ロシア・ソヴィエトのユダヤ人100年の歴史 (明石ライブラリー 41)
- 明石書店 (2002年8月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (558ページ) / ISBN・EAN: 9784750316093
感想・レビュー・書評
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ユダヤ人は他の民族に急速に同化していくだろうというレーニンの期待とは裏腹に、ソビエトのユダヤ人は確かに文化的に適応したが、同化しなかった。その理由はユダヤ文化をずいぶんと失いはしたものの、ユダヤ人としての帰属意識を失わなかったからである。1930年代および1940年代の多くのソビエトのユダヤ人は、ユダヤ人の帰属意識と非ユダヤ人文化との間に生じる矛盾を貴族意識を捨てて一致させようとしていた。しかし、彼らは「暗黒時代」によってそんなことは実行不可能であることを学んだ。1960年代の後半およびそれ以降、多くの人たちは帰属意識を捨てるよりも、むしろ自分たちの文化を取り戻そうとした。彼らはソビエト社会主義共和国連邦の中でユダヤ文化を復活しようと努力しはじめたが、そうした努力に対して強い制約があることをすぐに認識した。1967年以降になって、純然たるユダヤ文化やユダヤ人としての明確な帰属意識を持ち得るのは、彼らが生まれた国においてではなく、ユダヤ人国家イスラエルにおいてであるという結論を出した 。
2世紀にわたって何百万人というユダヤ人が1つの統一体、すなわちロシア帝国とソビエト社会主義共和国連邦に暮らしてきた。それが冷戦後には15か国にクラスようになった。15か国の中には、これまで存在しなかった国家もあるし、また1939年に存在しなくなった国家もある。彼らの指導者や政策や民族的少数派に対する考え方は知られていなかった。多くのユダヤ人は、1989年に社会的、政治的、経済的変化が起こったことには既に不安感を表し、厖大な数の人がソビエトを離れた。1989年だけで71,000人が移住したが、ほぼ17%がアメリカへと渡った 。
