トンブクトゥ 交界都市の歴史と現在

著者 :
  • 臨川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784653043140

作品紹介・あらすじ

14世紀から16世紀にかけて、地中海世界とブラック・アフリカとをむすぶサハラ縦断塩金交易をもとに、「黄金郷」また「イスラームの学林」として憧憬されつづけたトンブクトゥ。史資料と歴史研究の成果を踏まえて同交易の実態を探り、その特質をアジアのシルクロードと交叉させて明らかにする。さらに近年の臨地調査をもとに、現在のトンブクトゥとそこに生きる人びとの活動を実証的にかつ壮大なスケールで描き出す!


【目次】

はじめに
Ⅰ トンブクトゥ幻想――カタローニア図からルネ・カイエまで
Ⅱ 砂丘列のなかの構築港市
Ⅲ 都市編成の構造分析――形態論からのアプローチ
Ⅳ サハラ縦断塩金交易――シルク・ロードとの対比
Ⅴ「黒人たちの国々」への道――成立と西遷
Ⅵ トンブクトゥ簡史――栄光と凋落
Ⅶ 最盛期のトンブクトゥ――歴史地理と施設配置
Ⅷ 近現代のトンブクトゥ――植民都市への改変
Ⅸ 人口構成とエスニシティ――諸集団共住の実態
Ⅹ トンブクトゥ町家論――「住まい」と「住まう」
XⅠ 家族の職業――大区別・エスニシティ別特性
XⅡ 市場活動のエスニシティ・ジェンダー(Ⅰ)――「大市場(ヨブ・ベル)」
XⅢ 市場活動のエスニシティ・ジェンダー(Ⅱ)――「小市場(ヨブ・カイナ)」
XⅣ 市場活動のエスニシティ・ジェンダー(Ⅲ)――「近隣市場(アルバメ市場)」
XⅤ トンブクトゥ周辺の農耕――ニジェール川と砂丘の賜物
注・トンブクトゥ関連年表・おわりに

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  • トンブクトゥ、その響きに憧れ、泥で作られたモスクとはどんなものか、黄金交易でのかつての繁栄はどんなものだったのか、学術が栄えていた時代のことは、などなど色々知りたく。以下備忘録的に/ティンブクトゥとは元々デベソの意味だったとか/1352-3年にこの地方を訪れたイブン・バットゥータもトンブクトゥについてはほぼ語らず、ガオがスーダン最大の立派な都市とする/ムーサ王はアッ・サーヒーリを招き、ジンガラベイレル・モスクを建てさせた/サードは当時の人口を一万と推定/モロッコのソンガイ進出。マスケット銃を装備し、20倍の兵力差を跳ね返す。総指揮官は、グラナダ王国出身のキリスト教徒からの改修者ジュデル/トンブクトゥは首都になったことはなかった//モロッコ侵攻にあたり軍人役人は敵前逃亡、学者と商人が抵抗/トンブクトゥは帝国に担保されたのではなく、帝国がトンブクトゥに担保されていた/トンブクトゥの特質は、「港と市街地が一体化した砂丘列の中の構築都市」/生き物のように市域がどんどん展開していき、ピークから収縮していく様を、史料と臨地調査から後付けていくのが圧倒される。また、多民族都市、北からアラブ系、南から黒人系を呼び込んで繁栄したこと。トンブクトゥ自体の産品はほぼなく、本当に貿易の中継地としてのみ栄えたのだな、と。/p.109-171を国会図書館から取り寄せ。

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著者プロフィール

1938年,大阪市生まれ。1964年,京都大学大学院文学研究科博士課程中途退学。
1964年から2009年まで,国・公・私立の計6大学8部局に勤務。京都大学名誉教授。
主な著書に『西南アジアの農業と農村』(共著,京都大学人文科学研究所),『絵地図の世界像』(岩波新書),『「世界地図」の誕生』(日本経済新聞出版社),『人類はどこへいくのか』(共著,講談社)などがある。

「2011年 『都城の系譜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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