もうガマンできない!広がる貧困 人間らしい生活の再生を求めて

  • 明石書店 (2007年7月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784750325842

感想・レビュー・書評

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  • 012063.

    サヨクの演説みたいな文章だ。気のせいかもしれないが。

  • その中には、実際に貧困の渦を体験した人たちによって綴られた生々しい記事が載せられています。やはりどの記事にも共通して訴えられているのは、国によるセーフティネットの不備です。現行の社会保障制度では、まず正規労働者と自営業には被用者保険と地域保険が保障されています。しかし、それらに加入するためには保険料の支払が義務とされますので、支払えなければ保障が受けられないわけです。今、この保険料が払えない層が増大しているということを耳にします。フリーターやニート、長期失業者、障害者、母子家庭、高齢の単身女性などが多数を占めているそうです。こうした社会保険を受けられない人々は生活保護を受給することができます。しかし、受給には親族の支援の有無や稼働年齢などの厳しい要件があり、受けられない人々も大勢いるのが現状のようです。そのような人々はどうするか。ホームレスになる他ありません。そういった人々の足元からすくいあげ搾取する「貧困ビジネス」なるものも問題となっています。一度転げ落ちると再チャレンジできず、貧困の渦に巻き込まれてしまう。真に不幸な人ほどないがしろにされているのが今の日本なのではないかとこの本を読んで感じました。
    日本国憲法13条には、一人ひとりの人間が人格の担い手として最大限尊重されなければならないという個人の尊厳原理に立脚して、幸福追求権を保障しています。また25条には、健康で文化的な生活を営む生存権を保障しています。はたして国はこれに沿った社会を作り上げていると言えるでしょうか。国を船に例えると、その船には溺れている人々を載せるだけのキャパシティーはあり、だれも死なせない、助けると旗に掲げています。しかし、船員たちは船が一杯になることを嫌い、比較的救護に手間がかからないまだ余力のある人々を選択的に救い、社会という荒れ狂う海の中で溺れかけ何度も這い上がろうと真に助けを必要としている人に対しては見殺しにする。今の日本はそのような船に見えてしかたないのです。

  • 貧困問題から目をそらしてはいけないと感じた。貧困にあえいでいる人はわるくない。もっと苦しさをアピールしてもいいんだよと感じた。

  • 昨今急激にクローズアップされている貧困問題。1年半ぶりにアメリカから帰国した友人が日本に帰ってきて一番変化を感じたのは,メディアが貧困/格差を取り上げるようになっていたことだ,と言ってました。貧困と格差との差異と交錯については脇に置くとして,確かに「見えない君」扱いから徐々に表舞台に上がって来た様な気がします。むしろ,現実世界に溢れ出したというべきか。ただ,メディアがスポットを当てるのは,日雇い派遣だったり,ネカフェ難民だったり,派遣切りだったりするわけですが,その人たちは,日雇いでも派遣でも,仕事があれば自分で働ける人たちです。でも,実はこういう世相になる前から貧困の中に居たのは,シングルマザーだったり,障害者だったり,高齢者だったり,外国人だったり,そもそも働けない,働きにくい,人たちだったということは,メディアはあまり伝えてくれません。自分の問題としてロスジェネに気を取られすぎていた僕に,この問題の幅広さと根深さを気付かせてくれたのは大きい。多分,ここに挙げたグループの間だけでも,それぞれに利害があって(外国人のせいで職を奪われたetc.),悪いやつら(誰だ?)はそこから切り崩し,対立を煽るのだろうけど,それは嫌だよねぇ。反貧困ネットワークというしくみが,この問題に対してどこまで有効かは分からないけれど,ネガティブシンボルの元に幅広い連帯(うぁ,気持ち悪い)の可能性を開いたとは言えるかも知れない。あえて,「反」貧困という敵を安易に主体化しない言葉を選び,「同盟」でも「連合」でも「全国会議」とかでもなく,「ネットワーク」としたセンスに期待したい(って,他人事みたいで無責任だな・・・。でも,まだちょっと抵抗あるのよね,組織とか運動とかさ)。そこはかとなくポストモダンな匂いがすると思うのは僕だけですかね。まぁ,今動いてる左系な人たちはあの時代(ってどの?)に学生とかだったんだろうし。これが,「非−貧困マルチチュード」とかいうネーミングだったらと思うと面白い。あぁ,いかん,また不謹慎だな(汗

  • 自分の不幸を誰かのせいにしない。

  • 08/05/29

  • 反貧困の取り組みを早急にはじめないといけないな。

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著者プロフィール

1946年生まれ。東京大学法学部中退、弁護士、一般社団法人反貧困ネットワーク理事長、公正な税制を求める市民連絡会共同代表。
主な著書として、『消費者金融 実態と救済』(2002年、岩波新書)、『弁護士、闘う 宇都宮健児の事件帖』(2009年、岩波書店)、『弁護士冥利――だから私は闘い続ける』(2009年、東海教育研究所)、『天皇制ってなんだろう? あなたと考えたい民主主義からみた天皇制』(2018年、平凡社)、『韓国市民運動に学ぶ――政権を交代させた強力な市民運動』(2020年、花伝社)、『黒風白雨――私はこのように生きてきた』(2025年、花伝社)など。

「2025年 『なぜ資産に課税しないのか 富裕税入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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