赤い百合

  • 臨川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784653037385

作品紹介・あらすじ

19世紀末のパリとフィレンツェを舞台に、浮華な社交界を逃れ、真実の愛と自由を求めた貴婦人の、官能的で、はかない恋愛模様。アナトール・フランスの絶妙な筆が描く、人間の感情の機微、流行の最先端をゆく、きらびやかな会話の数々…。杉本秀太郎による完全新訳。

感想・レビュー・書評

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  • ノーベル賞作家アナトール・フランスの長編嫉妬小説,芥川龍之介,柳田國男や永井荷風も読んだ由.ただ,この訳者のものではないが...
    テレーズは代議士のマルタン=ベレームの夫人だが,ル・メル二という愛人がいる.テレーズはフィレンツェ在住の詩人ヴィヴィアン・ベルにところにマルメ夫人と一緒に逗留するが,そこで彫刻家のジャック・ドシャルトルに会い,恋に落ちる.だた,さいごの場面でドシャルトルがテレーズの行動の中にル・メルニの影があるのを嫉妬して二人の仲は破綻する.なんとも妙な物語だが,当時の貴族の夫人は夫に隠れて恋人との逢瀬を楽しんでいたのだ.連絡は電話ではなく,手紙でのやり取りで何とももどかしいが,ある意味で新鮮な感じがする.この小説は1894年刊行だが,日本でも30年前はそうだったのだ.当時のフランスの貴族は遊ぶことばかりのようだが,夜の宴会では軽妙な会話を交している.小説や絵画,またオペラなどの基礎知識は豊富だ.どこで会話のネタを仕入れているのか,不思議でならない.

  • 読みたい。

  • 今では珍しくないだろうタイプながら、100年以上前にこういう女性を描く意義を考えると深い

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著者プロフィール

1844-1924年。パリ生まれ。高踏派詩人として出発、その後小説に転じて『シルヴェストル・ボナールの罪』、『舞姫タイス』、『赤い百合』、『神々は渇く』などの長篇でフランス文学を代表する作家となる。ドレフュス事件など社会問題にも深い関心を寄せ、積極的に活動した。アカデミー・フランセーズ会員。1921年、ノーベル文学賞受賞。邦訳に《アナトール・フランス小説集》全12巻(白水社)がある。

「2018年 『ペンギンの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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