来る政治家を選出するのは、私たち国民の責任なのです。さらに、すべての国民が満足する政策はありません。選ばれた政治家がどこを向いて、何をしようとしているのか、選出したあとも、国民は監視し続けなければなりません。そういう責任が国民にはあるのです。
2021.5初版第1刷 図書館 -
まずは、戦争、の定義から入ってくれるのが、池上さんの凄いとこ!
戦争と紛争と暴力の違い……。
言語化できますか?
現代の戦争の簡単な歴史から始め、目的の
“この世から戦争をなくすことができるか”
にいたるまで、論旨が明快でわかりやすい。
人間が始めるものなら人間がやめることができるはず!
という帯の謳い文句と題名は秀逸です。
本当に
いまの大人たちが一掃されて、小学校低学年以下の人たちだけの世の中になったときは、もしかして実現するかもしれません。
学校図書館は買い!!!でしょう。
2021/06/11 更新 -
図書館で借りて読んだが、家の本棚に置いておきたくなって購入した。
繰り返し読みたい。 -
子どもたちに読ませたい良書。
世界のなりたちをわかりやすく教えてくれる。
感覚的には、世界史をひととおりなぞってから読むとわかりやすいかも。 -
ざっと読んだが、戦争のなぜ起こるかより、こういう戦争が起こったんだよ!という歴史を読まされてる感じ。
むっちゃ暇な時また見てもよいかも。 -
自国ファーストではなく地球ファーストで考える!
-
歴史は大切ということが分かった。
知らないと、とんでもない発言をしてしまうこともある。
戦争には繋がりがあり、長い歴史がある。
ひとりひとりが、平和を考えること。
大切な人と生きていきたいよ。 -
-
読みやすい文章と興味深い内容で一気読み。
著者プロフィール
池上彰の作品

>「戦争は人間だけが起こすもの。だから人間がいなくなれば戦争もなくなる」が正しい気がする。
それは確かに正しいと、私も思います。...
>「戦争は人間だけが起こすもの。だから人間がいなくなれば戦争もなくなる」が正しい気がする。
それは確かに正しいと、私も思います。でも、そうはいかないと思っているから、悩んでいます。
>「戦争は始めるよりも終わらす方が難しい」
それも確かに正しいと思います。
でも、人類史の中で、戦争を発明したのは一年で言えば大晦日の遅くであり、戦争のない圧倒的な歴史を持っているのも事実です。潜在的に私は戦争を終わらす能力を持っていると思うのです。
クマさんと師匠の意見を念頭に置いて一度見てみようかな。
クマさんと師匠の意見を念頭に置いて一度見てみようかな。
「世界を変えた10冊の本」は純粋解説本だったので、★4です。
「世界を変えた10冊の本」は純粋解説本だったので、★4です。