十七世紀のオランダ人が見た日本

  • 臨川書店
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784653040460

作品紹介・あらすじ

ヨーロッパ諸国のなかで、唯一鎖国下の日本と交易を許されたオランダ。貿易で黄金時代を築いたオランダ人がヨーロッパに伝えた「日本情報」とはどのようなものだったのか?-リンスホーテン『東方案内記』をはじめとする旅行記や、東インド会社関係文書など、これまで明らかにならなかったオランダ人による日本記述をつぶさに紹介。彼らの日本観の形成とその変遷について、京都・日文研気鋭の研究者が解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸初期に家康は海外との貿易は奨励していたが、その中で貿易相手がポルトガルからオランダにシフトして行くことになり、オランダ人による日本についての情報が増えて行き、徐々に書籍もオランダで発行されていった。オランダ国内のみならず、欧州内で日本についての本が売れていったようです。
    ただこの時期の日本についての記述は、東アジアについての記述の一部にとどまっていたようで、出版された本の数ベージだったり、一章だったり、さらに先人が書いた内容を再掲するような状況だったようである。
    ただ、バタビアにあった東インド会社が所蔵している日本商館からの情報はかなり詳しい実体験が書かれており、どういう経路かははっきりしないものの、その内容から情報を取られているものについてはかなり興味深い。

  • 17世紀に最盛期を迎えたオランダが日本との独占貿易国の地位を得て、実際に日本に来た人たちがどのような感想をもっていたのか、あまり考えたことがなかっただけに大変興味深いものがありました。日本の女性と結婚して6人の子供を得たというフランソワ・カロンは日本の女性に大変貞淑な良い印象をもっていたのに、同時期のハーゲナールは「東インド会社の起源と発展」の中で、娼婦たちの多い姿を見て日本女性に悪印象を書き残しているというのは、どちらも真実な姿でありながら、当時彼らの紀行を読んだオランダ人には混乱を与えたのだろうと思います。将軍を皇帝と呼び、天皇はどのように考えれば分からず、ダイリ(内裏)と訳していたというのは面白いものです。藩主たちは国王たちになります。そして日本の宗教については野蛮な偶像礼拝の国だと書いているのは、オランダ人からすると当然のことだろうと思います。しかし、日本を大変な文明国だと受け留め、大阪城の大きさを世界8大不思議と考えたり、皇帝が50万人の兵力を動員できると驚嘆しているのは、当時のハプスブルク、フランスなどの強国でさえ、15万人と考えられていたことから考えると東洋の想像を絶する大国ということになるのでしょう。しかし、カロンが「日本大王国志」で、頼朝と信長が混戦したり、日本歴史を理解することのむずかしさはやはり、と思います。ゼルデレンが、「東インド会社遣日使節紀行」の中で、神戸近くの塩屋を美しい町として気に入っていること。明石に大きな地震があり、家の半分はまだ倒壊状態だったと記述しているというのは、慶長の大地震のことでしょうか?やはり阪神大震災は一定の周期で訪れているということですね。

  • 表紙の、ヘンテコ日本に惹かれて手に取ってみた。
    期待したのは、海外から見た日本のヘンテコぶり。
    しかし、この作者の日本通っぷりがかなりのもので解説がまとも。

    表紙のような、ヘンテコ日本というより、十七世紀のヨーロッパと日本の文化比較がメインになっている。
    非常にためになったのではあるが。。。。

    変な記述をもっと紹介してほしかったな。

  • オランダ人を通してみた日本と当時のオランダがよくわかり、非常に興味深い。

    オランダ人は香辛料の独占に次いで日本貿易の独占も目指した。
    当時、アントワープやロッテルダムはヨーロッパの中でも中核的な港町であったが、それだけ日本の諸都市の規模や経済的繁栄は印象的だったようである。
    オランダは当時のヨーロッパとして異例の人口密度の高さと資源不足がオランダの成長の基であると考えた。この人口に食糧供給するために、オランダ人は必然的に貿易に乗り出さざるを得なかった。また、この貿易によってアムスは欧州の倉庫となり資源が集まる環境がさらに産業の発展にも寄与した。
    オランダでは当初、日本は寒い国として認識されていた。オランダからは混んできた毛布が日本で売れると考えられていた。
    男色は17世紀のオランダにおいて神に対する恐ろしい罪として認識されていた。発覚すると死刑になる大罪だった。同性愛を公認している現在のオランダとは違うな。
    日本人はとても賢いが、その一方で偶像や悪魔の野蛮な下僕でもある。

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著者プロフィール

国際日本文化研究センター教授

「2021年 『ウィリアム・アダムス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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