ボーダレス・ケアラー: 生きてても、生きてなくてもお世話します

著者 :
  • 理論社
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本棚登録 : 122
感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652204306

作品紹介・あらすじ

祖母が飼っていた犬の豆蔵が死んでひと月あまり。海斗は豆蔵の空のリードを持って散歩をすると、「ボーダー」になった豆蔵や町角にいる「ボーダー」の姿が見えることに気がつく。「ボーダー」とは、死後の世界へ行かずに生と死のはざまに立っている存在。海斗は、ボーダーの生前の思いを調べ、時にはその思いを遂げる手伝いをするようになる。そして、気になるボーダー、中学生の「セーラ」について調べ始めると……。
ささやかな思いの一つ一つが人生のかけがえのない一コマだと気づかせてくれるハートウォーミングな物語。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルからどんな話なのかな…と思っていたが、思っていた以上に面白かった。


    介護施設に入る予定の、初期認知症のおばあちゃんが、死んだ飼い犬のリードを持って散歩している、と近隣住民から連絡があり、仕事をしている母に代わって、施設に入居するまでの数ヶ月間、夏休みのバイトを兼ねて同居して見守ることとなった海斗。

    ばあちゃんは、「豆蔵」が今も生きていると信じていて、決まった時間にリードを持ち出すのだが、なんとリードを触った海斗にも、うっすら透けている豆蔵が見えたのだ。
    それから、海斗のボーダレスケアラーとしての日々が始まった…。
    (あの世とこの世を分ける線、そこに立ち止まったまま、どちらにも行けない「人=魂」をボーダーという)


    主人公の大学生、海斗の語りで進む物語。
    単純で前向きな海斗のおかげで、暗くなりがちな設定も引きずられることなく、サクサクと読める。
    ボーダーを超えて旅立つ魂、ボーダーに残る魂、色々な思いを受け止める海斗の語りが優しい。
    2021.1.7

  • ベスト 『ボーダレス・ケアラー 生きてても、生きてなくてもお世話します』 | 教文館ナルニア国
    https://www.kyobunkwan.co.jp/narnia/archives/weblog/494c8975

    児童文学作家 山本悦子 ホームページおはなし日和
    http://ohanashibiyori.web.fc2.com/

    竹浪音羽 tumblr
    https://otohatakenami.tumblr.com/

    ボーダレス・ケアラー | 株式会社 理論社 | おとながこどもにかえる本、こどもがおとなにそだつ本
    https://www.rironsha.com/book/20430

  • 夏休みの間、一人暮らしで少し認知症の祖母の世話をすることになった海斗。死んだはずの祖母の愛犬、豆蔵のリードを持つと豆蔵や心を残した亡くなった「ボーダー」が見える。うん、良かった。いい物語。海斗の優しさが人を救う。

  • 個人的に興味があるヤングケアラーもの。と思って借りたのだが、ヤングケアラーは確かに出てくる。主人公だ。しかし、主人公は生と死の世界にいるボーダーの幽霊のケアラーでもある。水先案内人は亡くなった犬。その犬のリードに触れることでボーダーにいる人が見える。想像とは少し違ったがこれはこれでよかった。

  • とりあえず児童書扱いだけど、ヤング向けで十分だと思う。いわゆる「幽霊が見える」話だが、彼らを怖がったり騒いだりすることなく、優しく接する主人公が素敵。この世に思いを残してボーダーとなった魂たちに向けるまなざしは生きてる人へのそれと変わりない。
     常々「幽霊スポット」とかで騒ぐ人たちに違和感があった自分としては、こうした本を多くの人に読んでもらって、「生きていた人」への扱いを考えてほしいものだと思う。
     
     挿絵目当てで買ったけれど、思わぬ拾い物をした気分。

  • 【ポップ】
    海斗は自称ボーダレス・ケアラー。
    認知症の祖母を手助けしたり、ボーダーの世話をしたりしている。
    ボーダーは生きている人の世界と死後の世界を分ける境目で毎日を過ごす。毎日毎日、何年も何十年も、同じことの繰り返し。なぜそこに居続けるのか、何をしたいのか、自分が誰なのかさえわからない。幸せなのか?…幸せって?わからない…というか、何も感じない。
    海斗は、そんなボーダーの力になりたくて、あちこち走り回る。誰も頼んでないのにお節介だよね。
    海斗がどうやってボーダーをケアしたか知りたいでしょ?

    【感想】
    死ぬ時って、どんなことを思うのかな?
    事故で一瞬のうちに命を失うとしたら?
    それでも、心残りな事があるのかな、大事な人のことを考えるのかな…。
    映画の中だと、一瞬が、まるで長い時間のように感じられて、昔からの思い出がずらずら〜っとめぐるのだけれどね。
    自分は何を思うだろう?
    いつも感謝しながら生きようと思った。

  •  夏休みの間、認知症のおばあちゃんの側にいて面倒を見るというバイトを引き受けた海斗。
     死んでしまった愛犬の散歩に行くと言うおばあちゃんに付き添って出かけ、リードを持ったら死んだはずの犬の姿がリードの先に現われた。リードを離すと消える。幽霊なのか? 
     そしてマンションの駐車場にたたずむ女子中学生に声をかけられた。「見えるんだ」…この子も幽霊!?

     彼女は、生きてる人の世界と死後の世界を分ける境い目、ボーダーラインの上に立っているのだと言った。

  • 夏休みに認知症の祖母の世話を頼まれた大学生の海斗

    祖母の愛犬だった豆蔵の空のリードを持って散歩していると、セーラー服の中学生が見えることに気づく

    「幽霊なの?」
    「ちがう」
    「じゃ、なんなのかな、その……」
    「ボーダー」

    ボーダー──生きてる人と死後の世界を分ける境目の上に立っている、何かの事情でボーダーラインを越えられずにいる存在

    海斗は、事故で死んだ同級生や急死した売れっ子漫画家などボーダーたちの思いをたどり、願いをかなえる手伝いをするようになる

    そして、セーラー服の中学生ボーダー“セーラ”について調べていくと……

    第55回野間児童文芸賞『神隠しの教室』(童心社、2017年)の山本悦子が贈るひと夏の“ボーイミーツボーダーガール”の物語、2021年5月刊

  • 一瞬で読んじゃいました。面白かった。良かった。良かったね。

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著者プロフィール

愛知県生まれ。『神隠しの教室』(童心社)で第55回野間児童文芸賞を受賞。主な作品に『二年二組のたからばこ』『先生、しゅくだいわすれました』(共に童心社)『夜間中学へようこそ』(岩崎書店)『今、空に翼広げて』(講談社)『はっぴょう会への道』(PHP研究所)『神様のパッチワーク』(ポプラ社)など多数ある。日本児童文学者協会会員。

「2021年 『先生、感想文、書けません!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山本悦子の作品

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